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幸せにするよ

 俺は今、ものすごく緊張をしている。

 なぜかというと、それは、シルフィの父グレイさんに大事な話をするからだ。

 そう思いながら、緊張した足取りでグレイさんのいる食堂に着いた。俺は、食堂の扉を開けると、グレイさんと、ソフィアさんがいた。

「お!シン君じゃないか。シルフィとのデートは楽しかったかい?」

「はい、それはとても楽しかったです。……グレイさん、ソフィアさん、大事な話があります!!」

「「大事な話??」」

「はい、単刀直入に申します。俺、シルフィの婚約を受けいることになりました!!」

 俺がそう言うと、グレイさんとソフィアさんは、少し間をおいて、

「「おめでとう!!」」

「良かったわね、シルフィ。シン君があなたの婚約を受け入れてくれて。」

「はい!お母様、私とても嬉しいです!!」

「それで、グレイさん、ソフィアさん、お二人の了承を貰いに来ました。」

「「了承??なぜ??」」

「はい、流石に了承なしでこのことを進めるのはダメだと思い、了承を貰いに来ました。」

「シン君は、律儀だな。もちろん、OKだよ。」

「私もよ、シン君。シルフィを幸せにしてね。」

「はい!」

 良かった、もし、万が一貰えなかったらどうしようかと思ったところだ。

「あ、でも、シン君、サリィちゃんはどうするのかい?」

「その事は、シルフィと話してまだ様子を見ようということになりました。」

「そうなんだな。分かった、でも、このことはサリィちゃんにも教えておくんだよ。」

「はい、もちろんです。」

「あ、この婚約の話は、公開していいのかい?」

「公開?」

「ああ、貴族の婚約の話は一般的に公開することになっている。」

「シルフィ、公開してもいい?」

「私は、構いませんよ。これ以上、婚約者を増やさられても困りますから。」

「分かった。ということで、グレイさん公開してもOKです。」

「分かった。それじゃ、シルフィが16歳になってから公開することにしよう。その時に、パーティも開催しよう。よし!そうと決まれば今から忙しくなるぞ。」

 今から忙しくなるって言うのに、すっごい笑顔だ。そんなに嬉しいんだな。

「ありがとうございます!グレイさん!」

「ありがとうございます!お父様!」

 俺とシルフィは、揃ってグレイに感謝を言う。

「あ、2人とも、これだけは注意をしておくわ。」

「「注意??」」

「ええ、まだ正式に結婚した訳では無いのだから、性行為は、まだ禁止ね。」

「~~っ!お母様!!」

「あら、これは、大切なことなのよ。まだ、結婚もしてないのに、性行為をして、赤ちゃんが出来たら、民衆に顔向けできないわよ。」

「確かにそうですね。お母様の言う通り、結婚をしてからそういうことをしようと思います。」

「まぁ、別に性行為以外のこと、例えば、キスだったり、胸を少し触るくらいならいいんじゃないか?」

 グレイさんがそんなことを言い出してきた。

「確かにそれなら、別に構いませんね。」

 そして、ソフィアさんからの了承も得た。

 とっくに、俺とシルフィの顔は真っ赤だ。

「そ、それじゃ、そろそろお暇しますね。行こうか、シルフィ。」

「うん!」

 そう言って、俺とシルフィは、逃げるように食堂を出ていった。出ていく際にこんな声が聞こえた。

「「2人とも、幸せになるんだよ」」

 俺は、心の中で「はい!」と答えた。多分シルフィもそうだろう。





 そして、次に来た場所は、サリィのいる、フィリアちゃんの部屋だ。

 コンコンコン

 俺が、ドアを3回ノックするとフィリアが、入ってもいいよと言ってくれたので、俺は、ドアを開けた。

「あ、シンお兄ちゃんと、シルフィお姉ちゃんです!」

 サリィは、俺とシルフィが来たことを確認し、俺に飛びついてきた。

「どうしたんですか?2人揃って?」

「ああ、大事な話をしに来た。」

「大事な話?」

「サリィ、俺は、シルフィの婚約を受け入れることにしたんだ。」

「・・・え?」

 サリィは、俺が言ったことが最初は理解出来ずにいた。だが、徐々に理解してきたらしく、サリィの目に涙が溜まる。そして、ついには、その溜まった涙が溢れ出した。

「サリィは、もう、お嫁に行けないのですか?」

「シンお兄ちゃん!それは、サリィちゃんをみすてるってこと!?サリィちゃんが可愛そうだよ!」

 フィリアちゃんは、サリィと仲良くなったことで、俺がサリィを見捨てたと思いこみ、俺に怒りをぶつけてきた。

「フィリア!シン様がそんなことするわけないでしょう。」

「え?なら、どうするの?」

「サリィのことについては、まだ様子見だ。その事は、シルフィと話し合って決めたことだけど、サリィもそれでいい?」

 サリィは、まだチャンスがあると知って、パァァァと顔が明るくなった。

「はい!それでも、大丈夫です!頑張ってシンお兄ちゃんの、お嫁さんになるです!」

「頑張って!サリィちゃん!それと、ごんなさい、シンお兄ちゃん。」

「いいんだよ、フィリアちゃん。」

 そう言いながら俺は、フィリアちゃんの頭を撫でてあげた。

「えへへ~」

「あ!ずるいです!」

 俺に撫でられているフィリアちゃんを見て、サリィが私にもやってほしいという顔でこっちを見てきた。仕方ないな。

「サリィも、さっきはごめんよ。泣かせてしまって。」

「私も、シンお兄ちゃんの話を聞かないで泣いてしまってごめんなさいです。えへへ~」

 「・・・ということで、俺とシルフィは婚約した訳だ。」

「「おめでとうございますです!」」

「ああ、ありがとう。」

「ありがとうね、サリィちゃん、フィリア。」

「シルフィお姉ちゃん、私もすぐ婚約者になれるよう頑張るね。」

「う、うん。頑張って。」

 シルフィは、まだ心の中に少し不満があるらしく、素直にサリィの応援ができないようだ。

「それじゃ、そろそろ出るよ。もう、夜も遅いしね。早く寝るんだよ。」

「「はーい。」」

 そう言って、俺とシルフィは、フィリアちゃんの部屋を出て行った。

 そして、シルフィと分かれる際に俺は、こう言った。

「シルフィ、俺、絶対にシルフィを幸せにするから!」

「はい!私も、シン様が幸せになれるように頑張ります!!」

 そう言って、俺とシルフィは、キスをした。

「それじゃ、そろそろ部屋に戻ろうか。」

「そうですね。おやすみなさい。」

「ああ、おやすみ。」

 そう言って、俺とシルフィは、分かれて部屋に向かった。

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