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エリス・ザ・ファースト~おかしな建国皇女とおかしな周囲の人たちの日常コメディ~  作者: 水渕成分


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173/190

173 少年よ。尻をまさぐれw

保健室に入る前から、僕とエリスはねこや先生に飛びつかれた。

「二人ともアールニゴウさんがっ! アールニゴウさんがっ!」


 今にも泣き出しそうなねこや先生。さすがに鵜鷺(うさぎ)先生も神妙そうだ。

「ねこや。どうしたっていうの? アールニゴウさん」


「ともかく見てよ。ピョンちゃん。今、保健室のベッドに寝せているんだけど」


 普通の学園ものならシリアスなシーンだ。しかし、このパターンでは、いやこのパターンでなくてもしょうもないオチが待っている可能性が高い。


 早くもエリスは隣で大あくびしているし。


 ◇◇◇


 保健室を開けると奥のベッドに確かに寝ているR-2(アールに)号。そして、その上で泣いているのは、

「うおおおおん。アールニゴウッ! 何でおまえ死んじまった。わしはっ! わしはっ! おまえに働かせておいて、それで『まだまだぢゃ』と言って、毎日、学校で遊ぼうと思っていたのにいい」


 三太(さんた)さん、それはあまりにも正直過ぎますって。早くもシリアス展開に暗雲が漂ってきたなあ。


三太(さんた)さん。縁起でもない。アールニゴウさんは死んではいませんっ! 白目むいて、呼吸してなくて、心音が確認できなくて、全く動かないだけなんですっ!」


 ねこや先生、いやその、惚れてしまえばなんとやらというのは分かりますが、それで「生きている」と強弁するのは養護教諭としていかがかと。


「いやそれならっ、ねこやっ!」

 今回は暴走制御サイドですね鵜鷺(うさぎ)先生。

「こんなところで寝せといて、私たちを呼ぶ前に救急車を呼ばないと」


 鵜鷺(うさぎ)先生、それは正しい。ただ相手は「普通の人間」ではなく「ケンタウリ星特産新型アンドロイド」なんですよー。さてどうしたものかと思っていると、エリスがぽろっと一言。

「何だ。ただの『電池切れ』ではないか。つまらん」


 ◇◇◇


絵栗鼠(えりす)ちゃん。いくら親族の方でも言っていいことと悪いことがあるよっ!」

 ねこや先生、エキサイティングッ! 

「そういう『死んだカブトムシに乾電池を入れろ』という現代っ子みたいなことを言っていてはだめ。命というものは……」


 エリスの両肩を掴み、揺さぶって、説教するねこや先生。しかしそれがエリスに通用する訳がなく、あごが外れるんじゃないかというくらいの大あくび。


 しかしここに至って、ようやく僕は昨晩からの違和感に気が付いた。R-2(アールに)号は毎朝家でコンセントから充電していたんだ。それをねこや先生の家に泊まったら出来なかったから「電池切れ」になる。


 最新なのかレトロなのか分からんぞ。「ケンタウリ星特産アンドロイド」。


 とか言っている場合ではない。他の人がエリスとねこや先生の揉め事に気を取られているうちにR-2(アールに)号にかかっている布団をめくって、どこだ? R-2(アールに)号のプラグはどこだ? 確か尻の辺りにあったはずだが……


「少年。何をアールニゴウの尻をまさぐっておるのだ?」


 げっ、三太(さんた)さん。いやこれは尻をまさぐっているのではなく……


「「「え? 新田(しんでん)君がアールニゴウさんのお尻をまさぐっている?」」」


 何でこういう時だけ気が合うんですか? 鵜鷺(うさぎ)先生にねこや先生。おまけにいつの間にやら校長先生も来ているし。


「オキムネー。お前って奴はー」


 まっ、待てっ! エリス。誤解だ。やめろっ! 胸倉を掴んで締め上げるんじゃないっ!


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― 新着の感想 ―
そんなん、私が充電してあげるのに!笑
エリスちゃんはわかってあげてよ!w
ちょっと! タイトルっ!!爆笑(≧▽≦)
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