もう一つの選択 「同類」
最終話の父親を殺すかの選択でもしもう一つの選択をしていたら、という話です。
「選ぶのはお前だ。炎怒」
父さんは俺にそう告げる。
俺は迷った。 どうするべきなのか。
「父さんはどうするべきだと思う?」
そう父さんに聞いたが「俺は何も言わない。 お前が選ぶんだ」
そう返された。
俺は目を閉じた。
頭の中に浮かんだのは風音先生や涼、頼堂や金剛の顔だった。
俺はその瞬間一つの選択肢を選んだ。
「やっぱり父さんを殺すなんて…出来ない」
例え家族の事を放って研究ばっかりしていた人でも、父親は父親だ。
殺すなんて出来る訳が無い。
「俺を殺せばこの世界は平和になるんだぞ?」
父さんはそう聞いてきた。
でも、俺には殺す事は出来なかった。
「それでも、俺は父さんを殺すなんて出来ない」
俺は父さんの目を見ながらそう言った。
「そうか… まあ、平和にする方法はもう一つある」
そう聞いて俺は驚いた。
他にもあったなら父さんを殺す必要なんて無いじゃないかと。
「何をすれば…?」
俺はその方法が知りたくて父さんに聞く。
だが、父さんは「それは自分で考えてみたらどうだ? 炎怒」と言った。
俺は父さんの用事が済んだようだったから家に帰りながら、その方法を考えていた。
どうやったら平和になるのか…
それを考えてると逆説を考える。
なぜ戦っているのか。
それは簡単だ。 能力があるからだ。
強くなったらその力を利用したくなるのは人間の本能的に仕方ないことだろう。
…待てよ?
能力を持った人が常に居ない状況を作ればどうなる?
俺以外に誰も能力を悪用するやつが居なくなれば、実質平和になるんじゃないのか…?
俺はその時、樋川を思い出した。
あいつは能力を持っているか聞いていた。
もしかして…
「あいつは平和のために戦っていた…?」
ただ人を殺したければ能力を持ってない相手の方が好都合だろうし、そもそも戦いが好きならもっと楽しむはず。
あいつは異常な様子だったが、楽しんでいるようには見えなかった。
まさか、本当にあいつは能力者が居ない世界を作ろうとしていた…?
俺はとんでもない事をしたんじゃないか…
あいつは仲間だったんだ…
同じ平和を求めている仲間だったんだ…
そう気付いた瞬間、俺の中で何かが目覚めた。
「俺が能力者を居なくしてやる」
翌日
俺は適当に散歩をしていた。
特に目的は無い。
いや、あるとすればそれはただ一つ。
『能力者に会う』という事だけだ。
コンビニに行ってみたが、特に異常な髪色の人も居なかったから適当に弁当を買って、公園に行ってゆっくりしながら弁当を食べていた。
その時、一人の少年が来た。
それは赤い髪の少年だった。
俺と同じ炎なのかな?
そう思いながら、見てないフリをして観察していた。
すると彼は陰でこっそり炎を出していた。
俺は炎同士の対決はしていないな。と思って少し楽しみになってきていた。
俺は今食べていた物を飲み込み、弁当を投げ捨てた。
そして、ゆっくりと歩いて彼に近付き、こう言った。
「お前、能力持ってるだろ?」
その少年は少し驚きながら、「はい」と答えた。
俺はニヤっと笑って彼を睨んで言う。
「じゃあ死んでもらうぜ」
俺はこれから樋川と同じ運命になる事を今はまだ知らない…
これで本当に終わりです! こっちを先に見たという方は最終話をご覧ください! 家電戦争はこれで終わりですが、いつか家電戦争Ⅱを書こうと思います! その時はそちらもよろしくお願いします!




