179 堂々と週末を前にして「不純異性交遊」宣言しないように w
「ぬおっ!」
後方から声かけにビクリとするサダヨシ。
「先生。先生。それは先生。あなたは-ピョンちゃん先生。何でここに先生が?」
「本堂君。いろんなネタがまぜこぜになりすぎて、ボケがパロディーとして成立しなくなっているよ。そして、鵜鷺先生がここにいるのは、六時限目が『公共』だから。最後に『ピョンちゃん』言うな」
クラス中大爆笑
「いやーどうもどうも」
それに手を振り応えるサダヨシ。
「本堂君。やっかみキャラなんだか、校内お笑い芸人なんだかキャラがぶれている……じゃなくて、高校生活を楽しむのもいいけど、授業はちゃんと受けるっ!」
「へーい」
◇◇◇
ふいいい。今回は逃げ切ったぞ。R-2号に注目が行ったおかげで、何とかエリスの「あーん」攻撃を耐え抜き、弁当を食べ終わったからね。
「オキムネ。あたしが『あーん』で母上の作った弁当を全部食べさせた以上、『金塊』への野望にまた一歩近づいたな。むふふふ」
エリスの言葉に肝は冷えるが、ここは頑張ってスルー。ほらほらエリス。授業中に私語していると鵜鷺先生に怒られるよ。
◇◇◇
六時限目が鵜鷺先生が教科担任している「公共」だったから、そのままショートホームルームになった。
「担任の鵜鷺先生からすると今年受け持ったクラスが明るくて、元気が良いのはいいのだけれど、それが限界突破するレベルまで行っているような懸念もあるのよね」
「イエーイ。明るくて、元気が良いって、ピョンちゃん先生に褒められたぞー」
「そういうとこだぞ。本堂君」
クラス大爆笑。そうそう。ことがこのレベルで収まっていれば明るくて、元気が良く、楽しいクラスなんですよ。
「くれぐれも明るく、元気が良いレベルで留めるように。今日は金曜日。明日からは高校入学して初めての週末。くれぐれも限界突破しないように」
「オキムネ。ピョンちゃん先生が言っている『限界突破』って何だ?」
エリス。明日と明後日は学校が休みだからと言って、妙なことや非常識なことをしでかさずに、真面目に過ごしなさいって言っているんだよ。
「うむ。それはピョンちゃん先生の言うことは正しい。オキムネ。皇帝たるあたしを見習い、生活を正すように」
どの口が言うのかな? ほらほら鵜鷺先生がもうどこをどうやって突っ込んでいいものやらという表情で見ているよ。
「何をぬかす。あたしは皇帝。国民のお手本。そのあたしにこんだけお世話になっておきながら、『金塊』を寄越さぬオキムネこそ不届き千万」
「剣汰瓜さん。そういうところだよ。堂々と週末を前にして『不純異性交遊』宣言しないように。異性とは少しずつ親しくなってって言われているでしょ?」
「何? するとやっぱりこれが足りんのか? すりすり」
ざわっ、
うわあ、せっかくクラスの関心がR-2《アールに》号に行ったのに、またこっちに来るじゃないかあ。




