177 こちょこちょ先生の言うところのBLなのか?w
キーンコーンカーンコーン カーンコーンキーンコーン
「ほらほら、予鈴が鳴った。新田君と剣汰瓜さんは教室に戻って」
くー、また昼休み中に弁当を食べ終わらなかった。
「オキムネーッ!」
うわっ、エリスがエキサイトしている。何だ何だ。昼休みに弁当を食べ終わらなかったのは僕のせいじゃないぞ。
「これで勝ったと思うなよっ! 普通の休み時間でも『あーん』は出来るからな。ふはははは」
何でまた、ない胸張って、ラスボスみたいにふんぞり返って笑っているの? だけどまた休み時間に「あーん」をやるとサダヨシが騒ぎを起こしそうだなあ。はあ。
◇◇◇
かくてやってきた休み時間。
「ふっふっふ、ついにこの時間がやって来たな。オキムネッ! 覚悟しろっ!」
エリス。何で母さんが作ってくれた弁当を食べるのに、僕が覚悟せにゃならんのだ。
「ほーれほれほれ、『あーん』しろ。『あーん』」
今度は同じ母さんお手製でもニンジンを煮て、星形に抜いたやつね。しかも、このニンジン、父さんが栽培したやつね。
ガタタタ
イスを鳴らす音と共に、奴が、サダヨシがこっちにやってくる。はあー。
「「「キャーキャー、なになになにー」」」
エリスの恋愛もどき奇行に慣れてきつつある女生徒のみなさまもキャッキャ言いながら集まってきた。はあー。楽しそうでいいですね。当事者であるこっちはたまらんですよ。
などと思っていたら、今日はちょっと展開が変わった。
「キャーッ! 見て見てっ! あの人カッコイイよっ!」
窓際で一人の女生徒様の声で、僕とエリスを囲もうとしていた女生徒のみなさまは一斉に窓際に移動。
「あ、ホントだ。カッコイイ」
「凄い。金髪だよ。それに目が青い」
「筋肉質のいい体してるよね」
「あ、あのカッコイイ人の左肩に乗っているの校務員の三太さんじゃないの?」
「あーあの人、前にも見たよ」
うん。これはもうね。どう考えたってR-2号のことだよね。この現象、多分、うちの教室だけじゃなくて、他の教室でも起こっているよね。これは、ねこや先生、やきもきしているんじゃあ。
「オキムネッ!」
◇◇◇
いや、エリス。配下のR-2号が話題になっているんだぞ。ねこや先生のこともあるし、少し気にかけたら……
「そんなことはどうでもいいっ!」
うわ、凄い迫力。
「オキムネッ! オキムネはあたしとR-2号さんのどっちが大事なのだっ?」
そっ、そんなこと言われても。
「オキムネ。オキムネはひょっとしてR-2号さんとこちょこちょ先生の言うところのBLなのか?」
言うにことかいてなんてことを。そんなことは絶対ありません。噂でもそんな話になったら、僕はねこや先生とR-2号ファンの女生徒のみなさまに闇討ちされます。
「なら食え」
んがぐぐ。




