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19話 彼女の素顔

リア充し…

それから俺達は付き合いたてのカップルのようになりながら、解散した。


驚きすぎて何が起きたのかよく分からない。


ただ思い出すのは柔らかい唇の感触。


自分の唇を触れながら、その事を思い出し、またドキドキしていた。



翌々日


休日の間ずっと思い出す度にドキドキして、冷静じゃ居られなかった。


でも、今日は学校だ。


彼女に会うのが少し気まずい気もしたが、それ以上に嬉しかった。



学校に着いて、靴箱で上履きに履き変えていた。


その時、横から彼女の声が聞こえた。


「飛華流くん」


その声だけで少しドキっとしながら彼女を見た。


しかし、彼女の姿は昨日までとは全く違い、まるで別人のようだった。


前髪を綺麗に分けて、顔が見えていた。


彼女の顔は少し赤く染まっていた。


「杏奈…!?」


俺はあれだけ嫌がっていたのに前髪を分けている事に驚きすぎて一昨日の出来事を忘れていた。


「もう前髪で隠さなくても大丈夫になったの!」


彼女は満面の笑顔でそう言った。


俺は心の底から嬉しくなった。


「克服できたんだな…!」


俺がそう言うと「うん…!これも飛華流くんのお陰だよ…!」と彼女が言ってきた。


「まあ、俺が本気になればこんなもんだよ…」と俺は強がったが、彼女は軽く笑って受け流した。


「それじゃ一緒に行こっか!」と彼女は俺の腕に抱き着いて言ってきた。


「おう…」


冷静で居られないからやめてほしいけど、嬉しかった俺はぎこちない動きで教室に向かった。


最初は怖かったのにここまで好きになるとはな。


何が起きるか分からない物だ。



授業中、彼女は凄くちょっかいを出してきた。


突然後ろから肩を突かれ、気になって見ると、彼女が微笑んでいるだけ。特に用事はないようで。


用事が無いなら呼ぶなと言ったら、また肩を突いて、今度は「元気?」って聞いてきた。


「そんだけの用で呼ぶな」と俺は返した。


まあ、元気だが。


そんなやり取りをしていたが、楽しくてしょうがなかった。


正直その後やめられて寂しかったなんて言えないな。


そんなこんなでやっと昼だ。


「飛華流くん!」と後ろから彼女に話し掛けられた。


「どうした」と言いながら俺は振り返った。


すると彼女は手に箱のような物が入った包みを手に持っていた。一瞬で何かは分かった。


「お弁当作ってきたから一緒に食べよう?」と彼女は少し上目遣いで聞いてきた。


「まあ、いいだろう…」と仕方なく感を出したが、内心は嬉しすぎて飛び跳ねたいくらいだった。


俺は彼女の横に椅子を持ってきて並んで座った。


「じゃーん! どうかな?」と彼女は弁当の蓋を開けながらそう言った。


「まあ、俺が日頃食ってる物に比べたら質素だが、良いんじゃないか?」と俺は言った。


彼女はそれに顔をムスっとして「庶民はこれが普通なんです!」と言った。


怒っている彼女も可愛かったから怒らせたくなった。


「ほら、早く食べてみて!」と彼女はその弁当の中のおかずを箸で取って、俺に向けてきた。


俺は口を開けて、その箸に顔を近付けた。


彼女はそれに合わして、箸を口元に持っていく。


そのまま、それを俺は食べた。


「ん、なかなか美味いじゃねぇか」


正直俺が食べてた物に比べると、そうでもないが、彼女の物だという事に価値を感じて美味しさが増していた。


「そう? なら良かった!」と彼女は分かりやすく喜んでいた。


「今度は飛華流くんのお弁当も食べたいな?」と彼女は急に言ってきた。


「ん、俺は料理出来ないぞ?」と俺が言うと、「じゃ何か高いやつ買ってきてよ?」と彼女は少し悪い顔をしながら言う。


金目当ての顔じゃねぇか。


まあ、彼女にならどんなのでも買うが…


「そうだな、欲しいのがあれば何でも言えよ」と俺は彼女の弁当を貰いながらそう言った。



放課後になって俺達はまた二人で帰っていた。


他愛もない話をしていたとき、ふと気になった。


「俺達って付き合ってる訳じゃないんだよな…?」


そう俺が言ったとき、彼女は固まった。


「え…、まあ、そうかも…」


付き合ってるようになっていたが、実際告白とかしてないし… されてもないし…


「あの、もしかして私の事嫌いかな…?」と彼女は少し不安そうな顔でそう聞いてきた。


ここは素直に答えてあげるべきだと思った。


「好きに決まってんだろ? ってか嫌いだったら一緒に帰ったりしないだろ」


そう俺が言うと、彼女は安心したように「そっか…」と呟いた。


少しして彼女は顔を上げて、「私も飛華流くんの事好きだよ?」と言ってきた。


「そうか…」と俺もさっきの彼女と同じ反応をした。


この話になってから少し気まずくなった。


そんな状態で歩いていたら、もう彼女と分かれる道まで来ていた。


「そ、それじゃ…」と彼女は手を振って別の道に行こうとしていた。


その時、「ちょっと待った」と俺は彼女を止めた。


彼女は振り返って俺を見ていた。


「こんな曖昧なの納得いかねぇからちゃんと言うぞ」


真面目な顔で俺は彼女にそう言う。


恐らく彼女もこの時点で気付いただろう。


「俺は杏奈の事が好きだ。付き合ってくれ」


その瞬間、風が吹いて彼女の髪が揺れた。


そして彼女は少し微笑んで、


「こちらこそ…!」と言った。


こんなリア充展開は次回で終わります。

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