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魔法剣士と神々の終末戦争(ラグナロク)  作者: 神代朧月
第一章 戦いの開幕
2/11

#2 竜種と謎の男

遅くなってすみませんでした!少し長くなってしまいましたが、是非とも読んでくださると幸いです。


「はぁ・・・・・・」


 二時間目の授業が終わり、次の時間は霊獣召喚術の授業だ。そしてライカは今、その召喚術について悩んでいた。なにせ、周りの皆は召喚を成功していて自分だけ契約を結ぶ事ができていないのだ。悩みもするだろう。

 まあ、いつまでも悩んでいたって契約を結ぶ事ができる訳はない事くらい分かっている。


「まあ、グダグダ悩んでいるより早く裏庭に行こう・・・・・・」

 そう一人で呟き裏庭に向かおうとした、その時。模擬戦用フィールドがある方から大きな爆発音が響いた。


「な、なんだ!?」

 周りの皆も「今の何!?」や「逃げろ!」などの声が聞こえた。まあ、焦る気持ちは分からんでもないけど・・・・・・って、おいおいおい!なんでこの状況で窓から逃げようとしてんのアイツ!?

 窓から逃げようとしていた生徒を他の生徒が抑えていた。・・・・・・いや、(いく)ら何でもそこまでの事かね?


「まあ、兎に角行ってみるか。気になるし。さっきの音は・・・模擬戦用フィールドの方からか。よし。」

 どうせこの状況だ。この後の授業は全部無くなるだろうしな。




 そして模擬戦用フィールドに走って向かうとあっという間に着いた。


「で、結局さっきの爆発音は何が原因だったん・・・だ・・・・・・」

 そこまで言って絶句した。

 なにせ、そこには百は下らない程の何かが教員やディオステラの国の首都、デオラの騎士団と戦闘を繰り広げていた。そして地面には(おびただ)しい量の血を流した騎士団員や教師が所々に倒れていた。


「どうなってんだ、これは」

 コイツらはいったいどこから・・・?

「そんなことよりもまずは」

 コイツらを倒すしかないか・・・・・・。

「来い。《鋼鉄(くろがね)》」

 そしてライカは何もないところから一振りの刀を召喚した。

 刀は柄から(つば)までが黒く、刃は(まばゆ)い程に輝いていた。


 武装召喚(ソウルバースト)

 自分の魂を固定し、剣や杖などや(よろい)といった武具を『無』から作り出す一種の召喚魔術だ。

 これは基礎魔術で、それぞれが持っている属性の魔力によって、武装の種類が変わる。

 魔力の属性は大きく分けて、火、水、木、風、雷、光、闇、土、無属性の9種類である。

 召喚術は基本的に、無属性にあたる。霊獣召喚も勿論、無属性である。


 ライカは手に存在固定させた鋼鉄(くろがね)を構え、今尚暴れている化物に近づき、斬る。


「はっ!!」

 ザクッと音がして、思っていたよりもあっさりと斬れた。そのまま念の為にと、刀を化物の心臓の辺り目掛けて突き刺して殺す。

 一体一体なら大したことはないっぽいな。


「にしても数、多いな・・・」

 一体一体がそこまでの強さじゃないにしても、数では敵側が有利だから一人で相手するのはキツい。

 ・・・あれ!?あれだけいた騎士団員や教師の皆は!?まさかそこら中に倒れているのがそうなのか・・・?


 どうやらかなりのピンチらしい。どうするか悩んでいた所に、化物が近づいてきていた。

「ヤバッ!?」

 完全に油断してた!まさか気配にすら気づかないなんて!!それでも殺されまいと鋼鉄で防ごうとした。そして、化物の鋭利な爪が振り下ろされようとする。


――その瞬間


「ファイアボール!!!」


「グギャァ!?」

 そんな断末魔と共に化物は燃え尽きた。


「ライカ君!大丈夫!?」

「え?シアさん?ああ、うん。大丈夫。ありがとう」

「それよりもこれはいったいどうしたの?」


 シアさんが俺から顔を上げ、眼前に横たわる人たちを見て唖然としていた。


「分からない。俺が来た時は何人か残っていた騎士団員の皆と教師の人たちがあの化物と戦っていて、俺も応戦したんだけど気づいたら・・・・・・」

「でももういないみたいだね。一旦学院に戻ってこの事を報告しに行かな・・・きゃぁ!?」


 立ち上がり、学院に戻ろうと足を向けた途端。途轍(とてつ)もない揺れが襲った。


「な・・・・・・っ!今度はなんだ!?」

 揺れが収まり、前を見てみるとそこには身の丈10mは超えるほどに巨大な(りゅう)がこちらを睨みつけていた。


「なんだ・・・・あれは・・・・いつの間にこんな奴が・・・これは、竜・・・なのか?」

「ら、ライカ君!そっと、だよ?そっと反対側へ逃げれば大丈夫だった(はず)だし!」


 そこ憶えてないのかよ。まあ、俺も憶えてないけどさ。

ん?・・・・・ちょ!?ヤバッ!!


 竜がこちらに向かって走ってくる。あの巨体だまともに受ければただでは済まないだろう。

それをシアさんもギリギリ避ける。


「と、取り敢えず逃げましょう!」

「あ、ああ。」

 マズい!今度は炎ブレスが来る!

 俺は避けられないことを瞬時に悟り、竜に近づき足を切りつけようとした、が。

「っ!こんのっ!」

「え!?ライカ君!?危ないよ!」

「ちっ。やっぱり硬いか・・・・・・。」

 流石(さすが)竜種。そう簡単には刃が通らないか・・・・・・。

 炎ブレスを邪魔されたからか、竜は今度はその太く、長い尻尾でシアさん目掛けて振り下ろす。


 くっ・・・・間に合わない!!

 シアさんの傍に行くのは間に合ったが防御魔術を発動させるまでに間に合わない!

 俺はシアさんを守る為に、竜に背中を向ける形になった。

 あ、死んだな・・・と思った。その時。


 俺とシアさんを庇うように前へと女性が出てきた。女性は手を(かざ)し竜の攻撃を凌いでみせた。というかその女性は見覚えがあった。何故なら・・・。


「「ヴェルネアさん!?」」

 シアさんと見事にハモった。

 え?え?シアさんもヴェルネアさんの事知ってんの?


 いやまあ、クレア学院の生徒だったら知ってるのは当たり前だろうけどその場合だったら「学院長」って言えばいいのに、シアさんは「ヴェルネアさん」と言った。


「つまりはあれか。シアさんもヴェルネアさんに養子として引き取られた・・・てな感じで合ってる?」


 まあ、細かい部分とかは違うんだろうけど恐らくはそんな感じだろう。


「ライカ、シア、兎に角逃げろ!!こいつ(わたし)が引き受けるからお前らは行け!」

「え?いや、でもこんなやつ相手に一人ってのはいくらヴェルネアさんでも・・・・・・」

「そうですよ!ヴェルネアさんが強いのは分かりますけどブランクがあるのにいきなりはちょっと危険ですって!」


 幾ら「邪竜殺し」の称号を持っていようとも、どれだけ言い繕っても結局は何年も前の話だ。ヴェルネア自体はかなり強い。それでも長い間学院長として基本的に書類仕事などの室内系の作業ばかりやっていたから、今のヴェルネアでは竜を倒す事ははほぼ不可能だ。

 心配そうに見守る二人に


「ここは私が受け持つ。お前らに出来ることは逃げる一択だ!」

「で、でも・・・・・・」

 ヴェルネアも心配してくれていると分かっているのだろう。

「いいから早く!!・・・・・・ぐはっ!?」


 二人を逃がそうとするヴェルネアに竜はその巨大な尻尾を横薙(よこな)ぎにして攻撃した。それは人一人を戦闘不能にするには十分な威力でヴェルネアにもかなりのダメージが入ったのだろう。

 ヴェルネアは気絶されられた。


「ヴェルネアさん!!」

 とうとう心配で耐えきれなくなったのか、逃げずにシアはヴェルネアに駆け寄った。

 そこに竜が行かせまいと二撃目の横薙ぎの、尻尾攻撃を繰り出した


「シアさん!!危ない!」

 ライカが声を掛けシアはそれに気づいたが、避けるのが間に合わず、シアに直撃した。そしてそのままシアまで気絶してしまった。


 時間にして僅か三分。あっという間にシアとあのヴェルネアでさえも戦闘不能にしてしまった竜は、「次はお前の番だ」とでも言うかのようにライカを睨みつけていた。


「あ・・・あぁ・・・・・・」

 まだ死んでいないと言うことは分かる。でも、次(やつ)がシアやヴェルネアに攻撃したら今度こそ本当に死ぬかも知れない。

 そう認識したら途轍もない恐怖に苛まれた。


 怖がってる場合じゃないな・・・・・ここでやらなきゃこっちが殺られる。ライカは決心し《鋼鉄》を持ち直し、立ち向かおうとした。

 その時

「グオオオァァァ・・・・・・」

 ズンッ。と大きな音を立て、沈んだ。


「え?」

気になり、攻撃が飛んできた方向を見てみるとなんと、先程気絶させられていた筈のヴェルネアが起き上がり、魔術を発動させた後だった。

「ふぅ・・・・なんとか倒せたか・・・・・・」


「え?今のヴェルネアさん?!」

「ははは・・・・・・痛っ」


 ライカが驚くのも当然の反応だろう。なにせ、竜種はここ周辺の地域で一、二を争うほどの強敵なのだから。

 竜殺し持ちは伊達じゃないってことか・・・・・・。


「ヴェルネアさん!!大丈夫ですか?!」

「ああ、大丈夫だ。所々がまだ痛いがな」

 ははは。と依然と振舞ってはいるが、かなり辛そうだ。


「ん・・・ぅ・・・痛た・・・」

「シアさん!大丈夫!?」

 先程まで気絶していたシアさんが目を覚ました。こちらも少しまだ辛そうだ。

「あ、あれ?あの竜は・・・?」

 あ、そうかシアさんは今迄(いままで)気絶してたから見てなかったのか。

 俺はシアさんに竜をヴェルネアさんが倒したことを教えた。


「やっぱり凄いですね!ヴェルネアさんは憧れです!!」

「いや、一度吹っ飛ばされて挙句の果てに意識を失うなんて私もまだまだだな」

 謙遜(けんそん)するヴェルネア。


 うーん・・・そんなに謙遜することかね?あの竜種を魔術一発で仕留めるだけでも凄いと思うんだが・・・・・・。


「ヴェルネアさん、これからどうしますか?やっぱり壊れた建物の修復の支援をするんですよね?」

「まあ、そうだな。だが、今日は休もうか。お疲れさん。シア、そしてライカ」

「そうですね。今日は休み・・・」


 休みましょう。そう言おうとしたライカの言葉を遮るように突然に現れた謎の男が口を開いた。


「ほう・・・・・急に竜種の長(エルダードラゴン)の生体反応が消えたと思ったらやはり貴様の仕業か、ヴェルネア・ハルバード」

 そこには、眉を(ひそ)めるライカたちと気味の悪い薄ら笑いを浮かべる一人の年若い男が立っていた。

突然ライカたちの前に現れた謎の男。これからどうなるのか。乞うご期待!!



ちょっと次回予告的なのやってみました。

やってみたかったんです!出来心だったんです!!

次話はもう少し早く投稿できるように善処しますので、まだ修正点があるかも知れませんが、これからも何卒よろしくお願いします!!


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