174 これぞっ! これぞBLだっ!w
うぐぐぐぐ、エリスッ! 締め上げるのはやめい。これじゃ何も説明できんぞ。
「ええいっ、オキムネッ! 何故R-2号さんの尻をまさぐったっ? キリキリ吐けいっ!」
うぐぐぐぐ、尻をまさぐろうとしたんじゃない。R-2号の充電用のプラグを探していたんだ。
「何だそうか」
急に締め上げていた力を抜くエリス。当然、僕はバランスを崩して、反対側の壁にぶつかるし。
ガシャーンという音がしたけれど、ねこや先生、怒りもせず、ただ呆然と見ているだけ。
「オキムネッ! 充電したいなら、そう言えっ! コンセントから電気とっていたら凄い時間かかるぞっ!」
そうなの? 何か電気自動車みたいね。じゃ他に急速充電する方法ってあるの?
「全くしょうがない奴だなあ。オキムネは。皇帝たるこのあたしが直々に何とかしてやるからありがたく思え」
うわあ、いつものことながら、ない胸張ってドヤ顔してる。で、どうやって急速充電するってのさ?
「ふっふっふ、それはな。おーいっ! R-1号さーんっ!」
ズドドド ズドドド ズドドド
遠くから聞こえてくる凄まじい足音。うっ、これはまたR-2号のように窓ガラスを突き破って、入ってくるんじゃあ。
と思ったけど、R-1号らしき足音は、学校の辺りでピタリと止まり、しばらく経ってから、トントンと保健室の扉をノックする音が。
相変わらず呆然としている先生方を差し置いて、エリスが一言。
「おう、R-1号さん、入るのだ」
ゆっくり扉を開け、頭を下げて入ってくるR-1号。むう、こういうところだけはR-2号よりだいぶ礼儀正しいのね。
「エリス様。オ呼ビニヨリ参上シマシタ」
「うむ。R-1号さん、大儀である。実はR-2号さんが『電池切れ』なのだ。急速充電するように」
「ハハッ」
ここで我に返ったねこや先生。R-1号にすがりつく。
「ねえ、あなた。アールイチゴウさん。アールニゴウさんを助けられるの?」
ねこや先生が、あんまり強くすがりつくので動けなくなるR-1号。
「にゃんこ先生」
ここでエリスが一喝。
「ここはあたしとR-1号さんに任せておくのだ。大丈夫なのだ。R-2号さんは『電池切れ』なだけなのだ。R-1号さんが急速充電すればすぐ直るのだ」
「そうなの?」
ねこや先生、エリスが何を言っているんだか理解できないでしょうが、ここは任せてくださいな。と言うか任せるしかないです。
横たわっているR-2号の顔をしげしげとながめるR-1号。
「急速充電開始シマス」
R-1号はそう言うが早いか、R-2号の口に自分の口をくっつけた。えーと、これすなわちディープキスですね。
だだだっ
かぶりつきでその現場に駆け寄るねこや先生と鵜鷺先生。そして、校長先生。
「これぞっ! これぞBLだっ!」
さすがですねえ。校長先生。はあっ。




