124 R18本ではヘタレDTが女の子から挑発されると、経験なくても見事なディープキスをかますw
舐めんなよ。エリス。と思いつつ、エリスの両肩に手を置いて、目を見据えてやる。
「なっ、なっ、なっ、何だっ? やるってのかっ?」
ふふふ。エリスの両肩に手を置いた僕には分かるぞ。ガタガタ震えておるな。ここはもうちょっと顔を近づけてって、おっ?
あれ何だか。何か足腰が安定しない。これは? あっ!
分かった。僕の足もエリスに負けないくらい震えているからだ。
おかしい。老谷さんちの三兄弟が描いたR18コミケ本にはヘタレDTが女の子から挑発されると、経験なくても見事なディープキスをかました上で、やったことはなくてもアクロバットな体位をこなすと描かれているのに。
「おらおら、どうした? オキムネーッ! キース」
「キース」
「キース」
「キース」
煽るな。サダヨシ。うわあ、膝がガクガクいってきた。エリスも同じみたいだけど。
◇◇◇
ぽんぽんぽんぽん
あ、鵜鷺先生に頭ぽんぽんされた。エリスもだけど。
「もう授業が始まるよ。新田君、剣汰瓜さん、校長先生からキスは人前じゃないところでやるように言われたでしょ。それと言い忘れていたけど、アールニゴウさんが校務員になる関係で、二人は昼休みに保健室に来てね」
「えーっ、ピョンちゃん先生、ここで止めるのー?」
口を尖らせて抗議するサダヨシ。すると、鵜鷺先生、つかつかとサダヨシに歩み寄って、顔を近づける。
「本堂くーん。そう言えば今朝ちらかしにちらかしてくれた件は、アールニゴウさんが『奇術』使って、あっという間に片付けちゃったから、罰になってなかったよねえ」
「ギクッ」
「おらあっ!」
右手を拳にして振り上げる鵜鷺先生。わっ、怖い。こういう一面もあるんですか?
ぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽんぽん
あ、頭ぽんぽん。しかも僕やエリスにやったのより回数が多い。
「本堂くーん。あんまり新田君と剣汰瓜さんが仲がいいから、妬くのも分かるよ。私だって妬けるもの。だけど、妬いたり煽ったりするばかりより、本堂君の得意なところを見せるようにした方が女の子たちの注目を集めるんじゃないかなあ?」
「……」
うわっ、サダヨシ。汗ダラダラかいて、顔はもちろん真っ赤。
「それから本堂君」
「はっ、はい。何でしょう?」
「ピョンちゃん言うな」
その時の鵜鷺先生の笑顔はなんともはや魅力的で。十歳年上かあ。校長先生のBL漫画に見入ったり、昔からの友だちのねこや先生と妙な言い合いしたりもするけどやっぱ「大人の女性」って感じ……って、痛あ。
「オ・キ・ム・ネーッ、いつまでもピョンちゃん先生を見ているんじゃないっ! あたしを見ろっ!」
痛てて、エリス、いきなり僕の足を踏むなって。




