最終話 俺がすべき事
一応最終話です!
まさか本当に父さんだと言うのか…!?
「本当に父さんなら自分の名前くらいは言えるよね」
もしかしたらオレオレ詐欺的な何かかもしれない。
そう思って俺はそう聞いた。
「あぁ、もちろん。俺の名前は成瀬 星斗だ」
その名前は母親から聞いていた通りだった。
「本当に父さんなのか… 今まで何を…?」
俺は本人だと分かるとすぐに聞きたい事が、頭の中に溢れ返るように出てきた。
「電話で話すのもあれだから会わないか」
父さんはそう言ってきた。
そうとなると母さんを呼ぼうと俺は思った。
すると、「待て、母さんには言わないでくれ」と父さんは言ってきた。
「なんで?」と聞き返すと
「いろいろと事情があるんだ」と言われた。
そういう訳で母さんには秘密で父さんと会うことに。
電話で父さんに言われた場所に俺は向かう。
着いた時、そこは見覚えのある場所だった。
俺の左手の義手を貰った研究所。
間違いなくそこだった。
研究所の入り口で立っていると中から、一人の男が出てきた。
面影がある。だがその男の髪は異常なものだった。
髪型は俺に似ているが、色は虹色に輝いていた。
「炎怒、久しぶりだな」
その男はそう言ってきた。
その一言でこの男が父親だと分かった。
「父さん… いろいろ聞きたい事があるんだけど…」
とりあえず俺は何をしていたのか聞きたかった。
「今までどこで何してたんだよ?」
俺は接し方が分からなくてタメ口になりながら、そう聞いた。
「話は長くなるが、最初から話そうか」
父さんはそう言ってきた。俺は黙って頷く。
「父さんと母さんが離婚した理由は知ってるか?」
俺は何故離婚したのか、その理由は知らなかった。
「いや、知らない」
「俺は母さんの事も考えずに、ずっとある事を考えていた。」
ある事…?
「それは、異能力だ」
俺は父さんに急に会った事もあって、すぐには理解が出来なかった。
「俺は炎怒が生まれてからも、ずっと能力の研究をしていた。誰にも言わずに一人で、この施設を借りて」
そう父さんは言って研究所の方を振り返る。
「ここは、俺が仕切らせて貰ってる研究所なんだ」
そう言われて俺は一つ疑問に思った。
「じゃあ、この義手は…」
俺は左手を前に出しながらそう聞くと、父さんはすぐに返答した。
「俺と部下で作った物だ」
そう言われて俺は驚く。
「表向きはそういう物の開発をして、裏では俺一人で能力の研究をしていた。それで家に帰る回数が減るに連れ、母さんと喧嘩する事が多くなった」
そう話している父さんは少し切なそうな顔をしていた。
「それで、研究に集中するためにも離婚した」
「それから…?」
俺は早く続きが気になって仕方なかった。
「それで俺は研究を続けてようやくある力を見つけた」
俺は少しずつ話が見えてきた。
「もしかして、その力って…」
俺がそう言うと「あぁ、家電製品のエネルギーだ」
父さんが続きを言った。
「人の生活を助けている家電製品には特殊な力があった。ただ生活を助けているんじゃなくて、人に力を与える能力があった」
もう正直現実離れしすぎて理解するしかなかった。
「俺はそれを見つけて、すぐに実践した」
俺はその実践した時間はすぐに分かった。
「それが9月1日の午前7時?」
俺がそう言うと「さすが俺の息子だ。理解が早い」と、父さんは言った。
物心ついてから初めて父さんに褒められたな。
なんて思っていた。
すぐに俺はある事を思いついた。
「父さんが能力を作り出したなら無くす事も出来るのか?」
そう思った俺は父さんに確認する。
「あぁ、出来る」
そう言われて俺は安心した。
これで能力の戦いは無くなって平和になると。
でも、その無くす方法は予想外だった。
「全ての能力を制御している者が居る。それは全ての色を持つ者だ」
そう言われて俺はすぐに父さんの髪に目が行った。
「まさか…」
俺は嫌な予感がして小声でそう呟いた。
「あぁ、俺がそれだ」
父さんは何かを覚悟した目でそう言った。
「俺は自分の意思で他の人の能力を戻すことは出来ない。 強制的に無くして貰わなくては…」
そう言われて俺はとんでもない事に気付く。
「まさか、父さんを殺せば… みんなの能力が無くなる…?」
俺がそう聞くと父さんは目を閉じ黙って頷いた。
嘘だろ… 自分の父親を殺すのが平和への道…?
「選ぶのはお前だ。炎怒」
父さんは俺にそう告げる。
俺は迷った。 どうするべきなのか。
「父さんはどうするべきだと思う?」
そう父さんに聞いたが「俺は何も言わない。 お前が選ぶんだ」
そう返された。
俺は目を閉じた。
頭の中に浮かんだのは風音先生や涼、頼堂や金剛の顔だった。
俺はその瞬間一つの選択肢を選んだ。
「父さん、ごめん」
そう言って俺は炎を手から出しながら、父さんの体を掴んだ。
すると、父さんの体は燃えていく。
相当な痛みがあるはずなのに父さんは、悲鳴も出さずに俺を見ていた。
俺も父さんの顔を見ていると、父さんは少し笑って「お前にその名前を付けてよかった」と言って、完全に焼けて消えた。
まさかこうなるのを分かってて『炎怒』って名前を…?
俺は笑いがこぼれた。
それは嬉しさによる笑いだった。
「俺の父さんは凄い人だ」
俺はそう呟いて笑いながら涙を流した。
気付くと俺の髪は9月1日の朝までと同じ茶髪に戻っていた。
翌日
「おはよう炎怒くん!」
綺麗な黒髪の先生はそう俺に言って抱き着いてきた。
「おはようございます、風音先生」
俺が彼女にそう返していると、後ろから「おい、成瀬! 風音先生から離れろ!」と頼堂が言ってくる。
いや、俺から近付いたわけじゃないんだけどな…
俺達は皆、能力が無くなって元の髪色に戻っていた。
頼堂も黒髪に。 金剛と黒山さん?は元々金髪と黒髪だったから何も変わっていなかった。
おそらく能力が無くなった今、銀髪の少年も自由になって動けているんだろう。
だが、能力が無ければ悪い事はしないだろう。
そう思ったから探す気はなかった。
俺は毎週のようにする事があった。
それは涼の墓参りだ。
「涼、お前の事は絶対忘れないからな」
俺はそう涼の墓に向かって呟いた。
それから墓の掃除をして、手を合わせて目を閉じ、少し頭を傾ける。
その後、後ろに居た風音先生が同じようにお参りをする。
「皆瀬くん、私達を見守っててね?」
そう呟いているのが聞こえた。
あいつの事だから、羨ましいとか言いながら、見守ってるだろ…
そう思い少し笑いながら俺は空を見上げた。
end
短かったですが、これで一応本編は終わりです! 話の流れが早かったり、細かい描写が無くて伝わらない部分もあると思いますが、最後まで見てくださりありがとうございました! 後日、もう一つの選択も書こうと思ってます!




