153 エリスが二体のアンドロイド引き連れて乗り込んできてからというものの、厨二魂露わにする人が異様に増えたw
三太さんと老谷のじいちゃん、仲良く並んで腹ばいになる。
そこに手際よく湿布を貼るねこや先生。うーむ。ことがR-2号のことになると大暴走するけど、そこはプロの養護教諭。
しかし、これは三太さんだけじゃなくて、老谷のじいちゃんも送ってやらないといけないんじゃ? てか二人とも奥さんが来てるし。あっ、忘れてたっ! そう言えばうちの母さんも来てたんだっ! 母さん、何しに学校に来たの? 僕は補導されてないよ。
「いや今回はね」
何だか溜息混じりに言う母さん。
「オキムネのことじゃなくてね。老谷さんが絵栗鼠ちゃんたちに貸していた家がえらいことになっているのよ」
え? えらいことって、まさか丸焼けになったとか。
「そういう心配はないわ。アールイチゴウさんが留守番していたし。ただまあそのアールイチゴウさんがねえ」
ああ、何か分かってきた。エリスとR-2号は今日一日ほぼ学校で一緒にいたから何をしでかしたかは把握できている。だけどR-1号は実質野放し状態だったからなあ。昨日も競馬で三千万円稼いできて、テレビ番組でインタビューされていたし。
「だから家主の老谷さん夫妻も連れてきたの。ついでに三太さんも迎えに行こうって話にもなって。借主の家族の絵栗鼠ちゃんとアールニゴウさんも連れて行かなきゃなんないし。大型のワゴン車借りてきたから全員乗れるよ」
はあ、それで母さん。父さんはどうしたの?
「父さーん? 父さんなら例の痛車トラクターで絵栗鼠ちゃんの家の前に乗り付けて、厨二魂炸裂させているよ」
うわあああ、何となくその光景が想像できるような気もするのが怖い。それにしてもこの町、もともと厨二が多かったのかもしれないけど、エリスが二体のアンドロイド引き連れて乗り込んできてからというものの、厨二魂露わにする人が異様に増えたような。何か影響させるオーラのようなものでも出しているのか?
「オキムネッ!」
わ、ビックリした。何だ? エリス。
「何だじゃないっ! あたしの顔をしげしげと見おってからに恥ずかしいじゃないか。やらしいこと考えていたんじゃないのか? このドスケベッ!」
いや、いやらしいことは多分考えてない……多分。エリスから妙なオーラが出ていないか観察していただけで。
「観察? やっぱりドスケベじゃないかっ? このっ! 『金塊』よこせっ!」
わあ、のし掛かってくるなっ!
「いいわねえ。新田君と剣汰瓜さん、仲良しで。きーめた。私もアールニゴウさんの家に行くわ」
ねこや先生、これが仲良しに見えますか? と言うか校長先生、ねこや先生、堂々とR-2号の家に行くと言っていますが?
「まあ定時後は自由恋愛だからねえ」
ねこや先生は勤務時間中も自由恋愛な気もしますが。




