129 赤フンは魂の塊だ? しかしっ!w
「いやさっ、それは相成らん」
この厳しい発言は三太さんからなされた。しかも三太さん、凄く真剣な顔だ。
まあ四つんばいになって腰を撫でている段階で、ギャグっぽくなっちゃうんだけど。
「若えの」
わっ、三太さんが真剣な目でこっち見た。四つんばいで腰を撫でているけど。
「おめえさんみたいな『リア充』には分からんだろうが、赤フンは男の魂の塊なんだ」
「いかにもオキムネは『リア充』だっ! しかしっ! あたしにも分からんぞっ! サンタクロースのじーちゃん、赤フンが男の魂の塊っておかしくないかっ?」
わあっ、エリスが僕の代わりに勝手に答えた。頼むから話を変な方に持っていかないでくれよ。多分、無理だと思うけど。
◇◇◇
「ほーう、やるじゃねえか。お嬢ちゃん。ただのリア充ラブラブガールじゃねえってことかい? 聞いてやろうじゃねえか。赤フンが男の魂の塊であることのどこがおかしいってんだい?」
「おかしいだろう。何で女の魂の塊ではないのだ?」
「!」
その言葉に三太さんの口はあんぐり開いたまま閉まらなくなった。いや、三太さんだけではない、校長先生も鵜鷺先生もねこや先生も、更に言うと僕もあんぐり開いた口が閉まらなくなった。
◇◇◇
「えっ、えーと」
三太さんの毒気はすっかり抜かれた。早い話が変人度でエリスが三太さんの上を行ったということなんだろうけど。
「逆に分かんないんだけどね。何でお嬢さんからすると赤フンが女の魂の塊なのかな?」
「お嬢さんではないっ!」
エリス、ここで仁王立ち。
「地球ケンタウリ帝国皇帝エリス一世だっ!」
がっくりして下を向く三太さん。
「ううっ、世界は広い。わしの孫くらいの齢なのにここまで恥じることなく言い張れる厨二がいるとは」
「厨二ではないっ! 地球ケンタウリ帝国皇帝エリス一世だっ!」
「はい。ではその皇帝陛下。何で赤フンが女の魂の塊なのですか?」
「それはだな。エヘン」
また例によってない胸を張るエリス。
「老谷のじいちゃんが残してくれた地球の資料に赤フンを着けた裸の女の人が戦うものがあったのだっ!」
はあ、それはR18かそれに近い大人向けマンガだね。
「老谷?」
その言葉に三太さんの目がギラリと光る。
「失礼ながら、皇帝陛下。あなた様は老谷の縁者ですかな?」
三太さん、ちょっと怖いですよ。でも、相変わらず四つんばいで腰を撫でてますがね。