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17話 彼女の過去

何故彼女は襲ってきたのか… それが今回分かります。


担任の出席確認が終わった後、すぐに俺は彼女に話しかけた。


「お前、昨日の奴だよな?」


そう聞くと、「知らないです…」と彼女は小声で言った。


「いや、明らかにお前なんだが…」


俺は間違いなく彼女でしかないと確信していた。


こんな人が他に居たら、記憶に残るだろうからな。


「お前も能力持ってるのか?」


俺は昨日の闇の力を知るためにも、彼女から直接聞くべきだと思い、そう聞いた。


すると「怒ってないんですか…?」と彼女は質問し返してきた。


怒る?…まさか殺されるところだったからか?


あぁ、なるほど。 それで知らないフリを。


「怒ってなんかいねぇ。むしろ協力したいんだが」


俺はそう答えた。


おそらく坂本が居たらこんな事を考えてはいなかっただろう。


でも、大切な彼女を失ったからこそ変わった。


俺は前からこの傲慢な性格で敵を作りやすかった。


だが、それでも彼女は味方で居てくれた。


それは、執事としてかもしれない。


でも、それでも味方で居てくれた事が嬉しかった。


そう今になって気付けた。


だから、敵なんてもう作らない。


「そう… なの…」


彼女は俯きながら、そう小声で言った。


「私は、黒山(くろやま) 杏奈(あんな)。闇を操れる」


そう彼女は少し顔を上げて言った。


「俺は金剛 飛華流だ。恐らく光を操れる」


俺達は正反対だった。


光と闇、それは見事に真逆の物だった。


だが、今その2つは協力関係になろうとしていた。



「それで早速だが、何で急に昨日攻撃してきた?」


俺は一番の疑問だった。


「あなたが光っていたから」


彼女はそう答えた。


光っていた、と言われ思い出すのはあの言葉。


『明るいのは嫌だ』


もしかしてそれと関係があるのか。


「明るいのが嫌いって言ってなかったか?」


俺はそれを確かめるためにそう聞いた。


すると彼女は一気に顔を暗くした。


前髪の上からでも分かるくらいに。


「あ、いや、言いにくい事ならいいんだぞ」


俺はそう促した。


「いや… 大丈夫。折角だから話しておきたい」と彼女は言って全てを語り出した。




これは私が子供の頃の出来事。


私には5歳くらい年が離れたお姉ちゃんが居た。


「杏奈! こっちだよー!」


そう綺麗な黒髪のお姉ちゃんは私の少し前を走りながら言う。


「待ってー!」と私はお姉ちゃんを追いかけながらそう言った。


今、私達は夜に私達が住んでいるマンションの屋上に行こうとしていた。


星空を見に行こうとお姉ちゃんに言われて、私は星空なんて興味なかったけど、大好きなお姉ちゃんと見るなら何でもよかった。


それで屋上に着いて、私達は星空を眺めていた。


「綺麗だねー!」とお姉ちゃんは目を輝かせながら言った。


私はそんなお姉ちゃんが綺麗だなと思っていた。


「うん…」と私はお姉ちゃんを見つめながら頷いた。


そんな時だった。


屋上のドアが急に開いた。


そこから出てきたのは警備員の人だった。


「君達、そこで何をしてるんだ!」とその人は夜だったから懐中電灯を私達の方に向けてそう言ってきた。


私達はその光に目が眩んだ。


私は目の前に手を出して光を遮った。


そんな時、急に警備員の人は「おい!」と叫んだ。


私何もしてないのに…と思って、私はお姉ちゃんの方を見た。


けど、そこにお姉ちゃんの姿は無かった。


「お姉ちゃん…?」


まさかと思って私は落ちないように、下の景色を見た。


するとそこには、破裂したように体が飛び散っていた姉の姿を見つけた。


私はあまりの出来事に理解が出来なかった。


数秒ほど考えてやっと理解が出来た。


光で目が眩んで落ちて死んだ。


その瞬間、私は涙が溢れ出した。


「お姉ちゃあああああああああん!!」


ずっと私はお姉ちゃんと叫んでいた。




「それ以来私は光を見ると、お姉ちゃんの事を思い出して…怖くなるの…」と彼女はその嫌な思い出と理由を全て語ってくれた。


「そういう事だったのか…」


俺は理解して同情した。


そんな話を聞いて、俺も執事の彼女の事を思い出す。


今の俺が強盗を見たら、怖くなるだろう。


それと同じような状態だ。


そう思うと、彼女の気持ちはよく分かった。


「そういう事なら君の前で、この力は使わないよう気をつける」


俺は彼女にそう告げた。


「私のためにそこまでしてくれるの?」と彼女は聞いてきた。


「当然だ、仲間なんだからな」


そう俺が言うと、彼女は嬉しそうな顔をしていた。


「でも…」


彼女は悩んでいるような顔でそう話し出した。


「私はこれを治したいと思ってるの…」


彼女の前髪の隙間から見えた彼女の瞳は、真っ直ぐに俺を見ていた。


「治すってどうやってだ…?」と俺は疑問に思ったから言った。


「それは考えてないけど… でも、このままじゃ駄目だと思ってるの!」


その彼女の思いは真剣なものだった。


俺はそれに仲間として応えようと思った。


「何が出来るかは分からないけど、俺に出来る事なら助けてやるよ」と俺が言うと彼女の顔は明るくなっていた。


彼女の明るい笑顔はとてもその容姿からは、想像出来ないほど眩しい物だった。


「折角の綺麗な顔を何で隠してるんだよ」


口説いてる訳ではなく、素直に思った事を言って、彼女の前髪を掻き分けた。


「いやぁ!!」と彼女は急に俺の手を払い除けて、


座り込んで頭を抱え込む。


「この前髪は光を少しでも遮るためにやってるの…」と彼女は座り込んだまま話してきた。


あぁ、そういう事だったのか。


…ん?


「その様子じゃ治せそうに無い気がするんだが…」と俺は気になった事を言った。


すると彼女も気付いたようで、急に冷静になる。


「こ、これはお洒落だよ?う、うん、お洒落」


いや、今光を遮ってるって言っただろ。


本当にこの調子で治せるのか…


そう思いながら俺は溜め息をついた。


するとそれに気付いた彼女は、「ちょ、本当だよ? お洒落だからね?」としつこく言ってきた。


「そうだな。明所恐怖症が治るのは当分先だな」と俺は言ってクラスに戻った。


後ろからずっと彼女は「お洒落だ」と言ってきていたが、スルーしていた。


でも、正直こんなやり取りをしたのは初めてで、今までまともに会話をしたのは坂本だけだったから凄い嬉しかったが、それは表には出さなかった。



次回は杏奈の明所恐怖症を治そうとする話です。

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