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Javaで学ぶ魔法入門  作者: つむらてんほ
第五章 PG迷宮編
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計略!PG迷宮

「こっちに岩!」

「ほいほい、java Sand」

「サンキュー!」

 ツルハシを振るって土木工事を行っていた騎士の声で、近くにいた土系魔法の使える冒険者がやってきて、岩を砂に変える。

 どちらも全身土で汚れている。

 この10日間行われている、PG迷宮近くの大掛かりな土木工事では見慣れた光景である。


「はーい、お昼ですよー休憩しましょう!」

「おー!今日はなんだ?」

 エミリアを含めた、ギルド受付嬢達が猫車で弁当を運んでくると工事現場から歓声が上がった。

「唐揚げ弁当と魚フライ弁当、ミックスサンドウィッチ、早い者勝ち!」

 一部を除いて作業の手を止めた冒険者や騎士、魔法使いが、殺到しつつもきちんと並んで昼食を受け取っていく。

 最初の頃はやはり列を乱すものもいたが、配給係からのクレームを受けた現場監督が放った、

「列を乱したものはエルリック(セクハラ野郎)と同じ目に遭わせる」

という言葉を聞いてからは、列を乱す勇気のあるものはいなくなった。


「何が余っている?」

「魚フライです」

「じゃあそれで」

 最後に弁当を受け取った現場監督(ジョージ)は、当然のように工事現場横に敷かれた御座の上、イザリーの横に座って弁当を広げた。

「ミウラーさま、そろそろ終わりそうですね」

 早速イザリーが話しかける。

 どこかで鳴いている鳥の声を聴きながら魚フライを齧っていたジョージが答える。

「ああ、やっと終わるな。あとは乗り物が間に合うかだ」

「ビビランテさんが今日、試運転されるっておっしゃってました」

とジョージに伝えたのは、これまたジョージの隣という定位置でお行儀よくサンドウィッチを食べ始めたエミリアだ。

 言っておくが、別にエミリアがジョージに気があるというわけではない。

 ギルド人気ナンバーワンのエミリアは、食事の時間ですら冒険者や騎士からの熱い視線や楽しいお話し(ナンパや口説き)から逃れられず、休む暇がなく、それを見て取ったゴフランが提案したのがジョージの横、という位置だったのだ。

 ジョージはエミリアにまったく興味がなく(とエミリアは思っている)、見向きもしないし話しかけても来ないが、恐怖の現場監督(ジョージ)の側で狼藉を働くような勇気のあるものなど現れていない、いや、知らずにイザリーにちょっかいだした(の尻を触った)せいで拷問マジックミサイル…………きっちり5秒ごとに3分に渡って攻撃し続ける合計36発のマジックミサイル…………を食らったエルリック以来、現れていない。

 まさにエミリアの望み通りの場所だった。

「そうか。情報感謝する」

 いまだにエミリアの美貌を直視できず、礼だけ述べるジョージだった。


 ジョージたちが行っているのは、ジョージの立案した秘策、PG迷宮攻略作戦である。

 この作戦を聞いたとき、ほとんどの者が無理無茶無謀と反対した。

 だが、その場で挙がった反対意見にジョージが述べた対策を聞いていた”無敗の軍師”マーロックが、『可能性がある』と述べたことで、状況は一変した。

 これはジョージ対策のときに見せたとおり、実際は世に知られていないだけで既に存在していたのだが、冒険者ギルドと王国騎士団、宮廷魔導師の連絡会が設けられ、その日のうちに協力体制が整い、翌日からは攻略作戦が開始された。

 それがこの土木工事であった。


「さて、そろそろ一杯になるか?」

 ジョージの目の前にあるのは、直径80センチほどの金属の筒である。

 この筒はウカンムリ状で両端は塞がれており、長い方の片端は階段に沿って迷宮の地下一階に、短い方の片端はPG迷宮の外に掘られた穴に置かれていた。

 その筒唯一の出口は、筒の中央上部に設けられており、ジョージはそこから中を覗き込み、だいぶ溜まってきた中身…………水を見ていた。

「まだか。java Water11」

 やる気の感じられない名前の付けられた魔法が発動し、パイプ(Object)(Water)が注ぎ込まれていく。

 もう何度目かわからないほど繰り返された光景だが、その作業も今日中にはパイプが水で一杯になり、今覗いている穴も溶接されることになる。

(まだ乗り物は完成していないようだが、あちらは遅れてもいい、明日には作戦を開始するか)

 ジョージは再度Water11を唱えながら思考するのだった。


ダンジョンどこ行った

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