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1.実の神





悪口はしないでー(棒)。


……すみません。



みなさん初めまして、

取り敢えず、なんともマイペースな更新となりますので気長にまったりゆっくりダラァ~ッと読んでいただけると幸いです。

コメントして下さるといいなぁ

なんか話のネタの一部など思いついたらコソッとコメントに書いていただけると採用させていただくかもしれません。事件とか殺人鬼の趣味とかキャラとかなどなど、



ではお楽しみください!















あぁ、なんで滑稽な醜い人生なのだろう。

女として生まれ、女としての行動を強いられ、女として扱われるこの人生はきっと世間から見れば当たり前で俺がおかしいように思われるのだろう。




否、それは違う。

俺が正しいのだと言ってやろう。神が決めたことだとか、ただの運だとかそんな答えなんて求めていないさ。









ただ、俺はこの人生を捨てたい。


俺が死ぬんじゃない。

女としての俺が死ぬだけだ。

神が人間に裁きを下すのであれば、俺は神に憎悪と恨みの人間としてこの世界の均衡を崩してやる。









少女はとある高層ビルの屋上へと向かっていた。途中立ち入り禁止の看板があったことに彼女は見向きもしなかった。


ただ彼女の表情は憎しみと絶望が混ざったような表情だった。







屋上に着き奥の柵のない段差へと向かう。周りのビルによって吹かれるビル風はきっと多くのものを躊躇わせただろう。後一歩踏み出せば落ちてしまうところで立ち止まり今までのことを思い出す。



容姿はいい方だったためモテてはいたが彼女にとっては地雷であった。







女としての服を買わされ女としての扱いをされ女としての身分を見せつけられ女としての軽蔑の声を浴びせられた。










そんな恨みしか募らないこの人生を捨てるため彼女は最期の一歩を踏み出そうとしたその時だった。










『やあ、今日はいい天気だね、綺麗な鼠色の雲空だ。ねぇ君…君のこの人生、捨てるのならばこの僕に売ってくれよ。君を男としてやり直させてあげるからさ。』










そんな囁きが聞こえた。大人びた少年のような声だった。





大人びた少年のような声が聞こえ声のした方を向く。



「は?」



俺は今までで一番間抜けな声を出した。それもそのはずだ。


いざ死のうとした時に少年の声が聞こえてそっちを向けば本当に少年がいた。

てっきり空耳か何かだと思っていたが違かった。



まぁ、そんな事はどうでもいい。

俺が間抜けな声を出した一番の原因はそんなものではない。

何故ならその少年は屈んだような姿勢で膝に肘をおいて頬杖をついた状態で宙に浮いていたからである。

しかも少年が浮いている下は屋上の床の上ではなくその外側である。


そんな光景を見たら誰だって間抜けな声が出るだろ?



でもまあ、暫くして冷静になったので訊いてみよう。




「誰?」




そう尋ねると少年は目を細くして笑っていた目を少し開いてこう言った。




「ああ、そうくる?」




と、


意味不明である。こんなにも成り立たない会話のキャッチボールは初めてだ。




「だから誰?」



再度尋ねてみると




「おっとすまない。そんなリアクションするとは思わなかったからついね。で、僕について訊いているみたいだから自己紹介をしよう。僕は悪魔、名前はないよ。好きに呼んでくれて構わない、そして君にちょっとした提案をしに来たのさ。」




と言ってきた。


悪魔?提案?謎だらけだ。なぞなぞをしにきた訳でもなさそうだから本気みたいだが、悪魔か〜……どうリアクションすればいいか分からない。




「あの、悪魔ですか…。」



「あれ、信じてない感じ?酷いなぁ。う〜んでも普通はそんな反応なのか…そっか。うん、わかった!」



「(自問自答してる…早く死にたい。)」



「悪魔っていうのは本当さ、実際こうやって浮けてる訳だし。それに君が女であってしまったから死のうとして今この場にいることを僕は知ってるし、」




悪魔がそう言った、

確かにこの悪魔がそう言った。


俺が飛び降りようとした理由を、的確に___。




「本物か…。」



「あ?理解してくれた?いや〜、理解してもらって嬉しいよ。」



「要件は?」



「おっと、話が早くて助かるよ〜。人間はこう言うの信じたり信じなかったりするからさ。で、君に声をかけた理由だけどさっき言った通りさ。君の人生を僕に売ってくれないかい?」










悪魔は微笑む。

人とのあっては成らない駆け引きを楽しむように_____。




「俺の人生を売る?どう言うことだ。」



「(お、意外と冷静。)言葉の通りさ、君に人生を売ってもらうために来た。それ以上でもそれ以下でもない。」



「具体的なことを訊いているんだ。」



「君は人生を捨てたいから此処へ来たのに僕に詳しく話を訊くの?」



「何かいい予感がするからな。」



「え?……ふっ、あはははっ、あはははっ、あはははっ!あぁ、面白い。そんなことを言うのは君くらいさ。悪魔との駆け引きなんて皆逃げてしまうからね〜。」



「そうか、で具体的には?」



「君に人生を売ってもらうと言っても実際には僕のために君の人生を使って欲しいって言う意味。」



「お前のために?」



「そう、僕の為に。君にはあることをしてもらいたい。」



「あること、」



「あぁ、《僕が指定した人間を殺して欲しい。》」



「……悪魔らしい願い事だな。でも普通立場が逆のようにも思えるが、俺に利益がない。」



「あるさ、だからさっき言ったろ?君を男としてやり直させてあげるってさ。」



「っ!やり直す?生まれ変わらせるんじゃなくてか?」



「僕にそんな力ないよ。第一そんな事したら僕が君にお願いしていることの意味がないから。」



「は?」



「やり直しだよ、やり直し。言葉の通りやり直させてあげるのさ。過去から、」



「つまり過去に戻って男としてやり直させるから指定した人間を殺せと、」



「うん!」



「……。」






やり直し

 



              男として

  



   殺人





            連続殺人の可能性








「ふっ、」





頭の中にその四つの言葉がよぎる。

つい笑ってしまった。





だって良い予感しかしないから、








【こんな面白い事は素通りできない。】






俺の勘が言っている_____。









「その提案……乗った。」








そこから急にあたりが暗くなる。

それと同時に激しい睡魔に襲われ瞼が重い。欲に逆らうことができず瞼を閉じる。










そこからの記憶はない。










唯一残っていた記憶は悪魔が俺が見た中で一番の微笑みを浮かべていたことと紫水晶のように光る紫色の双眸が怪しげで美しい光を帯びていたことだけだった。


   










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