102 ここはやはり「裸エプロン」をやるしかないのではないか?w
ガバッ
うわっ、エプロン姿のエリスがいきなり後ろから抱きついてきた。だから、ない胸をこすりつけるな。いかな「裸エプロン」ではないとはいえ、こちとら思春期なのだ。股間が僕の意思とは関係なくに動き出すじゃないかっ!
「オキムネッ! 何をあたしのいないところでR-1号さんと仲良く話しているのだっ?」
R-1号はエリスの護衛アンドロイドじゃないか。それ相手にヤキモチ焼いてどうするんだっ?
するとエリス、真っ赤な顔になり、
「うっ、うっ、うっ、うるさいっ! ヤキモチなんかじゃないぞっ! 失礼なっ! あたしは建国のために何としてでもオキムネの『金塊』を手に入れねばならんだっ!」
あ、その件だけどね。今日、R-1号が競馬で三千万円も稼いできたんだ。これだけあれば当座はというか、何年かは暮らせるぞ。無理して僕の「金塊」をほしがらなくてもよいのだ。
「……」
うわっ、エリスが真っ赤な顔をしたまま下を向いた。ちょっと怖いぞ。
「オ・キ・ム・ネェーッ!」
◇◇◇
「オキムネッ! おまえは参謀総長だというのに、そんなにこのあたしに『金塊』を渡したくないというのかあっ! よこせっ! あたしにオキムネの『金塊』をよこすんだっ!」
わあっ、やめろっ、胸ぐらをつかむなっ! むぐぐぐぐ。
◇◇◇
「あらあら、仲のいいこと。妬けちゃうわねえ。うちの旦那なんかこのあたしを置いて飲みに行ってやがるってのに」
母さん。そこでのんきな母さんやってないで助けてよ。息子が窒息死しそうになってるんだから。おいっ、R-1号も見てないでエリスを止めろっ! 主君が殺人犯になりかねないぞっ!
「まあまあ、絵栗鼠ちゃん。今はまだ『婚約』でしょ。そうがっつかない」
「しかし、お母上」
泣きそうな顔で母さんに訴えるエリス。
「オキムネはR-1号さんが競馬で三千万稼いできたから、もう『金塊』は渡さないと言ったのだ。しかし、あたしはオキムネの『金塊』がほしい。ここはやはり『裸エプロン』をやるしかないのではないか?」
「アールイチゴウさんがお馬さんでいくら稼いできたかは知らないけど、それで『金塊』を渡さないというのは確かに酷いわね。『婚約破棄』に近いものがあるわ。でも、絵栗鼠ちゃん、安心して。このあたしがぜ・っ・た・い・に興宗に『婚約破棄』はさせないからねっ!」
母さん、それも怖いんですけど。
「ええいっ! 興宗っ! 男を見せろっ! うちの旦那は十六歳でこのあたしに『結婚してくれ』って言ったんだぞっ!」
つくづくうちの両親って凄いよね。




