戦争3
「ぐっ」
急降下でグランデに接近するジョージはその中空で一瞬何かの抵抗を感じて思わず声を漏らすが、そのまま一気に下る。
「「java EnchantAir」」
ジョージはイザリーのブーツに、イザリーは愛刀にかけた魔法がハモり、着地と同時にAirHoldが解除されたイザリーは瞬時にグランデを守っていた四人のエルフを切り捨て、グランデに向けて剣を構えた。
近くにグランデを守る兵はもういない。
「積みだな。投降しろ」
驚愕しているグランデにジョージが降伏勧告する。
「な、なんで結界を破れる!あれは原初の十人の固有魔力を弾くんだぞ!人族であれば通れないはずだ!貴様何者だ!」
『原初の十人というのは人族の始祖ですの。全ての人族はその十人の子孫ですの』
PGから説明を受けて理解したジョージは答えた。
「あー、そりゃ抜けるわ。俺はその原初の十人と関係ない、転生者だからな」
「えええええーーー!」
驚愕したのはイザリーだった。
「なんでお前が驚いてるんだよ!知ってただろうが!」
「聞いてないですよ!」
「え?」
ジョージはイザリーとの出会いから今までを振り返ってみた。
狸族と戦ったとき、イザリーは気絶していた。
PGが暴露したとき、イザリーはいなかった。
マリーたんの話のとき、イザリーは鼻歌を歌っていた。
ミリアとの再会のときも、イザリーはいなかった。
「ほんとだ!」
今度はジョージが驚愕する。
「java FireMissile!」
その隙を突いて、グランデが魔法を唱えた。
「java CommonMissile Water 0」
対してジョージが唱えたのは、今回の戦いのために開発した、引数をenumで解釈することでElementと効果を付加する”汎用魔法”である。
2つの魔法が対消滅する。
「java MagicMissile!」
「java CommonMissile Magic 10」
またもや魔法が対消滅する。
「java…………くっ!」
さらに呪文を唱えようとしたグランデだったが、イザリーが切りかかったため、詠唱を中断して手に持った杖で剣を防ぎ、致命傷を避けるが、身代わりとなった杖は綺麗に切断される。
「これでわかっただろ、降伏しろ」
イザリーに剣を向けられ、魔法の詠唱も封じられたグランデに、もはや打つ手はないように思われた。
「ふ、ふはははは!」
突然笑い出したグランデに気でもおかしくなったのかと思いつつ、ジョージもイザリーも警戒は解かない。
「私をここまで追い詰めるとは、さすが”転生者”。だが、まだ終わりではない!」
「やーっ!」
グランデから肉眼でもわかるほど湧きだす膨大な魔力を感じ、説得できないことを悟ったイザリーが愛刀でグランデを袈裟切りにするが、グランデはそれをぎりぎりでかわすと懐から黒い宝玉を取り出した。
グランデの魔力が黒い宝玉に吸収されると、そこから閃光が迸り、ジョージとイザリーは閃光に弾き飛ばされる。
「切り札は最後まで取っておくもの…………ぐ、ぐぁぁ!」
閃光が収まり、薄目を空けた二人の目に映ったのは、干からびたグランデと異形の怪物であった。




