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しるし(詩集)

れぷりか

作者: さゆみ

そこはかつてだだ広い野原で雑草がツンツン生い茂り魔女の子どもたちの棲みかだった


明るいうちは茎の根本に寄りかかり欠伸をしながら魔術本を開く

たまにはバッタと縄跳びしたり

闇夜が来ればススキに股がり低空飛行でコウモリたちと戯れ

星にめがけて魔法を投げかける


“夜空がもっともっと輝きますように ”



Time goes on.



その場所には巨大なショッピングモールが居座っていた

そこへ続くアスファルトの脚は投げやりに二本突き出し

引き寄せられるように車たちは渇いたタイヤをすべらせる

人恋しい孤高な胎内は熱く発光し惹き付け媚びを売りさばく


そこに闇夜はなかった


空を見上げると星なんて一つもなかった


褐色の三日月だけが朧気に浮かび上がっては噴煙に消されてゆく


生ぬるい風が蛇行しながら強かに通り抜ける


“夜空がもっともっと輝きますように”


魔女の子どもたちの声が聞こえたような気がしたが


空はマッドな色に塗り潰され赤や紫や黄緑の光に均されてケタケタと笑っていた







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― 新着の感想 ―
[一言] ふむ。モールがあって星が見えなくなるのは確か。とても残念なこと。 ただ、モールがないと生活が困るたくさんの人たちがいて、モールがもたらす恩恵があるのも動かせない事実。 これが悪者、って一方か…
2013/05/15 21:05 退会済み
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