38 じいちゃん飲んで大盛り上がりw
「まあまあともかく。絵栗鼠ちゃんは高校生だからなかなかお金稼ぐのは大変だけど、そっちのかっこいいお兄さん二人は頭も良さそうだし、体格もいいから、すぐにいい仕事見つかるよ」
ばあちゃん性善説でまとめましたね。
ばあちゃんメタルヒーローズが自販機の釣銭探してたり、パチンコ屋で店長泣かしていたこと知らないからなあ。
まあ、今日のところはそれを言ってもしょうがないしなあ。
◇◇◇
「よーしじゃあ、酒だ酒だ酒だ」
言ったそばから一升瓶持ち出すじいちゃん。
「まだ寒いから熱燗にするぞっ! それでいいよなっ? イケメンズ」
「オキムネ。『アツカン』ッテ何ダ?」
温めた日本酒のことだよ。飲むんだよ。
「旨イノカ? ドンナ味ガスル?」
僕は未成年で飲んだことないから分からん。じいちゃんに聞いてくれ。
◇◇◇
「ふんふ~ん」
そんな僕らにお構いなしにじいちゃんは上機嫌で熱燗作ってる。熱燗器ってやつですぐ温められるらしい。父さんも持ってたなあ。
「よーし出来た。飲め飲め、イケメンズ」
じいちゃん、メタルヒーローズに杯を渡す。どうしたらいいか分からないみたいでふんふん匂いをかぐメタルヒーローズ。
「アルコールガ蒸発シテルゾ」
まあそうだろうけど。
◇◇◇
「何でえ何でえ、外国帰りで杯知らんのか? こうやってクイッと飲むんだよ」
あっという間に飲み干すじいちゃん。酒好きだなあ。
「ほれっ、飲め飲め」
じいちゃんに促されるまま一気に飲み干すメタルヒーローズ。
今更ながらアンドロイドに酒飲ませて大丈夫なのか? 「もう遅い」けど。
「どうでえ、旨いだろ? どうだ金髪の兄ちゃん」
「100グラム当タリ104キロカロリー。炭水化物36グラム。タンパク質0.3グラム。脂質ゼロ」
「どうでえ、旨いだろ? どうだ黒髪の兄ちゃん」
「水温50℃」
「そうかあ旨いかあ。はっはっは」
じいちゃんご満悦。会話は例によって全然噛み合ってないけど。まあいいのかなあ。
◇◇◇
「飲め飲め飲め飲め。がーはっはっ」
そう言いながら自分が一番飲んでるじいちゃん。淡々と飲むメタルヒーローズ。少なくとも「酒」がアンドロイドにすぐに影響を及ぼすことはないみたいだ。長期的には分からないけれど。
「ようっし、興に乗って来たぞっ! とっときの芸を見せちゃうもんね」
じいちゃんおもむろに立ち上がり、歌いだしたぞ。
「♪あっ、金ねえ、金ねえ、嘆くじゃないよ。男ならっ、男ならっ、裸になーれば、金塊二つっ!」
歌いながら脱ぎだすじいちゃん。
「おらあっ、イケメンズもオキムネちゃんも脱げーっ!」
どうしろって言うのよ。あ、こらメタルヒーローズ。真に受けて脱ぎだすんじゃないっ!
 




