65 思春期男子を動揺させる「新スリスリ」w
「買い物デート」というのはだな仲の良い男女がカップルになって、買い物を楽しむことだ。
「ソレハ『楽シイ』ノカ?」
楽しいらしい。と言うか僕にも経験がないのだっ! 聞いてくれるな(泣)。
「何言ってんのっ! 楽しいに決まってるじゃない。大人の『買い物デート』だよ」
ねこや先生、ぐいと右腕でR-2号の左腕を掴む。
「このあたしとアールニゴウさんのデート! 楽しくないわけがないじゃないっ!」
ねこや先生、満面の笑み。おい、エリス。護衛アンドロイドのR-2号がねこや先生に連れて行かれてしまうぞ。いいのか?
「にゃんこ先生」
「にゃんこ先生じゃなくて『ねこや』って、この展開、さっきにもなかった?」
「昔のことは忘れたよ。明日のことは分からない。R-2号さんはあたしの護衛なのだ。生活費を稼いでもらわなければならないのだ」
「そういうことね」
ねこや先生の顔がぱあっと明るくなる。むむ、何か嫌な予感。
「そういうことなら、このあたしがバッチリアールニゴウさんのお仕事見つけちゃうよ。そしてゆくゆくは二人の愛の巣を。むふふふ」
いえ、ねこや先生。R-2号はエリスの生活費を稼がなきゃならんのですよ。先生と愛の巣を営まれると困るのですが。
「新田君。細かいことはいいの」
いえ、細かいことではないと思いますが。
鵜鷺先生、苦笑い。
「まあ、すぐのすぐに、ねこやとアールニゴウさんが結婚するわけじゃないしね。ねこやは自分の生活費は自分で稼げてるし、アールニゴウさんの稼いだ分は剣汰瓜さんの生活費にするってことでいいんじゃないかな」
「さっすがピョンちゃん。あたしはそれでオッケーイ。大丈夫大丈夫。アールニゴウさんならすぐに何人分も稼げるようになるって。なにせこのたくましいお肉だもの。むふ。むふ。むふふふ」
ねこや先生、右手の平でR-2号の胸板をスリスリ。
試しに青い左眼を閉じて、黒い右眼だけで見てみると、確かに凄い筋肉に見える。アーノルド・シュワルツェネッガーかシルベスター・スタローンかって、ぬおっ!
スリスリ スリスリ スリスリ スリスリ
やっ、やめいっ! エリスッ! 僕の胸板はスリスリせんでいいのだっ!
「何を言うか。オキムネ。せっかくにゃんこ先生がお手本を見せてくれているのだぞ。見習わなくてどうすると言うのだ」
あれはお手本じゃないの。僕はR-2号みたいに胸板厚くないし。それに何と言ってもだよ。思春期男子が女子高生に胸部をスリスリされるとだ。うおおおおっ!




