63 ピョンちゃん先生 「新しいタイプの風俗」疑惑を抱くw
「つまり剣汰瓜さんはこの町で高校生活を続けるために生活費を稼がねばならないってことよね」
鵜鷺先生、冷静にまとめだしたぞ。
「そうなるとね。剣汰瓜さんはうちの学校の生徒だから、学校で認めているアルバイトを紹介してあげてもいい。もちろん、学業に支障のない範囲でね」
それは有り難い。僕も一緒にやろうかな。高校入ったらアルバイトやりたいと思ってたし。
「仲いいね。分かった。二人が一緒に出来るのを紹介してあげるよ」
鵜鷺先生、笑顔。しかし、エリスは真剣な顔、うわあ何だ?
「オキムネ……」
な、何かな?
「『アルバイト』って何だ?」
そこからかよ。要は仕事をしてお金をもらうんだよ。高校生だからそんなにはもらえないけど、家賃とか電気料とか水道料とか稼がなきゃなんないだろ?
「仕事? 昨日、老谷のじいちゃんとやった『脱衣麻雀』みたいなやつか?」
「『脱衣麻雀』ー?」
わあ、僕がつっこむ前に鵜鷺先生が反応した。いや無理ないけど。
「あんたたち入学二日目にして既に『風俗』で働いたわけじゃないわよね?」
鵜鷺先生、怖い顔。ちっ、違うんですよー。老谷さんって、エリスの借りてる家の大家さんで、「家族麻雀」と言ったんですよ。「脱衣麻雀」じゃなくて。
「何を言うか、オキムネ。老谷のじいちゃんはちゃんと脱いでたじゃないか」
わあっ。
◇◇◇
「あんたたちー、それが事実なら『保健室』の次は『生徒指導室』に行ってもらうことになるよ」
鵜鷺先生、真剣になると怖いのね。しかし、高校生が雀荘に行くこと自体がヤバイので、ここは。先生、白状しますと「家族麻雀」とは別にパソコンゲームで「脱衣麻雀」をやったのです。
「あらあ、それならいいってなるわけないでしょ。『脱衣麻雀』ってことは18禁ゲームじゃないの?」
いえ先生、そんなに過激じゃない「脱衣麻雀」なら18禁じゃないのもあるんですよ。
「何を言うか、オキムネ。老谷のじいちゃんはちゃんと脱いでたじゃないか」
ええいっ、エリス。静かにしておれ。ほらほら、先生。脱ぐには脱ぐけど水着までってやつですよー。
「オキムネ。老谷のじいちゃんは最後はパンツも脱ぐとモゴモゴモゴ」
ええいっ、エリス。黙らんかあっ!
「新田君には悪いけど、剣汰瓜さんの話を聞けば聞くほど『新しいタイプの風俗』としか思えないんだけど……」
◇◇◇
考えろ。考えろ。オキムネ。何かの認識がズレているのだ。それは何だ? あっ!
「鵜鷺先生。老谷さんは絵栗鼠のお客ではないのです。絵栗鼠は老谷さんと麻雀をしていただけで、お金をもらったわけではないのです。逆に家賃を払ってくれと言われているのです。な、絵栗鼠。老谷さんからお金をもらってないよな」
「うむ」
エリス何故かドヤ顔。
「お金はぜんっぜんもらってないのだ。だいぶごちそうになったが」
ああっ、もう。 またそういう誤解を生む物言いを。




