35 R18エロアニメじゃないかっ?w
ばいん-
じいちゃんの頭上をばあちゃんの手に持ったはたきが襲う。
「いたーい。何すんのお」
「何すんのじゃないっ! 何かと理由付けて脱ぎたがるんじゃないのっ!」
「そんなー。ちょっとだけよ」
ばいん-
「いー加減にしなさいっ!」
「こりゃまた失礼しました」
夫婦漫才?
◇◇◇
そうこうしてるうちに老谷さん宅に大型タクシーは到着。
メタルヒーローズはたくさんある荷物を軽々と家に入れる。
うーむ。こういう時は実に役に立つ。
「あれ、鍵が開いてるねえ。私、鍵かけ忘れていっちゃったかい」
いや、ばあちゃん。それは鍵がかかってたんだけど、絵栗鼠たちが勝手に開けたが正解なんだけど、まあ、それは言わぬが花かな。
「おや、DVDとか出しっぱなしじゃない。じいちゃん、片付けないでいったのかい?」
いや、ばあちゃん。じいちゃんはとんでもないけど、それは冤罪。散らかしたのは絵栗鼠たち。これも言えないけどね。
◇◇◇
「さあてじゃあ、新田さんちに挨拶に行こうかね。妙印子さん、家にいるかな?」
ばあちゃん、母さんはいると思う。家に電気点いてるし。父さんは今晩はレタス部会の栽培講習会に行くって言ってた。
「おやそれは残念。でもまあ、妙印子さんがいてくれればね」
ガシッ
絵栗鼠がまたも僕の右腕にしがみつく。え? どうしたの?
「例え相手がオキムネのお母上と言えど、オキムネは地球ケンタウリ帝国の参謀総長だ。返品するわけにはいかない」
返品って何よ? 別に母さん、僕を取るなとか言わないよ。
「いーや油断ならん。オイタニの家にこのS級資料があった。地球では、私とお母上はライバルらしい」
絵栗鼠が差し出したDVDのケースには「ママと彼女の僕の○ンチン争奪戦~熟女テクニック対ティーンズパワー」って、わあっ、R18エロアニメじゃないかっ?
「ああっ! それ、失くしちゃったかと思って焦ってたんだ。元の家にあったのか。いやあ良かった。良かった。ありがとう。絵栗鼠ちゃん」
じいちゃん。今言うべきセリフはそれじゃないと思う。だが、そのアニメは僕も見たい気がする。いや物凄く見たいっ! しかしっ! それが不可能なのはばあちゃんの鋭い視線が物語っている。
ばいん-
「いー加減にしなさいっ!」
「あ、やっぱり?」
夫婦って結婚して半世紀以上経つとこうなるのかな? 僕には分からん。
◇◇◇
ピンポーン
「こんばんはー。新田さん。お久しぶりー。隣の老谷ですー」
「あらあ、老谷のおばあちゃん。お久しぶりー。今日はどうしたの? って、あっ!」
母さんの目は僕の右腕にしがみつく絵栗鼠に釘付けになった。
残念ながら「ママと彼女の僕の○ンチン争奪戦」は起こらないが、別の意味で波乱の予感が……




