10 この作品はR18ではありませんーっw
ええいっ、もうっ、「地球」では「電気」も「水道」も使うとお金払わないといけないの。払わないとおまわりさんが来るの。分かった?
「分かった。『地球』の『おまわりさん来ないで料』が高いということが分かった」
何か絵栗鼠の中でおまわりさんの反社会性がどんどん増していくが、とりあえずは……よしとしよう。
◇◇◇
「で、『ぷろぱんがす』って何だ?」
ああ、それがまだ残っていたね。「ケンタウリ帝国」では燃料にガス使わないの?
「使うぞ。でも普通にパイプで送られてくるぞ」
はいはい。都会なんですね。ここは田舎だからね。ガス屋さんがガスボンベ持ってくるんだよ。
「ともかくそれもお金払わないとおまわりさんが来るのだな」
そういうこと。
「おまわりさん、お金の取りすぎだろう。よく『地球』じゃ革命が起こらんな」
「電気」や「水道」を使いたい放題使った皇女様の言うセリフじゃないよ。
「無礼者っ! 今はあたしは皇帝だぞっ!」
はいはい。そうでした。
◇◇◇
「無茶苦茶お金がかかることは分かった。だが『地球ケンタウリ帝国』にはお金が全くない。参謀総長、何とかしろ」
また丸投げすかー。こっちも出来るだけ努力しますが、バイトとかもしてもらわないと。メタルヒーローズにも稼いでもらわないとね。
「うっ、うーむ。世知辛いなあ」
それより先にここに住むためには老谷さん夫妻と隣家のうちの両親にも挨拶しとかないと。こっちもいろいろ考えるから、出来るだけ考えといて。後は稼げるまでは電気とかなるたけ使わない方がいいから、今日はもう電気切って寝たら。明日も学校でしょ。僕もだけど。
「なっ、なにっ? 電気を切って寝る?」
真っ赤になる絵栗鼠。メタルヒーローズッ! 「タブー」もピンク色の光線も要らないっつーのっ!
「何でだ? ピンク色の光線がないとあたしの証が見えんぞ」
やめーっ、この作品はR18ではありませんーっ。僕は自分の家に帰って寝ますーっ。また明日―っ。
◇◇◇
本来なら高校の入学式でこれからどうなるかと不安だったりするはずなのだが、何故か異星人の「皇帝陛下」とかかわることになり、これからどうなるか悩むことになった。
家の確保、生活費の捻出とか考えることはたくさんだ。絵栗鼠の方もちゃんと考えてくれてるんだろうな。丸投げオンリーでないといいが……
それにしても絵栗鼠はなんで高校生になったんだ? 皇帝陛下なら建国に専念した方がいい気もするが、聞けなかったな。そのことは……
などと考えているうちに眠りに落ちた。やっぱ疲れてたんだろう。
◇◇◇
「オキムネッ!」
翌朝、寝ぼけ眼で登校しようとする僕の右腕を後ろからつかんだのは絵栗鼠だった。
「あのなっ、あたしもあれからいろいろ考えたんだぞっ! 凄いだろう」
振り向いた僕にいきなりまくしたてる絵栗鼠。
その時だった。
ドサッ
どこかでカバンが落ちる音がした。
ものすごく嫌な予感がして音のした方向を見たくなかったのだが、見ないわけにもいくまい。
あーあ
予想通り僕の視線の先にはこれ以上ない衝撃的なものを見たという表情のサダヨシが立っていた。




