182 これは「推しカプ」ですかー?w
我に返って真っ赤になったねこや先生。
「えーと。うんーと。ああもう、新田君、剣汰瓜さん、三太さん、何とかしてください」
えー、R-2号には言わないんですかあ? だってさ、どうするエリス?
「スリスリ。R-2号さんとにゃんこ先生がどうなろうが、我が『金塊』への野望に比ぶれば、どーでもいーことなのだ。よきにはからえ。参謀総長」
「金塊」への野望の方が、どーでもいーことだと思うが、まあ、そんな答えだろうとは思っていたけど。さて。
三太さん、ねこや先生からフォローを頼まれていますがって、さっきは厨二ネタ潰されて、がっくりきていましたが、何か妙に真剣な顔をされていますが……
「うむ。少年よ」
はい?
「R-2号と結婚したいというにゃんこ先生に与える試練だ。一つ目は思いついた。R-2号とにゃんこ先生が漫才をして百人以上から笑いを取ることぢゃ。しかし、残りの六つが思いつかんのぢゃ」
はあ、そうなんですか。
「新田く~ん」
うわっ、ねこや先生が困り果てたような顔を。うーん。物怖じすることなくR-2号にラブコールしていたあの度胸はどこに。
しかし、こうなると何とかせにゃならんのかな。うーん。一か八か。やってみるか。
みなさーん
◇◇◇
注目が僕に集まる。中学時代は絵に描いたようなモブキャラだったこの僕が高校入学以来、注目を浴びる日々がこうまで続くとは。よし、いくぞ。
みなさーん。保健室のねこや先生が好きですかー?
「「「「「好きー」」」」」
「ちょ、ちょっと、新田君」
ねこや先生は当惑しているけど、ここはもう一気に行くしかない。
みなさーん。校務員のR-2号は好きですかー?
「「「「「好きー」」」」」
「ちょっ、新田君。それって?」
やっぱり、ねこや先生は当惑気味。でも、ここまで来たら最後まで行くぞー。
みなさーん。ねこや先生とR-2号は推しカプですかー?
「「「「「イエーイ」」」」」
パチパチパチ
どこからともなく沸き起こる拍手。ふう。何とか乗り切れたらしい。つーか。僕もこの学校の妙なノリでどっぷりはまりつつあるかもしれんけど。
「新田君」
あ、ねこや先生。大丈夫です。先生とR-2号は推しカプです。
「少年」
あ、何すか? 三太さん。
「少年。ヒドイじゃん。このわしが必死こいて七つの試練考えている間に『推しカプ』でまとめちゃうなんてヒドイじゃん」
知りませんよ。そんなことまで。
 




