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エリス・ザ・ファースト~おかしな建国皇女とおかしな周囲の人たちの日常コメディ~  作者: 水渕成分


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14 ソンナ国ハコノ地球上にナイゾw

「オキムネーッ! オカシインダヨー」

 僕の両肩を掴み揺さぶるメタルヒーロー。わっわっわっ、やめてやめて。地球人は脆弱なんだよー。


「オキムネガ、オ金儲ケシロッテ、言ウカラサー。一所懸命自販機ノ周リ探シテイルノニ、オ金全然ナインダヨー」


 ざわっ ざわざわっ


 あーもう、周囲の方々は当然そう言う反応になりますよねー。はあー。


「オカシイヨー。オキムネー。オ金儲ケデキナイヨー。オマワリサン来ルヨー」


 ざわざわざわっ ざわざわざわっ


 あーもうこの場を逃げ出したい。でも、逃げ出せば状況はもっと酷くなるよね。はあ、何とかせにゃ。


「オキムネーッ!」


 はいはい。そんなに揺さぶらなくても答えるから。えーとね。自販機の周りには普通お金落ちてないの。


「ナッ、ナンダッテー。老谷(おいたに)ノ残シタS級資料ガ誤情報ダッタト言ウノカッ?」


 いやあれはS級資料でも何でもなくて、ただのギャグマンガだから……


「ガーン」

 膝から崩れ落ちるメタルヒーロー。


 ◇◇◇


「ちょっとあなたっ! 高校生?」

 わー周囲の女性陣が僕に詰め寄ってきた。

「このかっこいいお兄さんが可哀想じゃないの。あなた、この人に何を教えたのっ? あなた、この人とどういう関係っ?」


 わあ、そんないっぺんにいろいろ聞かないで。お金を稼がないととは教えたけど、自販機の周りを漁れなんて教えてないし。メタルヒーローと僕がどういう関係って、そんなことはこっちが聞きたいくらいで……


 なんて言う訳にはいかないよね。言えばまさに火に油を注ぐことになるし、えーと。


 ◇◇◇


 えー、この人は僕の遠い親戚でして、こないだまで中部ヨーロッパのヴィヴィッテンシュタイン公国にいまして、日本のこと何も分からないんですよ。お騒がせしてすみません。


「え? そうなの? それで金髪碧眼なのね」 


 よしいいぞ。何とか誤魔化せるか?


「オキムネ……」


 なっ、何だ? メタルヒーロー。今大事なとこなんだよ。


「ヴィヴィッテンシュタイン公国ナンテ国ハ、コノ地球上にナイゾ」


 ああっ! もうっ!


 ◇◇◇


 ざわざわざわっ ざわざわざわっ


 はいはい。そうなりますよね。周囲の女性陣のプレッシャーは更にきつくなりましたが、ここは。


 えーみなさん。これは日本にきた外国人の方によくある発音についてのこだわりなのです。そう、例えば「マトリックス」ではない「メイトリー」と言ったような。


 日本語風に言えば、ヴィヴィッテンシュタイン公国で正しいのです。


「イヤ、違ウゾ。オキムネ。モゴッ」

 ええいっ! これ以上余計なことを言うんじゃないっ! その口を塞げっ! お金を稼がせてやるから、僕と一緒に来いっ!


  


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ノリと勢いと、お話の展開のテンポが良く、サクサクと面白可笑しく拝読しました。 どういうお話ややり取りが行われるのか予測不能で、集中力を維持したまま読み進められました。
[良い点] ボケてるくせに急に冷静に的確なツッコミしてくるヤツっていますよね笑 まさかエリスの前にメタルヒーローがやらかすとは( *´艸`)
[一言] 良質なコントを見ているよう( ˘ω˘ )
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