4 この作品は日常系SFコメディーですw
当たり前だけど、僕は絵栗鼠のコスプレスタイルが気になっていたが、彼女に好意を抱いているわけじゃあない。
「告白」とかしませんよ。するわけないじゃん。
にもかかわらずだ。教室の一角からシュプレヒコールが湧きおこったのである。
「こーくはく」「こーくはく」と。
言いだしっぺはもちろんサダヨシの奴である。
それはやがて教室全体に広がった。要はそれに参加してないのは僕と先生、それに絵栗鼠だけである。
そして、絵栗鼠の僕を見る視線が一段ときつく…… いかんいかん。このままではいかんっ!
入学式の日からクラス一丸となっての大盛り上がりのところですが、「告白」はしませーん
そう言うと僕はとっとと着席した。
ズコーッ
後ろの席で「椅子コケ」をやった奴がいる。見なくても分かる。サダヨシだ。
すると、ズコーッ ズコーッ と続く奴が出て来た。何なのこのクラス?
◇◇◇
といろいろあったものの今日は入学式なので早くに解散となった。
そして、僕はサダヨシと一緒に帰途についているのである。同じ中学なのでほぼ同じ方向なのだ。
だけど、あんだけサダヨシに引っ掻き回されて、よく付き合ってられるなあと思われるかもしれないけど、そこは腐れ縁。
それにサダヨシの長所は異常に切り替えが早いこと。
僕が絵栗鼠に告白するつもりはないと言ったら、もうそのことは追いかけない。
絵栗鼠のことはどこへやら、同じクラスの女子五名のことについて熱く語る語る。
で、きっと明日はきっと別の五名の女子について熱く語ってくれることだろう。
そして、僕はサダヨシと別れた。ここから僕の家までもうそんなに遠くない。
姿かたちが異様な絵栗鼠に睨みつけられた時はどうなることかと思ったが、サダヨシの関心も別に行ったようだし、この話はもう終わり……って、わあっ!
僕は不意に両サイドから腕を掴まれたっ!
◇◇◇
何だ? 何だ? 何だ?
僕の右腕と左腕をそれぞれ別方向から掴んだのは……
まるでメタルヒーローを思わせる銀色のボディーをした、これは……アンドロイド?
僕は衝撃のあまり声が出ない。代わりにアンドロイド(?)が声を出してくれた。
「グググガギギギギ」
うわっ、これヤヴァイやつじゃん。体を挽肉のようにされるやつじゃん。日常系SFコメディーじゃなくてSFホラーじゃん。ジャンル違いじゃん。
何をするんだっ?
「シンパイスルコトハナイ。ヘイカノモトニオツレスルダケダ」
何だ、日本語しゃべれるんじゃん。じゃなくて心配だよっ! ヘイカって何?