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Javaで学ぶ魔法入門  作者: つむらてんほ
最終章 最後の死闘
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死闘3

 ジョージは石化し、ゴーゴンの首により隔離地帯となったこの場所で、二人の彫像は永遠の時を過ごす。

 そんな結末(バッドエンド)にはならなかった。

 ゴーゴンの視線を受けてもジョージは石化しなかったのだ。

「なぜだ」

 直接的な理由はわかっている。

 59秒後、AirHold1により元のAirHoldのロジックと同じく、再度-200の土属性が付与されたためである。

 だが、その再発動のために必要な400MPは残っていなかったはずだった。


「java Status」

 ジョージは恐る恐る自分のステータスを見、驚愕した。

『MP:756/767』

 ほぼ最大値に近いその値からMPは増え続け…………

『MP:768/767』

 ついに現在値が最大値を上回るという逆転現象を目撃することになった。

「なぜ…………ああ、ああ、そういうことか!」


 ジョージは自分の異常なまでの魔力回復が固有能力によるものだと思っていた。

 だが、それは違ったのだ。

 200分=12000秒で100%回復ということは、1秒あたりの回復量は総MPの1/12000。ジョージが1秒で回復するMP量から逆算すると、その総MP量は…………

「俺のMPはShort.MAX_VALUE、32767なのか。それが下三桁表示にフォーマットされてたのか」

 ついにジョージは真相に辿りついた。

 ジョージの固有能力。

 それは、表示し切れないほどの(チートな)魔力だったのだ。


 ゴーゴンの首からは相変わらず石化の力が放たれているが、それはEarthElement(-200)によって無効化されており、そのAirHold1の400MP/分が切れるまで1時間以上ある。

 その間に結界も効果が切れるだろう、イザリーやPGを抱えて逃げることだってできるのだが、ジョージは決着をつけることを選んだ。

「java AirHold1」

 一瞬だけ多重掛けし、すぐにキャンセルした魔法により足の石化が解けたのを確認すると、ジョージは脳内エディタを起動してコードを記述しながらゴーゴンの首へと近づいていく。

 危険を察知したのか、じりじりと後ろに下がるゴーゴンだが、首だけのその速度はジョージより遅い。


「public class …………」

 脳内エディタで記述するコードが、自然と口から洩れた。


「public static void main(String[]args){」

 記述するコードの構想はできていた。


「Magic.getTargetObjectList().parallelStream().filter(o->o instanceof Creature)…………」

 もはや定番となった、対象を生物に限定するコード。


「findFirst()…………」

 生きている者はもはやゴーゴンの首しかいないのであれば、最初に見つかった生物を対象にするだけでいい。


「addElement(new EarthElement(1000));}}」

 ゴーゴンの首に、1000という値の土属性を付与する。


 そこに辿りつく頃には、たった一行(ワンライン)のシンプルなコードが完成した。

Magic.getTargetObjectList().parallelStream().filter(o->o instanceof Creature).map(o->(Creature)o).findFirst().get().addElement(new EarthElement(1000));

「レジストできるものならしてみろ。これで本当に終わりだ!」

 ゴーゴンの首に触れたジョージは魔法(聖句)を唱える。

「java TheEnd!!」

 それは、ジョージの20000MPと引き換えにゴーゴンの首を最も硬い物質(ダイヤモンド)に変えた。

 ジョージはその巨大なダイヤモンドの塊を持ち上げると、石となった床に叩きつけた。


 砕け散るダイヤモンドが文字通りダイヤモンドダストとなり、それはきらきらと輝き、そして、今度こそ決着がついたのである。


下三桁表示のために

String tgt=" "+13;

System.out.println(tgt.substring(tgt.length()-3));

とか、とんでもないコードが書かれているようです。


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