165 自分の恥ずかしい写真をばらまかれたくないのかっ? この根性なしっ!w
「どうだっ? 老谷のじいちゃんっ! これでも『秘密基地』の『秘密』を話すかっ?」
「あーあー、気ん持ちええー、話さん。話さん。ぜぇーったい、話さん。だから、もっとマッサージして」
ああもう、老谷のじいちゃん、本当にだらしない顔しちゃって、まあって、ぶひゃひゃひゃひゃ。こっちもそれどころじゃなかった。
「どうだっ? オキムネッ! これでも『秘密基地』の『秘密』を話すかっ?」
話すも何も「秘密基地」の「秘密」って、結局、何も分からずじまいって、ぶひゃひゃひゃひゃ。
「うーむ。さすがオキムネ。我が国の参謀総長だけのことはある。老谷のじいちゃんのじいちゃんと比べてもしぶとい。やむを得ん。R-1号さん。パワーアップッ!」
ぶひゃひゃひゃひゃ。わ、分かった。話さない。話さない。話そうにも何も知らんけど、とにかく話さん。
「よし、R-1号さん。オキムネのアヘ顔を連写。ふふふ。家宝にするぞ」
そんな「家宝」って、ある? 今更ながらもう何が何やら。
◇◇◇
かくて老谷のじいちゃんはもっとやってほしいみたいだったけど、マッサージの加療は完了。僕はと言えば何とか解放された。
「ふー疲れた。寝るぞ寝るぞ。全く今日は本当に疲れた。R-1号さん。ちゃんと充電するのだぞ。老谷のじいちゃん、腰はどうだ?」
「おおう、おかげさんで随分楽になったぞい。よく寝られそうだぞい」
「おう、じゃあ、ばあちゃんと一緒に奥の部屋で寝てくれ。あたしはいつもの部屋で寝るぞ。オキムネッ! 夜這いをかけるなよっ! かけたら恥ずかしいアヘ顔写真ばらまくぞ」
夜這いをかけなくてもエリスは何かの拍子に恥ずかしい写真をばらまく気がするが、どっちにしても夜這いをかける気はないから。どうでもいい。
「何いっ? オキムネッ! おまえは自分の恥ずかしい写真をばらまかれたくないのかっ? この根性なしっ!」
何でそうなる? いつものこととは言え、言っていることが訳分からんぞ。
「えーい。もうこの根性なしっ! 夜這いをかけてだな。えーとえーと。恥ずかしい写真をばらまかれろっ! そして、『金塊』よこせっ!」
結局、話が「金塊」に行くのね。いえ、帰りますって言ったら、帰ります。夜這いかけたら、母さんに凄く怒られるし、第一、隣室には老谷のじいちゃん、ばあちゃんがいるでしょ。
「オキムネちゃん。わしは夜這いかけてもかまわんよ。ばあさん、ガラスのコップ、どこだっけ? あれあるとよく聞こえ……あた」
次の瞬間、老谷のばあちゃん、じいちゃんに「いー加減にしなさい」という言葉と共にツッコミ。
うーん。息が合っている。長年の夫婦ってすげえ。




