64 4.367光年は遠くないっ!w
「ごちそうになった? まさかパパ活じゃあ?」
鵜鷺先生、さすがにそれは心配し過ぎです。エリスと老谷のじいちゃんだけで食べてたわけじゃないのです。作ってくれたのは老谷のばあちゃんで、僕も一緒にごちそうになりました。
「そっ、そう」
鵜鷺先生、ホッと一息。
「でも、剣汰瓜さんの家庭環境は問題ありそうね。一度、保護者の方とお会いした方がいいかもね」
「オキムネ、『ホゴシャ』って何だ?」
エリスの場合、ご両親のことだよ。
「えーと、剣汰瓜さんのご両親はかなり遠くの地方に住んでるんだっけ?」
「遠くとは失礼な」
エリス不満顔。うわあああ、余計なことを言うなよ。
「たったの4.367光年くらいだぞ。しかもだっ! 我らがケンタウリ帝国は既にハイパードライブエンジンを開発してるので、三か月くらいしかかからなかったのだっ! エヘンッ!」
「えーと」
さすがにすぐにリアクションが取れない鵜鷺先生。しかし、すぐに立ち直る。
「相当重度の厨二ねえ。ご両親に禁じられていたオタク趣味が離れて生活するようになって爆発したパターンかなあ」
ふうっ、オタク趣味に理解がある担任の先生で助かりました。
「でもこのままじゃ心配よね。同居しているお兄さんも海外から来たばかりで日本のこと知らないんだっけ。新田君は面倒見のいい彼氏だけど、まだ高校生だしね」
僕は彼氏じゃないけど、それは置いとくとして。大家さんの老谷さんご夫妻は、じいちゃんは変態……いやもとい脱ぎたがり……いやもとい変人ですが、ばあちゃんがその分しっかりしているんですよ。
「ふーん。ご両親が大家さんによくお願いしてるってこと?」
そうですっ!
「オキムネ。うちの両親は別に老谷のばあちゃんとはモゴモゴモゴ」
えーいっ、余計なことは言わんでいいっつうのっ!
しばし呆然と僕とエリスを見ていた鵜鷺先生だけど、そのうち笑い出した。
「ぷっ、やっぱり二人仲いいね。うん。私も結構アニメとかラノベが好きだから、気持ちが分からなくもないよ。大丈夫。いいアルバイト紹介してあげるから」
ありがとうございます。ふうっ、取りあえずこっちの方は何とか収まりそうかな。
◇◇◇
「ねえっ、そっちの方、話終わった? そしたらね、私ちょっと保健室閉めて、彼ピと買い物デート行ってくるから」
わっ、ねこや先生!?
「オキムネ。『買イ物デート』トハ何ダ?」
あっ、そうか。、R-2号の方のこともあったんだった。前にも同じことを言ったが、エリス。ねこや先生がR-2号を連れってちゃっていいのか。護衛用アンドロイドだろう。




