PG、4つ目の能力
「ギォォォォ!」
ハイノウンから北西、馬車で半日ほどかかるレイン大森林にモンスターの断末魔の叫びが響いた。
「これ頼んだ」
「お安い御用なのよ」
たった今、イザリーがシルクラで仕留めたA-ランクモンスター、ハイパーゴールデンストーンゴージャスシルバーウルフにPGが手をかざすと、それは一瞬で消えた。
PGの中に保存されたのだ。
「java AirHold,java AirHold,java Fly」
本日の仕事を終えた一行は、ジョージの魔法で空を飛ぶ。
ハイパーゴールデンストーンゴージャスシルバーウルフの新鮮な脳は末期癌の特効薬であり、指名依頼を受けたのだが、A-ランクモンスターともなると首都近辺には居ないため、Flyで遠出していたのだ。
「ねえ、PGちゃん、気になっていたんだけど」
ハイノウンまでの3時間ほどの道のりを半分ほど行ったところで、イザリーがPGに話しかけた。
ジョージが少し驚いた表情をした。
というのも、どうもイザリーはPGと性が合わないらしく、この二人が会話することは珍しいのだ。
「なあに?」
「あの、すごく言いにくいんだけど、飛行中スカート抑えないと、見えちゃわない?」
イザリーは動きやすいようにシャツの上にソフトレザーアーマー、ソフトレザーのスカートという出で立ちではあるが、乙女の嗜みとしてスカートの下にタイツを履いて見えないよう対策をしている。
ところが、PGの恰好は象さんフード付きのパーカーに青いミニスカ紺ニーソで固定されており、もちろんタイツやレギンズなどは履いていない。
その状態で空を飛べば確かに見えてしまうだろう。
実はジョージは人状態のPGと一緒に飛ぶときはスカートの中を見ないように気を使っていたのだが、イザリーはそのことに気づき、ジョージの代わりに聞いたのだ。
だが、PGの回答は
「大丈夫ですの。絶対見えないですの。見えるわけがないですの」
「やけに自身満々だな。まあ見えたとしてもどうせ青い象さんプリントのお子様パンツだろうが」
ジョージに苦笑しながら言われ、PGは憤慨しながら答えた。
「そんなお子様パンツなんか履くわけないですの!」
「じゃあ、かぼちゃパンツか?」
「だーかーらー、そんなパンツ履いてないですの!それでも見えるわけないですの!だって」
PGはそこで溜めを作ると
「ボク、パンツ履いてないから!」
「ちょっと待てや!」
思わず叫ぶジョージ。
「大丈夫ですの。たとえこうやってスカートを捲ったとしても」
PGがいきなり自分でスカートを捲ったため目を逸らしそこなったジョージだが、偶然にも鳥がジョージとPGの間に入り、肝心な場所は見えずに済んだ。
さらに、偶然にもジョージがFlyで向かう方向に沿って飛行機雲が発生し、ジョージとPGの間に入り、肝心な場所は見えない。
唖然とするジョージに対して、PGはドヤ顔で言った。
「ほら、ボクには固有能力、絶対領域があるから見えませんの!」
「なんて無駄なハイスペック!」
ブレスレット変身、アイテムボックス、知識に続く、PG4つ目の能力であった。
自分でもクリスマスの日にぶちこむ話か、という気はする。




