#3 死霊と神霊
予定より遅くなってしまいました。すみません!理由は後書きの方に書いておきますので是非、読み終わったあとにご確認ください!では、また。
※作品タイトルを突然変えてしまってすみません。なんとなく前の『魔術師の剣術使いと終末戦争』で「いや、魔術の剣術使いって何だよ!?(まあ、魔術師の剣士というのもおかしい気がするが)」って感じになったので『魔術師の剣士と終末戦争』にタイトル変更致しました。内容は変わらないので、これからも宜しくお願いします(*`・ω・´)
「誰だ・・・っ!?」
突然現れた謎の男にヴェルネアさんが警戒の眼差しを向けながら、名を尋ねた。それを好く思ったのか、機嫌が良さそうになを言った。
「我が名はゼフィロス・ダンテ。いずれ神を殺しこの世の【支配者】となる者だ」
と、ゼフィロス・ダンテは妙に誇らしげに語った。この世の支配者?正気か、こいつ?
「頭大丈夫か?」
あーあ。言っちゃった・・・・・。
しかし馬鹿にされたにも関わらず、先程から気味の悪い薄ら笑いを浮かべ、余裕な顔だ。結構タフだな。こいつ。
「我も最初の頃は、この世の支配者?馬鹿馬鹿しいなどと思っていたのだがな。我は思った。別に痛い奴を見る様な目を向けられても構わないじゃないか、どうせこの力があれば」
いや、自覚あったのかよ。ん・・・・・力?何のことだ・・・?
ライカはふと脳を横切った思考を振り払う為に目蓋を閉じた。
「さてさて・・・楽しい楽しい雑談タイムはここまでにしようか・・・」
とだけ話すとゼフィロスは左手を前に突き出した。そして左手の丁度下の地面に黒く禍々しい魔法陣が浮かんだ。
・・・・っな!?詠唱も無しに召喚術をできるのか!?
ヴェルネアさんも突然の事に驚愕していた。
通常、召喚術は詠唱が必要なのだ。しかし、ゼフィロスはその段取りを飛ばしたのだ。普通は出来ることではない。
だとするとあの召喚術は何か特殊な代償が必要なのかもしれない。
召喚術は契約する時、つまり初回のみ詠唱が必要なのだ。しかし、代償を払えばこの詠唱を省くことができるうえに代償に見合った強さの霊獣を召喚できる。そしてゼフィロスは後者を実際にやってみせた。
「代償か・・・・・」
やはりそこはヴェルネアさんも気になる様子で・・・いや、でも敵に教えるわけないよな。普通。ゼフィロスはそれに勘づいたのか、口を開いた。
「代償?ふっ。我が力を見て分からぬとは滑稽よな。まあ佳い。知ったところでどうこうできる話ではあるまい。我が代償、それは『寿命』だ」
「なっ!?」
なんだって?寿命を代償に!?そんなことをすれば死期が速まるだけだろうに・・・そうまでしてこいつは何を成そうとしてるんだ?
「さて、お喋りはここまでだ。今この世に汝の存在を固定し地獄より来たれ、其は混沌と絶望の具現なればその力を示すがいい!」
そう、ゼフィロスが唱えると、いつの間にか増えていた魔法陣全てから、異形の生き物が出てきた。そして、それを見たライカは目を見開いた。何せ現れたのは、十年前ライカの愛妹である、ミウを喰らった魔物と同じ姿をしていたのだ。
「・・・・・・アアぁぁあ!!殺す!!」
化け物を認識した途端俺は冷静を保てなくなり、化け物に近づいた。
「ライカ!落ち着け!」
ヴェルネアさんからの声が聞こえるがそれどころでは無かった。
こいつが・・・・こいつ等がミウを・・・・・・っ!!
「ライカ君!しっかりして!!」
「っ!!」
シアさんが急いで近づいてきて俺を元いた場所に引き戻してくれて、そこで俺ははっとした。
「あ、ありがとう。シアさん」
「ううん。それよりも見た?あいつ等をライカ君が攻撃した場所」
「うん。再生してた。あれは普通の使い魔とかの次元じゃなさそうだ」
そんな俺たちの会話を聞いていたのか、ゼフィロスは余裕の含んだ様子のまま説明してきた。
「くくく・・・・・・ハハハハ!!こいつ等が何なのか知りたいようだな。良いだろう教えてやる。」
そしてゼフィロスは一呼吸置いて、言った。
「こいつ等を呼んだモノは《死霊召喚》と言って、云わば『禁術』指定された呪術の類でな、こいつ等は自らの欲を満たす為だけに人やモノを喰らう。だが、喰らっても喰らっても己の欲は満たされることはない。それ故に何度も喰らう。」
「・・・それで十年前俺の妹・・・ミウを喰わせたのか!!ミウだけじゃない!あの時いた人間をだ!!」
ライカは糾弾した。それを聞いたゼフィロスは今までの気色悪い笑みを止め、代わりに見て分かるほどの冷酷な目でライカたちを睨みつけ、化け物たちに命令した。
「こいつ等を殺れ。好きなだけ喰らうが良い」
そこには慈悲などありはしない。化け物は一斉に走り出し、シアさんとヴェルネアさんに向かって腕を振り、二人を容易に薙ぎ払った。
「ぐあああっ!!!」
「きゃぁァァァァ!!」
二人は化け物に吹き飛ばされ気絶したようだった。
「シアさん!!ヴェルネアさん!!?」
倒れた二人を心配していると、再びゼフィロスは気色悪い笑い声を上げた。
「はははははは!!!素晴らしい!!どうだ?見たか!?あのヴェルネア・ハルバードでさえも吹き飛ばし、あのザマだ!!!」
くそっ!俺の剣じゃあいつに刃は通らないだろうしな・・・・・・。
「愉快だ!さあ、次はお前だ。殺れ。」
ゼフィロスがそう言うと化け物たちは一斉にこちら目掛けて何処から出したのか分からない武器を振り上げ、今にも俺を斬り捨てんとしていた。
――倒さなきゃ
―――どうやって?
ライカが言うと誰かの声が聞き返してくる。
――倒さなきゃ。
―――どうやって?
何なのかは分からないがこいつは俺の脳に直接声を送っている様な、それでいて敵ではなく、味方寄りなのだろうと確信があった。
――力をくれ。
だから願った。
―――力が欲しいか?
――ああ。力が・・・必要だ。
力が欲しい。最低でも目の前の奴を撃退出来るだけの力が必要だ。
―――何故力を欲する?
――護る為に。
せめて二人だけは・・・。
―――何を?
――大切な物を、だ。
そう応えると声だけしか聞こえてこない筈なのだが、何故か薄く笑った様に思えた。そして、その声は言った。ライカの・・・いや、今までの何かを変える一言を。
――――良かろう・・・汝の気持ち、然と受け止めた。代償付きではあるが力をやろう――――
声がそう言うとライカは意識を戻した。
それと同時に脳裏に浮かんだ術式を無意識のうちに発動させ、それを完成させる詠唱を唱えた。
「汝は全てを統べる者。破滅と平和、二つを揃えし汝は神にして神にあらず。今、その力を我に与え給え。冥界より来たれ、金色の神霊よ!」
ライカが唱え終わると黄金に光る魔法陣が現れ、存在固定が終わると魔法陣は途轍もない輝きを放った。
ライカがあまりの眩しさに目を閉じ、次の瞬間目を開けると先程まで魔法陣以外何も無かった所に、魔法陣の代わりにライカやシアと同じくらいの見た目をした、尾が九本もある少女が立っていた。
えー。まず、前書きにも書いた通り、予定より遅くなった理由をお話します。
ヨー〇堂とか、セ〇ンイ〇ブンとかでスマホとか使ってると、Wi-Fi接続のためにサイトとか読み込みをすると飛ばされるじゃないですか?(スマホによる)実はもう既に一度、#3を書き終えていたんですが、ヨ〇カ堂でWi-Fi接続をし「終わったー!」ってなり、読み込みをしたらいつの間にか一時間経過していてWi-Fi接続が切れていたんです。それで再度接続の為に飛ばされ、やべっ!と思いついいつもの癖で、タブ(小説投稿使用としていた方の)を削除してしまい、パーになりました*\(^o^)/*本当にすみませんでした。次からは気をつけます。
えー。謝罪を済ませたところで気を取り直して。
遂に今回で登場させたかった、ライカの使い魔となる娘を出せました。いやー長く感じました(笑)これから、どう転んでいくのか、お楽しみに!!ではでは、また次は#4でお会いしましょう。