表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

兄の結婚

作者: 七節曲

 兄が結婚した。

 年の近い兄だった。

 一般的な中流家庭で両親と死別することもなく、両親が離婚することもなく、兄弟それぞれ順当に高校を卒業し、大学を卒業し、特に大きくもなく傾きかけでもなくブラックでもない会社に入ってサラリーマンをしている、そんな一般的な程度に苦労している一般的な兄である。

 その兄が結婚した。

 私は素直にそれを祝福したい。

 そして兄が結婚したわけなので義姉ができた。

 ごく普通に主婦をするようだ。


 ところで私は一人暮らしをしている。

 実家には年末年始に帰ったり帰らなかったりという調子だ。

 もう成人して、自分の稼ぎで生活している身であるが、実家に帰ると特に両親を手伝いもせず、両親の子供として振る舞っている程度にクズである。


 そして義姉ができたわけである。

 年末年始、兄夫婦が実家に帰った場合、義姉は嫁らしく振る舞おうとして台所に立って母の手伝いなどするのかもしれない。

 母の掃除を手伝ってなどいるのかもしれない。


 実際のところは知らない。

 実家に帰っていないからである。

 実家はもう私が両親に甘えるクズでいられる場所ではなく、私は相変わらずクズだからである。

 兄にとって嫁であるあの人が、私にとって義姉であったところで、彼女が私の世話をするいわれなどないわけだが、私が居合わせれば何かしら関わることになるのである。

 そしてその時私はお世話されてしまうだろう。


 私は実家に帰っていない。

 これからも帰ることはないだろう。


 いつか、またいつか。

 今少しマシな人間になったら考えるとしよう。

読んでくださりありがとうございます。


粗末な品で恐縮ですが、暇潰しにでもなれば幸いです。


感想等ございましたらお気軽に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ