エピローグ
「空気だったなー。最後」
旭は昨日についての総括を独り言として吐き出しつつ、自分の席に座った。昨日で一旦の全てが片付いたからか、旭が転校して以来最高の睡眠を取れた。それを経ての学校は、何だか中途半端な気だるさと爽快感がごちゃ混ぜな感じの登校だった。
昨日を経て、坂島凛と襟山彩香の二人に新しい何かが出来たかと言うと、そんな事は無い。大塚利久の死はどうしようも無く過去の事であり、彼女達二人が乗り越えるべき過去だからだ。全ては終わり終えている事であり、今更過去を清算し、過去を振り返り、過去に幾ら想いを馳せても、何も変わる事は無い。
ただ、それでも明日を生きる為には必要な事に違いないのも確かだったのだ。
何より、二人が新しく得た物こそ無くとも、取り戻した物ならあるだろう。それはきっと何にも代え難い物だろう。
そんな感慨に一人耽りつつ、教科書を鞄から机に移そうとした所で、旭の手に先客の存在が伝わった。取り出して見ると、いつしか見たキャンパスノートがあった。タイトルは「交換ノートVol.1」。
旭は抑えきれぬ笑みを顕わにしながら、筆箱からシャーペンを取り出した。
色々力不足を感じましたが、とりあえずの完結です。
詳しくの後書きは活動報告で。
感想・ブックマーク・評価貰えると喜びます。
次回作で会える事を願って、これでお別れとさせて貰います。
それでは。