表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/26

20話 決戦の地

幸せは急に崩れ去る。

それから俺は家に帰って、不安になっていた。


真面目な顔したつもりだったけど、ニヤけてたりしたらどうしよう…


恥ずかしすぎるな…


そう思っていた。


だが、まだそんなの幸せな不安だった。


そんな幸せは急に崩れ去る。


携帯電話の着信音が鳴り響く。


取り出して画面を見ると、掛けて来たのは彼女の電話番号だった。


登録していた彼女の名前も表示されている。


緊張しながらも出ると、聞こえてきた声は、全く知らない男の声だった。


「やぁ、光の少年」


そいつは俺を嘲笑うようにそう言った。


「誰だお前…?」


何で知らない男が彼女の携帯から掛けているのか気になったが、それより先に誰かを知りたかった。


「私は通りすがりの能力者です」とその男は言う。


能力者… 俺や杏奈みたいに能力を持ってるやつが他にも居たって事か…?


名前が知りたいところだが、それは後にしておこう。


「何で杏奈の携帯を持ってるんだ?」


そう俺が聞いた時だった。


「助けて!飛華流くん!」とその携帯越しに彼女の声が聞こえた。


「杏奈…!?」


俺は驚いて彼女の名前を呼んだ。


「今の声が聞こえたみたいですねぇ? 聞こえた通り、彼女はここに居ますよ?」とその男は少し笑いながらそう言った。


「てめぇ… 杏奈に何しやがった…」


俺はもう嫌な予感がしていた。


それを想定して既に怒りが抑えられなくなっていた。


「彼女には少し餌になってもらおうと思いましてね? とある場所に誘拐させてもらいました」


餌という言葉が少し気掛かりだが、誘拐という言葉に俺は怒りの頂点に達した。


「杏奈に何かあったらただじゃ済まねぇぞ…」


俺がそう言うと男は笑い出した。


「大丈夫ですよ! これは餌なんですから、自分で食べるような真似はしません」


そう男は言って、少し間を空けてこう言った。


「あなたを誘い出す餌なんですから…!」


俺を誘い出す…?


「お前の目的は何だ?」と俺は聞いた。 すると男からの返答は簡単な物だった。


「私は彼女に興味はありません、あなたと戦いたいのです」


俺と戦う…ためだけに杏奈を…?


「それならさっさと杏奈を解放しろ。戦いたければ戦ってやるよ」


杏奈の安全が第一だと思った俺はそう言った。


しかし男はそれを馬鹿にするように返してきた。


「あなたが私を倒して助けに来る方が良いんじゃないですか? 彼女もそれを望んでいると思いますよ?」


俺はその男の声に怒りを抑えられなかったが、杏奈をさっさと助けたかったから、その案に乗ることにした。


「分かったよ、お前をぶっ飛ばしてやる。それで場所はどこだ」


さっさとこいつをぶっ飛ばしたかった俺はもう何も他の事を聞く気にはならなかった。


「決戦の地と言えば分かりますかね?」


そう男は言ってきた。


決戦の地、それは少し離れた所の山の中にある工場の跡のような場所だ。


そこは昔から不良の喧嘩とかで使われていて、周りが綺麗になっていて、正々堂々戦う事しか出来ない事から、そう呼ばれている。


「分かった、黙って待ってろよ、杏奈に何かしたら許さねぇからな」


俺はそう言って電話を切り、家を飛び出して、決戦の地へ向かった。



俺はタクシーに乗って、決戦の地の近くまで行った。


急ぎすぎて俺は料金なんて確認せず、1万円札だけ出して飛び降りるように降りて走った。



決戦の地が見えるところまで来ると、杏奈ともう一人男が立っているのが見えた。


その男は銀色の髪をして、眼鏡を掛けていた。


髪の色が黒だったら如何にも真面目そうな少年だ。


近付いて見るとその男は俺に気付いて、「早いですねぇ! 素晴らしい!」と笑顔で拍手しながらそう言ってきた。


この話し方間違いなくさっきの奴だ。


その男がさっきの奴と分かると、俺は怒りが抑えられなかった。


まだ、彼が何故俺と戦いたいのか、など気になる点があったが、それどころじゃなかった。


俺は黙ってすぐに攻撃した。


先手必勝というからな。


そう思って俺は速攻、強盗の目を潰したのと同じ光を彼の前に現した。


もうこの一発で終わるだろう。


そんな気もしていたが、現実は甘くない。


「そんなもんですか?」と男の声は俺の背後からした。


振り返ると、その男は後ろで呆れるようにしていた。


今のは杏奈に当たる可能性を考えて少し弱めにしていただけだ。


この状況なら間違いなく当てられる。


そう思って俺はもう一度光を出した。


今度は男の身体が焼けるくらいの力で。


でも、光が消えた時にはそこには何も居なかった。


「そんなんじゃ当たりませんよ?」


また男の声は後ろから聞こえた。


最初と同じ方に男は立っていた。


「何で後ろに…?」


そう俺が思っていると「今度はこっちの番です」と男は言って走ってきた。


殴り合いになると思った俺は防御の姿勢を取るが、攻撃は思わぬ方向から来た。


急に男は左から殴ってきた。


間違いなく男は俺の前に立っていたはずなのに。


その反動で俺は右を向く。


すると今度は右から殴られる。


そして次は後ろから蹴られて、前に出た所を前から真っ直ぐ殴られ、俺は後ろに倒れる。


「あっはっはっは!! そんな物か!?」と彼は高笑いをしながら、俺に言ってきた。


俺はすぐには立てなかった。


予想以上に殴られたダメージが大きかった。


「やはり私は最強の能力者だ!!」と男は言っていた。


その一言で2つの事に気付いた。


こいつは俺と戦いたかったんじゃなくて『能力者』と戦いたかったんだ。


最強の能力者であると自覚したいために能力者を探していたという事のはず。


そして、もう一つ、俺を誘い出すための餌と彼女に言っていたが、彼女も能力者だ。


間違いなく俺が負ければ次は彼女の番だ。


それだけは絶対に阻止する。


俺はその思いで立ち上がろうとした。


その時だった。


「楽しそうな事してんじゃん… 俺も混ぜろよ?」と別の男の声が後ろから聞こえた。


俺も杏奈も銀髪の男も全員その声の方を見た。


そこには赤い髪の少年が立っていた。



以上で飛華流編は終了となります!次回から炎怒編(後編)のスタートです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ