22 脱ぎたがりにケンタウリ人も地球人もないw
嫌な予感はするけど行かねばならぬ。いつものパターン。はああ。
よしっ、行くぞっ!
自分を奮い立たせてと、でも雀荘に高校生は入れないからね。 Rー1号。Rー2号。先に行って。
「「分カッタ」」
行くぞーっ! ドドドドドと階段を駆け上がり、バーンとドアを開けるとー
「おおっ! オキムネじゃないかあっ」
満面の笑みの絵栗鼠。あ、しっかりセーラー服を着ている。ざんね……いや、よかったよかった。そんなことではなくてだな、ここがどこだか分かっての笑顔かあっ?
「オキムネ。あたしもいろいろ考えて、お金を稼いでいるんだぞ。どうだっ! 凄いだろうっ!」
ドヤ顔して、小さな胸を張る絵栗鼠。可愛いっちゃあ可愛いが、このままってわけにはいかないよね。補導されちゃうもの。
「いやー、絵栗鼠ちゃん。凄いなー。おいちゃん、参っちゃうよー」
さっきの声の主ですな。わっ、上半身裸でパンツいっちょでって、え?
◇◇◇
おっ、おっ、おっ、老谷のじいちゃんっ! なんでこんなところにいるのっ?
「だって、この隣のマンションがわしの家だもの。オキムネちゃんこそ何でこんなところにいるのさ?」
あっ、そうか。元の家じゃあ車がないと生活できないから、駅前のマンションに引っ越したんだっけ。それでもう雀荘通い?
「おうよ。危険な場所は大人の男の遊び場だよ。オキムネ坊や」
いや雀荘は普通の大人には危険でもなんでもないんですよ。そうやって脱衣麻雀に持ち込まなければ。
「そうなの? 脱いだ方が楽しいじゃん」
脱ぎたがりにケンタウリ人も地球人もないのね。ある意味、友好関係が築けそうな気がして来たわ。
◇◇◇
それよりですね。老谷のじいちゃん。絵栗鼠は高校生ですよ。雀荘入れちゃ駄目でしょ。
「えー、絵栗鼠ちゃん。『合法ロリ』の『なんちゃってJK』でしょ。だって、『コスプレ美少女パチンカー正樹18歳! でも高校は出てるよ』でもヒロインはそうだよ」
さすが、絵栗鼠たちに重大な影響を与えたS級資料のコレクターだわ。発想がケンタウリまでぶっ飛んでるわ。
でも、ここでめげてはいられない。老谷のじいちゃん。、絵栗鼠はホンモノの高校生です。僕とクラスメートです。
「えーっ! そうなのー。絵栗鼠ちゃん?」
「おうっ、そうだぞっ! 老谷っ! あたしはピチピチピッチの女子高生にして、初代地球ケンタウリ帝国皇帝エリス一世モガモガモガ。何をする。口をふさぐな。オキムネ。モガモガモガ」
えーい、今はそれを言うな。絵栗鼠っ! 余計話がややこしくなるだろうがっ!
「うーん」
何やら思案顔の老谷のじいちゃん。
「何だかよく分かんねえけど、絵栗鼠ちゃん。モノホンの女子高生なの?」
そうですよ。やっと分かっていただけましたか? 女子高生だから雀荘に入っちゃいかんのですよ。
「うっそーだあ。オキムネちゃん」
へ?




