66 エリス R-2号に執着なしw
うおおおお、エリスッ、それよりだ。このままじゃあR-2号はねこや先生に連れて行かれちゃうぞ。いいのかっ?
「にゃんこ先生」
「にゃんこ先生じゃなくて『ねこや』って、何だか掛け合い漫才の決め台詞みたいになってきたね。何かな? 剣汰瓜さん」
「R-2号さんはお金儲けできそうなのか?」
それを聞いたねこや先生、満面の笑み。
「出来ますとも。何せこのお肉よ。稼げない訳がないわ。スリスリスリスリ」
「ぬおっ、やるな。にゃんこ先生。くそう負けるもんか。スリスリスリスリ」
だっ、だから、僕の胸板はスリスリしなくてもいいのっ! エリスッ!
◇◇◇
「まあ、すっごい筋肉質だし、何か出来そうよね。剣汰瓜さん、新田君。海外から来たお兄さんが心配なのは分かるけど、ここはねこやに任せようよ」
うわっ、また鵜鷺先生がまとめにかかった。やばいぞ。エリス。マジでR-2号が連れて行かれるぞ。止めろ。
「にゃんこ先生」
「ねこやだよ」
「R-2号さんにうんと稼がせてくれ」
「うん。まーかせて」
いいのか? それでいいのか? エリス。しかし、僕ではこれ以上止められないぞ。
「決まりねー。じゃあ、あたしは保健室いったん閉めて、アールニゴウさんと『買い物デート』に行ってくるからー」
ぴこぴこぴこぴこ
あー、ねこや先生の猫耳が動いてる、そう言えばそんな設定あったねー。保健室編えらい長くなったから忘れていたよー。
「ねこやー。保健室の窓ガラスが割られた件は、見なかったことにしてあげるけど、早く修理しないと校長先生に見つかるよー」
「まーかせて。ピョンちゃん。猫界のナンバーワンDIYヤーと呼ばれたこのあたしの実力を遺憾なく発揮してくれるわ。頼りになる彼ピもいるしね」
ぴこぴこぴこぴこ
「……」
いえ、ねこや先生。それは他にDIYをする猫はいないでしょうからナンバーワンでしょうけど。それにしてもR-2号、固まったままだけど大丈夫なんかな。
「じゃあ剣汰瓜さんに新田くん。三時限目から授業に戻りましょ。ちょうど私がもってる『公共』の授業だし」
後ろ髪を引かれる思いだけど、鵜鷺先生の言う通りだしなあ。もうここはなるようになれかなあ。
「剣汰瓜さんに新田くん。R-2号が心配ならお昼休みにまた保健室に来ればいいよ。あたしはそれまでに戻ってきてR-2号とラブラブ愛してるやってるから」
ねこや先生。ラブラブ愛してるって他の生徒や先生が来たらどうするんです? でもやっぱ気になるから昼休みにまた保健室に来るかな。僕は母さんが弁当作ってくれたし、エリスはお昼どうするの?




