140 ずんずんずんずん すりすりすりすりw
かくて、ねこや先生は渋々とR-2号の右肩から降りた。
それに対して、三太さんはノリノリだ。
「よしっ! 行くぞっ! ゴーレムッ! 発進っ!」
「分カッタ」
その言葉と共に空中に浮かぶR-2号。わあっ、やめっ、やめっ。
「何ダ? オキムネ」
いや、三太さんは腰痛なんだ。空飛んじゃいかんだろう。
「デモ『発進』ッテ言ッタゾ」
それもそうだが飛ぶのはいかん。そうだ、三太さん、R-2号は学校のことを何も知らないんで、行く場所指示してやってくれませんか?
「了解っ! 少年っ! よしっ! 行くぞっ! ゴーレムッ! あの扉から保健室を出るのだっ!」
「分カッタ」
わぁっ! 待てっ! 待てっ!
ガイーン
「痛ったー」
ほらほら、R-2号は190cmくらいあるんだから、その左肩に乗ったまま、保健室の扉から出ようとすると当然壁にぶつかりますよね。でもって、R-2号はそのまま直進すると三太さんが壁にぶつかるとか一切気にしませんからね。エリスにしか気を使いませんから。
「うむ」
右の鼻から鼻血ひとすじ。しかしめげない三太さん。
「ゴーレムっ! 屈めっ! わしが壁にぶつからないように屈めっ! そして、保健室の扉を通り抜けろっ!」
「分カッタ」
R-2号は一つ一つ指示していかんとダメなのね。何かプログラミングしているみたい。どちらにしてもしばらく三太さんも学校に来ないといけないみたいね。
◇◇◇
ずんずんずんずん
すりすりすりすり
ずんずんずんずん
すりすりすりすり
えー、何が起こっているかと言いますとね。ずんずんずんずんは三太さんを左肩に乗せた赤フン一丁のR-2号が歩いていく姿。そして、すりすりすりすりはその後を追いかける僕の背中に張り付いたエリスがない胸をこすりつけている姿。
えーと、エリス。僕たちは、ねこや先生に言われてR-2号を見守らなくちゃならないんじゃなかったっけ?
「何を言うか。オキムネ」
そう言いながらすりすりを止めないエリス。
「あたしはR-2号さんが、にゃんこ先生とくっつこうが、他の女子とくっつこうが知ったことではないのだ。我が野望、それはオキムネの『金塊』のみなのだっ!」
うわー、不憫なR-2号。それにそれ聞いたら、ねこや先生激怒するんじゃあ。
ずんずんずんずん
赤フン一丁の金髪碧眼筋肉質美青年身長190cm。その迫力に廊下ですれ違う男子生徒たちは次々道を開ける。
そして、エリスにすりすりされている僕を見て、舌打ち。あーあ。
しかしっ! まだ男子生徒としかすれ違っていないっ! 問題は女生徒。それもその集団と出会った時だっ!
「ゴーレムッ! そこを右に曲がれっ! 通用口から校庭に出るぞっ!」
三太さんからR-2号に指令! そして、校庭からはキャッキャッキャッキャッと女生徒たちの声が。さあて、どうなる?