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18話 少し明るい光の星

今回は結構恋愛な話です。


放課後になって、俺は彼女と下校していた。


坂本の居ない今は送り迎えが無いから、歩いて帰る事になるからちょうど良かった。


「それで、何か治す方法は考えたのか?」と俺は歩きながら彼女に聞く。


「んー、とりあえずは明るい物を頑張って見るしかないよね…」


そんな直球過ぎる答えに流石に驚く。


「それでいけるなら構わないが…」


そう俺は返した。


「それで、なんだけど」と彼女は急に話を変えた。


「明日休みだから、一緒に明るい物を見てくれないかな?」


俺は特に深く考えていなくて、「あぁ、協力する」と言ったが、これ良く考えたらデートってやつじゃないか…?


そう気付くのはまた先の話。


「あ、あと、連絡先交換しない?」と彼女は言ってきた。


断る理由も特に無いため、「あぁ、いいぞ」と言って携帯電話を取り出し連絡先を教えあった。



翌日


どこにいつ行けばいいか、その情報は携帯電話を見たら書いてあった。


場所は遊園地。


俺は予定していた時間に来た。


彼女は既に待っていた。


「遅いよ…」と彼女は少し怒った顔で言ってきた。


仕方ないだろう。こういうのは初めてなんだ。


早すぎたら遠足楽しみな子供かって思われるだろうと思って予定の時間にちゃんと来たんだが…


「君が早いんじゃないのか?」


そう思って俺はそう聞いた。


「予定より早く来るのがマナーだよ!」と顔をムっとして言ってきた。


「そうか、俺はマナーとか知らないから仕方ないな」


俺はそう言って遊園地の中に入って行った。


後ろから早歩きで彼女は付いてきた。


「ってか君じゃなくてちゃんと名前で呼んで?」と彼女は俺の横まで来て、俺の顔を覗き込みながら、そう言ってきた。


「はぁ…、分かったよ黒山」


名前で呼ぶ意味があるのか分からなかった俺は、溜め息をつきながらそう言うと、「杏奈って呼んで?」と彼女は催促してきた。


「杏奈」と俺は名前だけ呼んだ。


すると彼女は「それでよし!」とご満悦のようだった。


「それで、杏奈さん? 一つ質問があるんですが?」と俺が言うと、彼女は首を傾げた。


「何で明るい物を見るのに遊園地なんだ?」


昼間な時点でどこ見ても明るいし、遊園地じゃなくても良かった気がした。


だから、俺はそう聞いた。


「まあまあ、細かい事は気にしない」と彼女は少し微笑みながらそう言った。


それから、ジェットコースターや落下系の絶叫系、コーヒーカップやメリーゴーラウンドなどの癒し系などに乗った。


正直彼女も、俺も、明るいものなど気にせず、楽しんでいた気が途中でしたが、もう何も考えずに楽しむ事にした。


そして休憩も挟んでいると、周りは結構暗くなっていた。そう思った、その時だった。


周りにあったイルミネーションが輝き出した。


いろんな色で鮮やかに。


まさか…


「これを見るつもりで…?」


俺は気付いた。 彼女はこれを見るために遊園地に来たんだと。


「さあ、これで準備は整ったよ」と言って彼女はどこかに指を差した。


その方向を見ると、そこにあったのは観覧車だった。



俺達は観覧車に乗って上の方に行くまで話していた。


「まさかこの光を見るために?」


そう俺が聞くと「これからが本番だよ?」と彼女は少しニヤっとしながら言う。


前髪垂らしてるから恐怖しかないけど、それは黙っておこう。


少しの間、沈黙が続いた。


彼女はその間、深呼吸をしていた。


俺はそんな彼女を眺めていた。


そして頂点まで到達した時だった。


「下見て!」と彼女は言って外を覗き込んだ。


俺も一緒になって外を見る。


するとそこに広がっていたのは、イルミネーションで照らされた光の海だった。


「おぉ…」


思わず声が出る。


こんな綺麗な景色がこんな簡単に見れるとは。


そんな驚きも入っていた。


「は…はぁ…」


彼女はその光を見て、少し身体を震わせていた。


やはりまだ恐怖があるのか。


俺はそんな彼女の恐怖心を少しでも払ってあげようと思って話を変える。


「このために来たんだよな…? 案外ちゃんと考えてるじゃねぇか」


俺は少し煽り気味に彼女を褒める。


最初は明るいものを見るとかいう、何の捻りもない方法を言っていたから、


どうなるかと思ったが、案外ちゃんとしていた。


「そう、かな…」


彼女は光の恐怖からか先ほどより、テンションが低かった。


「でも、やっぱり怖い… あの星空を思い出して…」と彼女は言って、涙が流れ出していた。


「ごめんね、こんな事に付きあわせちゃって…」


彼女はそう言って更に涙を流した。


「何言ってんだよ。俺から協力するって言ったんだ。お前は悪くない」と俺は彼女を励ます。


そんな事を言ってる間に観覧車は下に着いた。


ドアを開けた係員の人が驚いていたが、そんな事は気にせず泣いている彼女の手を取って、歩き出した。


すると、そんな彼女の心を表すように雨が降り出した。


すぐに俺達は近くの屋根がある所に雨宿りする事にした。


「最悪なタイミングだな…」と俺は一人で呟いていた。


彼女はまだ泣いていた。


どうにかして落ち着かせてあげたい。


俺の心はその一心だった。


そして雨の降る空を眺めていた。


その時、一つの方法を思いつく。


俺は指を鳴らした。


「なあ、杏奈ちょっと見てくれ」


俺は彼女の肩を優しく叩いて、そう言った。


何か気になった彼女は涙目のまま顔を上げる。


彼女は空を見た瞬間目を丸くした。


俺が出した光は遠くで輝き、星のようになっていた。


俺は雨が降る中、俺の光で星空を作り出した。


彼女はそれを見て少し震え出した。


すぐさま俺は彼女の肩を抱き寄せた。


「大丈夫だ、俺が居るから」


そう彼女の耳元で囁く。


安心してもらいたい、その一心で。


「もう一回見てくれ」


俺は彼女にそう促す。


彼女は俺の言葉に従って、もう一度その星空を見る。


「あの星を杏奈のお姉さんだと思ってみろ… 星は昼間は明るくて見えないけど、ずっと居るんだ。お姉さんは杏奈をずっと見守ってくれてるんだよ」


俺は彼女と星空を見ながらそう言った。


自分で恥ずかしい事を言ってるとは思ったが、笑われても感動されてもどっちでも良かった。


彼女が元気になるなら。


俺は黙って星空を見ていた。


彼女の顔を見るのが不安だったからだ。


視界に入って見える感じだと彼女は俺の顔を見ていた気がした。


その瞬間、彼女は急に俺の顔を掴んで自分の方に向けた。


そして、彼女は目を閉じたまま顔を近付け、俺の唇に彼女の唇を重ねてきた。


俺の心臓は急に爆発しそうなくらい動き出した。


2秒くらい重ねた後、彼女は離れて、目を開けた。


「ありがとう… 飛華流くん」


彼女のその言葉とその笑顔に俺は更にドキっとした。


光の力を誤って少し周りが明るくなった。



次回も結構恋愛な話になります…

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