139 この金髪碧眼筋肉質美青年赤フン写真を、BL本コーナーにポスターとして、張り出してもいいのなら許す w
つーか先生たちー。エリスがご乱心です。目の前で生徒が不純異性交遊が及ばんとしているのを止めなくていいですかー。
と思って見ていたら、校長先生は二枚目のドローイングを始めているし、鵜鷺先生はそれを見ることに集中しているし、残るは、ねこや先生。
「あーっ、三太さん、いいなあっ! アールニゴウさん、私も肩に乗せてー」
R-2号はノータイムでねこや先生を右肩の上に。
「「ウオオオオオ」」
再度、感嘆の声を上げる校長先生と鵜鷺先生。
むうっ、このままではいかん。何せ
「オキムネー。赤フン着けろー。ポロリしろー。オキムネー。赤フン着けろー。ポロリしろー」
というエリスの抱きつきは終わっていないのだ。理性が持っているうちに何とかせねば。
◇◇◇
校長先生―っ、このままでは三太さんからR-2号への引継が全然出来ないまま、一日が終わっちゃいますよー。
「あ、そう言えばそうね」
我に返る校長先生。ほっ、これで流れが変わるかな。
「三太さーんっ! 腰が痛くなって、男の魂の塊の引継は中断したことだし、そろそろ校舎管理の引継もやってくれない」
「うむ。そうですな。よし行くぞ。ゴーレムッ!」
R-2号の左肩の上で右手の握りこぶしを突き上げる三太さん。
「行っくぞーっ! GO! GO!」
R-2号の右肩の上で右手の握りこぶしを突き上げる、ねこや先生。
「ちょっと、ねこや。あんたが一緒に行っちゃダメでしょ」
◇◇◇
ねこや先生をたしなめる鵜鷺先生。
「へ? 何で? ピョンちゃん」
「『へ? 何で?』じゃないでしょ。養護教諭が長時間保健室あけちゃダメでしょ」
「えーっ」
不満顔の、ねこや先生。
「だけど、私はアールニゴウさんが他の女の子の毒牙にかからないか見張ってないと」
それはちょっと怖いですよ。ねこや先生。
「じゃあ、新田君と剣汰瓜さんにアールニゴウさんについていってもらえばいいでしょ」
笑顔でとんでもない提案をしてくる校長先生。え? 他の女生徒とかのアプローチからR-2号をガードするんですか? それは無理ゲーっぽいですよ。あっ、そうだっ! 僕とエリスは今日もアルバイトで下総屋行かなきゃなんないんでついていけないのです。
「あら、それなら大丈夫」
へ? 鵜鷺先生?
言うが早いか鵜鷺先生はスマホで赤フン姿のR-2号を撮影すると何やら打って送信。何をしたんですか。
「犬咲に新田君と剣汰瓜さんはR-2号についていくからバイト遅れるって送信した」
へ? そんな理由でいいんですか? と僕が聞いたそばから鵜鷺先生のスマホが鳴る。
「あ、返信来た。なになに。『目の保養センキュー。この金髪碧眼筋肉質美青年赤フン写真を引き伸ばして、下総屋のBL本コーナーにポスターとして、張り出してもいいのなら許す』か。剣汰瓜さん、いい?」
「ああっ、全然構わんぞ。ピョンちゃん先生」
何か、みんないいの? そういうことで?