表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリス・ザ・ファースト~おかしな建国皇女とおかしな周囲の人たちの日常コメディ~  作者: 水渕成分


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

178/190

178 それが今やモテてモテてモテてモテてモテてまくるとはw

「ぬっ、ぬおおおーっ!」


 エリスが僕の口にニンジンを押し込めた瞬間、サダヨシの雄叫びが上がった。ああっ、もうっ。


「諸君っ! 諸君っ! 見たかね? このリア充ぶりっ! 許せんだろう。許せんだろう。諸君っ! 立ち上がれっ!」

 

 あーあ、サダヨシ、アジテーション始めちまったよ。


「オキムネッ! 何をしている? 今度はあたしに『あーん』する番だろ?」


 あ、エリスに呼ばれた。はいはい。ニンジンでいいですか? はい、「あーん」


「あーん」


「ぬおおおお、見たかっ? 諸君っ! リア充退治に行くぞっ!」


 シーン


「ぬお?」


 ◇◇◇


「諸君っ! どうしたっ? どうしたというのだ。リア充が憎くないのかっ?」


 なおも続くサダヨシのアジテーションに他の男子生徒は顔を見合わせる。なお、エリス以外の女生徒のみなさまは全員が窓からR-2(アールに)号を見てキャッキャ騒いでおられます。


 やがて男子生徒の一人が意を決したように前に出た。

本堂(ほんどう)


「な、何だ?」


「確かに俺たちも新田(しんでん)の奴が剣汰瓜(けんたうり)さんと毎日毎日毎日毎日いちゃついているのは、俺たちもズルイ、キタナイ、ウラヤマシイ、ウラメシイと思う」


 僕はいちゃついてはいないが。


「なら、何故立ち上がらぬ?」


「しかしだ。新田(しんでん)はあくまで剣汰瓜(けんたうり)さん一人にモテていることに過ぎぬ。本堂(ほんどう)、あれを見ろっ!」


 ばんばばーん


 指差されたその先には、窓からR-2(アールに)号に熱い視線を送る女生徒のみなさまたちが。


「リア充新田(しんでん)を糾弾しているうちに他の女の子たちがあの金髪碧眼筋肉質兄ちゃんにかっさらわれてもいいのかっ? 本堂(ほんどう)っ!」


「ガガーンッ」

 ショックを口に出して表現するサダヨシ。そして、ゆっくりと膝から崩れ落ちる。


「分かったか。本堂(ほんどう)っ! 真の哀しみを。剣汰瓜(けんたうり)さんといちゃつかれることも哀しいが、他全員の女生徒のみなさまをかっさわられるのは俺たちにとってもっと哀しいっ!」


 だから僕はいちゃついてないっつうの。


 ◇◇◇


「何てこったい」

 崩れ落ちたままのサダヨシ。

「あの金髪碧眼筋肉質兄ちゃん。本名アールニゴウさんは、かつて俺と一緒にリア充オキムネを糾弾すべく共に戦った人だ」

 

 そうだねえ。一緒になっていろいろやってくれたねえ。そして、鵜鷺(うさぎ)先生に怒られていたねえ。


「それが今やモテてモテてモテてモテてモテてまくるとは。何たる現実」


「おおう、この俺。本堂貞義(ほんどうさだよし)はどうすればいいんだあっ!」


「取りあえず席に着こうね。もう六時限目、始まっているよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ははは、アールニゴウさんに差をつけられたねサダヨシ君笑
相変わらず自由なクラスだなあw
最強のリア充は、裏切り者のR-2号であったか ( ˘ω˘ )
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ