4話 不良少女とその力
今回はちょっと短いかもしれないです。
放課後になり、下校しつつ涼と能力の使い道を考えていた。
「お前の水使えば消火活動出来るんじゃね?」
「俺最強の消防士なれんじゃん! よっしゃ将来が安泰確定!」
「んじゃ俺、最強の放火魔になれんじゃね?」
「ここで争ってどうすんだよ!」
なんてやり取りをしてる時だった。
目の前にある公園の入り口付近で歩いてる女の子に目が行った。
なぜならその女の子の長くさらさらとしていそうな髪の色は綺麗な黄緑色だったからだ。
年は同じくらいだろう。
「まさかあの髪色は…?」
「そんなまさかな…」
とお互い気になっていると、その子は手から何かを落として公園に入って行った。
近付いて見て見ると、それは煙草だった。
「おう、早速将来のために消火活動するわ」
と涼は言うと、手を拳銃の形にして水鉄砲のように指先から水を出し煙草の火を消した。
「あの子、どう見ても未成年だよな?」と俺は涼に確認する。
「あれで成人な訳ないだろ?」
2人の意見は一致した。
「ちょっと様子見てみるか?」
「もちろん」
そういって俺達は彼女を追った。
彼女を追っていくと落ち葉がいっぱいある木の下で止まった。
咄嗟に危ないと思った俺は涼を引っ張って木の陰に隠れる。
彼女は周りを見渡し、おそらく人が居ないのを確認している。
そして、前を向き、手を真っ直ぐ上に上げた。
その瞬間、彼女の周りにあった落ち葉は竜巻のような風で浮かびあがり、彼女の前を飛んでいた。
「ビンゴ…! 間違いない… 彼女もアプライアンサーだな…」
涼はそう確信する。
一瞬アプライアンサーって何だ?って思ったが、すぐに思いだした。
そういえば能力者の事そう言うんだったな。
適当に受け流してたから忘れてたぞ。
そして彼女は腕を前に伸ばす。すると、その竜巻から飛んで行った落ち葉は目の前にあった木の枝を切り落とした。
それを見た俺達は目を丸くした。
「嘘だろ…? あんなの食らったら真っ二つじゃねぇか…」
俺達は驚きと共に恐怖を感じた。
あれには間違いなく殺されると。
俺の火で火傷、涼の水の水圧、そんな俺達の力はちっぽけに思えてきた。
二人は同時に思った。
『あの子を敵にしてはいけない』
だが、この後取る行動はお互いに分かれていた。
「とりあえず話しかけて仲間になろうって言おうぜ」
それが俺の意見だった。だが、涼は「いや、見なかった事にして黙って帰ろうぜ…?」と言ってきた。
「それでもしまた会って敵対したらどうすんだよ…?」と俺は思った事を言った。
「それを言ったらお前だって話しかけて敵対したらどうすんだよ!」
このままじゃ埒が明かない。
そう思った俺は木の陰から飛び出して彼女の後ろに立った。
風の能力、それは空気などを操っている。これが次回重要になってきます。