表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Javaで学ぶ魔法入門  作者: つむらてんほ
第一章 カーガ城脱出編
2/64

最新 はじめての転移

文中で三浦は「異世界転生」と言っていますが、実際は「異世界転移」です。

彼の知識の中に「異世界転移」がないため、「異世界転生」と言っています。


 白い光に包まれる感覚。

 それが三浦が最初に感じたものだった。

 圧倒的な光量にも関わらず、不思議と眩しくはなかった。

 光は徐々に薄れていき、それが消え去ったとき、三浦は見知らぬ部屋に立っていた。

 あたりを見渡すと、最初に目に留まったのは巨大なステンドグラスだった。

 ステンドグラスの前には赤い王座が2つ。

 30畳程度の部屋だろうか。

 あたりを見渡すと壁にはペナント(と三浦は認識したがタペストリー)、床には赤い絨毯。

 嗜む程度にしかしていないがRPGの王の間そのままだ。

 玉座の反対側には重厚な両開きの扉が見えた。

 ただ、よく見れば王座もテナントも絨毯も薄汚れ、ところどころに解れが見て取れる。

 足元には怪しげな魔法陣が描かれており、その周りに豪奢な衣装に身を包んだ男女、白いローブを羽織った者---うつ伏せのため性別はわからない---が倒れていた。

(あーあれか、異世界転生って奴か)


 三浦はプログラミングジャンキーとはいえ、人付き合いもあるのでアニメくらいは多少は見る。

 もちろんプログラミングしているディスプレイの横のサブディスプレイで掛け流す、”ながら見”だが。

 ライトノベルも通勤途中にスマホで見ることもないわけではない。

 読みながら頭の中ではプログラミングについて考えていたとしても、だ。

 だから理解した。

 これは異世界転生だ、と。

 当然、自分がそんな目に遭うとは思っていなかった。

 なにせ適性がない。

 魔法が使えるわけではないし、剣術や武術ができるわけでもない。

 なにせ中学からずっとプログラミング一筋なのだ。

 絶世の美男子というわけでもない、良く見積もっても普通という評価しか得られないだろう。

 もしステータスというものがあるなら知力以外は全て平均より低いだろう。


(魔法陣ということはファンタジー系か…………残念すぎる…………)

 三浦は深い悲しみに包まれていた。

 なぜなら、ファンタジー系である以上プログラミングはできないだろうからだ。

 どこまでもプログラミングジャンキーなのであった。

(さあどうしたものか)

 状況を把握したくても、起きている者がいない。

 耳を澄ませばあちこちで金属と金属がぶつかりあう音が聞こえていることから、恐らくこの城らしき場所が戦場となっていることは間違いなさそうだった。

「鑑定!」

 唐突に三浦が叫んだが、何も起こらなかった。

「あれ?」

 三浦の知識では異世界転生では主人公はみんな鑑定というスキルを持っているはずだった。

「京とか垓とか穣とか、そんな奴、今の状況を教えてくれ!」

 何も起こらない。

 三浦の知識では、そんな単位っぽいものがチュートリアル的に色々なことを教えてくれるはずだった。

 そこから得られた結論。

「つまりあれか、俺、モブか。勇者と同じように異世界から召喚されてきたのに、勇者の強さ引き立たせるために殺される役かよ。なんてこった」

 深いため息をついていると、倒れている白ローブが揺れた。

 どうやら生きているらしい。

 最初に生存確認くらいしろよと思わないでもないが、三浦には召喚の代償は魂だ的な偏見があったため、三人は死んだものと思っていたのだ。

 顔を起こした拍子にフードがはだけて顔だけが見えた。

 金髪ショート、若干垂れ気味の目は碧眼、幼いが整った顔立ちは、どこぞの児童向け人形のようだ。

 年齢はわからないがそれほど高くはない、ティーンエイジといったところだろう。

 渋谷あたりを一人で歩いていたら、10メートルおきにナンパされるだろう、そんな美少女と目が合った三浦は、とっさに目線を逸らしてしまう。

 なにせ彼女いない歴=年齢の童貞であり、核家族故に姉も妹もいない。

 年に一度会う、生命保険のお姉さんと話すだけでもどぎまぎするようなほど女性耐性がないのだ。


「あの………」

 少女がおずおずと三浦に声をかけた。

(おお転生のお約束、日本語!助かった!)

 三浦の語学力は特別劣っているわけではない。

 特に英語に関してはかなり高いスキルを持っている。

 ただし、英文で技術文書を読むためであり、一般会話ができるわけではない、という残念さではあるが。

「あなた様は魔法できますか」

「え?」

 もちろん三浦は生粋のプログラマー、魔法どころかマジックすら小学校のクラス会で見せた簡単なトランプ手品くらいしか経験がない。

(まてよ、もしかして転生ボーナスとやらでできるのか?)

 しかし自分の中に魔力は感じないし、鏡が無いためちゃんとは見られないが、身長も体重も変わった様子はない。

 シャツをめくって確認したが腹筋が割れてたりもしていない。

 三浦は試しに床を殴ってみた。

「いたたたた」

 なんか魔力でばーんと地面が割れるとか、そんなのもない。

「あの、あの???」

 俺の行動に驚いたのか少女の目が見開いている。

 冷静に考えてみれば確かに今のは奇行すぎた。

「いやできないみたいだけど、もしかするとできるのかも」

 なんともあやふやな回答であったが、魔法のない世界から来たのだから仕方ない。


 微妙な空気をフォローしようとして

「何かこう、魔法が使えるかわかるような方法ないのか?」

と聞くと、少女は一冊の本を懐から取り出すと、三浦に言った。

「じゃあ、これは読めますか」

(手、ちっちゃい!白い!)

 いや、見るのはそこじゃない、と三浦が本を手に取る。

 『マリーたんの魔法入門』と書かれたその本の表紙にはマリーたんだろうか、フルカラーで萌え絵の女の子が描かれており、三浦はなんと反応したらいいのか困りながらもページをめくった。

『最初の魔法

 脳内エディタを起動したら、以下のとおりに打ってね!

public class HelloWorld{

  public static void main(String[] args){

    System.out.println("Hello World!");

  }

}

「Javaかよ!!!」

 三浦が叫ぶと、いきなり黒い窓が空中に浮かび、文字が表示された。

『エラー: メイン・クラスKayoが見つからなかったかロードできませんでした』

三浦譲二という名前は、そのまま横文字表記にして違和感がない名前だったという理由で選んでいます。

ジョージ・ミューラー ほら違和感ないでしょ?

だから名前にモデルはありません。上司に三浦さんとか同僚に譲二さんが居たりしたこともありますが、関係ありませんてば。


1016/11/29誤字修正

テナント→ペナント

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] JavaはJavaでもJava Codeか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ