死闘2
ジョージらしからぬミスだった。
石化したイザリーを見た瞬間、ジョージはイザリーの元へ、すなわちゴーゴンの射程内に駆け寄ってしまったのだ。
首だけとなったゴーゴンがジョージに向く。
そのとき、ジョージの前に飛び込んだ影があった。
ブレスレットから人型に戻ったPGだった。
「ジョージ、完全石化する前なら自分に土付与すれば石化は防げますし戻せますのよ!-200くらいで!」
ゴーゴンの視線は見たものであれば魔法ですら容赦なく石化する。
ましてや魔道具であるにも関わらずObjectとしてはCreatureと鑑定されるPGであれば、当然石化からは免れなかった。
ジョージは脳内エディタを起動し、自らにEarthElementを付与するコードを記述するが、ゴーゴンの石化攻撃は止まらない。
今はPGが盾となっているが、それも時間の問題だった。
しかし、ジョージは焦りのあまり、スペルミスをしており、コードはコンパイルできていなかった。
「ジョージ!弱点は土!あなたの魔力を信じるですの!」
という言葉を残してPGは石化し、もうしゃべることはない。
(どこだ、どこが間違っている!)
コードを必死で見直すジョージ。
PGが石化した以上、次のターゲットはジョージである。
(間に合わない!)
やっとスペルミスを発見し、修正コンパイルしたジョージだが、呪文を唱える前にゴーゴンの視線を受け左足が石化した。
「java AirHold1」
時間がないために名前が適当な土付与魔法が発動し、ジョージの石化は止まるが、左足は石のままであり動くことができなかった。
「げ!」
ステータスに表示されたジョージのMPは370。-200の風付与で消費したMPはなんと400MPである。
少しでも魔力回復量を上げるため、ジョージは慌ててステータスの魔法を解除し計算する。
ジョージの魔力回復量は1秒で3MP弱という破格なものだが、それでもこのままではじり貧になる。
「くそ!」
イザリーもPGも石化し、あと1分も経たないうちにジョージも石化するだろう。
足が石化しているため、逃げることすら適わない。
もっとも、ジョージには石化したイザリーを置いて逃げるなどという選択肢はない。
「この一撃にかけるのか…………」
脳内エディタを起動し、コードを記述する。
時間がないため、以前に検証用に作った”マリーたんの魔法”のFireElementをEarthElement(-200)に書き換え、コンパイル、そして
「java FireBalls」
自らを盾にしてゴーゴンからの視線を隠した、名前とは関係のない負の土属性魔法を持った直径20cmの球がゴーゴン目掛けて飛んでいき、直撃する。
しかし、確実に命中したにも関わらず、何も起こらなかった。
「な、逆だったのか!」
ゴーゴンの性質から弱点は負の土魔法と考えたのだが、正しい弱点は正の土魔法だったのだ。
この魔法で消費した魔力は少なくとも400MP、ジョージの残りのMPは残り少ない、もはや石化を中和する術はない。
「イザリー!」
せめて石になるなら一緒に。
ジョージは左足を引きづりながら石化したイザリーに駆け寄った。
そして、60秒が過ぎた。
AirHold1で400消費し、FireBallsで400使用すると800MPとなり、ジョージのMP767を超えていますが、ジョージは時間ぎりぎりでFireBallsを使用しているため、その間にMPが回復しています。




