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Javaで学ぶ魔法入門  作者: つむらてんほ
第四章 イザリー成長編
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試合前夜③

「んじゃイザリーちゃん、本番いくよ」

「なんですか、その本番て」

とベッキーにツッコミを入れながらもイザリーはよろよろとジョージの右隣りに座り、エールを手に持つ。

「本番のかんぱーい」

「かんぱーい」

 両手にカップを持ったイザリーがエールを一口だけ、舐めるように飲む。

「あー、この子はあんまり飲めないんだ。これで許してやってくれ」

 すかさずフォローするジョージ。

「うちら無理に勧めたりはしないから安心してね。今日でちょうど一週間?疲れてるでしょう」

 イザリーの右のベッキーがイザリーに微笑みながら語りかける。

 ”†きらめき†”も、いや、”†きらめき†”だけでなく、酒場に居るほぼ全員の冒険者もイザリーが今の時間まで何をしていたか知っているのだ。


 まだ一週間、されど一週間。

 ギルドの常連であれば彼女の頑張りを知らないものはいない。


 イザリーはギルドの訓練所で文字通り血を吐くような特訓を受けていた。

 これはジョージがやらせたことではない。

 イザリーが、自ら願ったことだ。

 イザリーは、自分がジョージにとって”お荷物”にしかなっていないことを自覚し、ジョージがそのことを気にしていないこともわかっていたが、それでも負い目を感じていた。

 そのため、マーロックに相談したところ、マーロックもイザリーが足手まといになることでジョージに危機が及べばトッサムの損失になると判断、これを快諾すると、即ギルドの訓練所を予約、しかも自分の権限で講師まで用意した。

 フリントである。

 現在、フリントは”公務”としてイザリーを鍛えている。

「で、どうだ?」

 追加注文した定食…………パンとシチューにサラダに舌鼓を打っているイザリーにジョージが話しかけた。

「んー、受け流し(パリー)は10回に9回は成功するようになったのですけど」

「フリントさんが手を抜いて、だよね?」

 ポッキーが念のために確認すると、イザリーは首を振りながら

「フリントさん、”俺は手抜きできるほど器用じゃないし、手抜きを受けても練習にならん”っていつも全力ですよ。おかげで最初は手が痺れて、ごはん食べるのが大変でした」

 イザリーの言葉に、周りの冒険者達がざわついた。

「そこそこできるようになったな。偉い偉い」

 イザリーはジョージに頭を撫でられて一瞬喜色を浮かべたが、ためいきをついて

「でも、攻撃はまだ20回に1回くらいしか当てられませんから」

「そうか、慌てなくていいからな」

「ちょっ、ジョージさん、本気で言ってるんですか?」

 ポッキーが割り込んだ。

「急がせて怪我でもしたら元も子もないだろ」

「いや、そうじゃなくて、あの(・・)フリントさん相手に20回に1回でも当てるって、どんだけ凄いかわかってます?」

「フリントって強いのか?」

「強いって、ありえないくらい強いですよ。正直信じられません」

「残念ながら事実だよ。あ、ねーちゃんエールくれ!」

 ちょうどフリントが戻ってきて、そう言うと同じテーブルに座った。


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