10、しぶんぎ座流星群
星に願いを
「たかしは今回の事はどう思っているの?」
「えーと」
「偶然、彼が亡くなってからちょうど1年で彼が一番落としたい人工衛星が流星群の素になるものにぶつかるなんてできすぎよね。あなたは何もやっていなかったのでしょ」
そう言って彼女らは空を見上げる。
今年のしぶんぎ座流星群はすごい。
予想されなかった数の流れ星が流れている。
時折、火球も。
まるでどこからか集めてきたように。
まさに流星雨だ。
しぶんぎ座流星群で見られないような流星も観測されている。
国際機関の要請を受け、結界で地表に影響が出ないようにして監視活動も行っている。
異能や魔法に関しては私の研究によって科学で再現できるものも多くなっている。
しかし、わからないものもある。
そして突然一回だけ使えた異能も報告されている。
そのほとんどが死の直前だ。
私の3人の妻たちは今回の人工衛星が流星群の影響を受けたのは1年前に亡くなった男の「復讐」という異能によるものではないかと考えているのだろう。
私も同感だ。
異能や魔法に関してはわからないことが多い。
100年以上も研究していてもわからない。
まあ、私には時間がたっぷりとあるからね。
私が想うのは異能者が自分の持つ未知の異能に恐怖し苦しまないで欲しいということだ。
「流れ星って願いをかなえてくれるのよね。これだけあるんだからたくさん叶うわよね」
「そうだね。みんなの心が穏やかでありますように」
・・・・その日、危険な流星は結界の利用によって回収したお陰で18個の隕石を回収ことができた。
地表への被害はなかったのは良かった。
私の提供した結界装置を装備している人工衛星はすべて無事だったが、それ以外の人工衛星が8機が壊れ回収を依頼された。
まあ、あの国の人工衛星だ。
依頼料はしっかりもらったよ。
お読みいただきありがとうございます。
評価や感想をいただければ幸いです。