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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

メンヘラエゴイスト犯罪者、現在の私です。

掲載日:2013/03/16

このサイトに登録して早三年が経過しました。全く祝っていない内容です。しかし相変わらず私らしい内容です。

鬱々しくて愛されたがりの犯罪者。それをほっとけない命あるモノ。中二病みたいに思ってくだされば読みやすいかと。


では、タグに全て目を通すか何時もの私の作品を知っている方はどうぞ。気分が悪くなっても責任は一切負いません。






私の欲しいもの。

私を無視しない“何か”。

たったそれだけ。

その“何か”さえ手に入れば私の全ては確立する。

私をこれ以上壊さないように、私を今以上に大切にできるように。

例えそれが法を犯すことになろうとも私のことは押さえられない。

私は自分が一番可愛い。

だからこそ、私は私に一番甘く生きている。



とあるマンションの一室。

私の部屋は物が溢れまるで隙間を埋めるように其処ら中に物の山、谷、宝箱。

その中心には一番、私が今までの短い人生で何よりも自分の命の寿命の次に欲した大切な大事なモノが無防備に眠っている。

そのモノの高さ以上の柵を跨ぎ、自分の様々な薬品で痛めた髪を耳に掛け顔のタトゥーを晒した。

首や手首に巻いた包帯に血が滲んでいて、そろそろ取り替えなければならないなとぼんやり思いながら、そのモノの肌に冷えた指を当てた。

温かい体温はそのモノの年齢に合っていて自分の倍は高温だろう。

クッションの山の上で眠るモノを包むように被さり、スリと頬擦りをした。

「ねえ、起きて。寂しい」

「…さーくん?」

さーくんとは私の愛称だ。

まだ幼いモノには私の名前は言いづらいそうなので発しやすいように短くした。

小さな手が動いてガーゼを貼った方の頬に触れ、優しく撫でてくれる。

その上から私の醜い手を重ね、手のひらに薬品で彩った唇を当てた。

私の半分以下の範囲の手に私の口紅が移る。

「うん、さーくん。やっと起きた」

「うー…おはよう」

「おはよう。ご飯一緒に食べよ?頑張って作ったんだ。ほら」

絆創膏だらけの指を眼前まで突き付けて大きな瞳に見せ付けた。

子供特有の丸いガラスのような目は舐めたらとても美味しそうだけど、私の舌はピアスで空いているから傷つけてしまう。

残念だが目尻をなぞるだけで終わらせる。

目玉ギリギリまで触れても動かないモノは服の袖を握って首を傾げた。

私もその動きを真似してみるが直ぐに飽きて真っ直ぐに戻す。

「さーくん、またきったの?」

「うん、切っちゃった。痛かった。血がいっぱいドバドバ。でも、包帯巻くの楽しかったよ?」

「そうなの?」

「うん。今度巻いてみる?」

「まいてみたい」

「じゃあ、約束。小指出して?」

背中を丸めて先に指輪を嵌めた重たい小指を差し出す。

起き上がったモノは向き合うように体勢を変え、小指だけ上げて直前で止まった。

私の好きに変えた色の髪をフルフルと左右に振りながら眉を下げる。

小さなすこし高めの声は不安げに、僅かに震えていた。

「…かまない?」

「咬んじゃダメ?」

「イタイのヤだ」

「……私のこと、嫌い?」

ポロとカラーコンタクトを嵌めた瞳から涙が溢れる。

ボロボロに痛め付けた肌を伝いクッションに染み込む。

次々ともし音が出るのなら近所迷惑になるくらい大量の粒が私とモノの一部を濡らし湿らし汚す。

体を傷つけるのは構わない。

傷という物は時間が経てば大抵完治して何事も無かったようになってしまう。

しかし、心は慣れない。

心だけは傷痕を治せない。

癒すことはできるけど、完璧に癒えることはできない。

私の心はもう既に悲鳴をあげることすら忘れドクドクと傷口から血を垂れ流している。

大量出血で時期に死亡確定だ。

止められない。

止めることができない。

…なら、薬品で飾った指を首に突き立てて息の根を止めて死のうか。

私は私のまま他に害されることなく、私は私に殺されて幸せな天国に逝きたい。

…しかし、私には現世に未練を作った。

目の前のこの、小さな命を最後の鎖にした。

「ううん。さーくんはスキ。でも、もうかむばしょないよ?」

「…なら、我慢する。咬まないから、離れないで?私、良い子になるから」

「さーくんいいこだよ?とてもいいこ」

立ち上がり頭を抱き締めるモノの背中に腕を回して、私の体に溶け込ませるように強く強く抱き締め離さない。

キツく目一杯『苦しい』って言って押し退けようとしても無駄だ。

君は所詮“子供”という弱くて無垢で無知で何色でも大人や周りや環境によって好きに染められる生き物だ。

その髪や爪のように私のモノという印が君を永久に死んでも縛り付けて、私をずっと見ているようにする。

そうしなければ私は四六時中このモノを監視していなければ不安と焦燥とエゴにより一センチも距離を置けない。

私のモノだ。

漸く手に入れた財産だ。

私を苦しめない唯一の、人。

「さーくん、ごはんたべよ?ボク、さーくんがつくってくれたごはんたべたい。まっくろでもおいしいから」

「うん。うん、二人で食べよ。きっと美味しくないけど、温めて食べよ?さーくん、君と食べたい」

昨夜歯形を付けた肩に顔を埋めて小さな体に身を委ねる。

どんなに悲しくても人間生きていればお腹が空いてエネルギーが切れてしまう。

どうしょうもない駄目な私だって、生きている。

死と生を繰り返しながら生の水槽でもがく。


「さーくん、いいこいいこ」

「うん、さーくんいいこ。もっと撫でて」

体を抱き上げ柵を跨ぐ。

精一杯伸ばした手は望み通りに動かしてくれて、私は今日初めて笑みを浮かべた。

それを見て安心したのか、名前を知らないこの子もあどけない笑顔を浮かべた。

【オマケ】

※運命の人

さーくんはボクの運命の人。

あの日、お家はパパとママが叫んでいるから退屈で 、何時ものように大人しくベランダで雲を眺めていた。

寒い外は手足が直ぐに赤く冷たくなって、体が地震みたいに震えていた。

「……」

ふと顔を地面と平行に向けると、同じように空を見ている人がいた。

ボクとは違う日本人じゃない格好の人は包帯とか絆創膏とかで肌を隠していて、顔にお絵描きしていた。

ママみたいにピアスがいっぱい耳についてて、化粧もその人を更に綺麗にしてた。

幻想的な人。

前に辞書を読んでた時に見つけた言葉。

それが似合う人。

カッコ良くて、絵本のお姫様より綺麗。

ジッと見詰めてるとあの人がボクに気づいた。

よく見るとボクよりボロボロの服を着てて、鞄もナイフで引き裂かれたように傷だらけだった。

ボクを捕らえた、悲しげな瞳。

ボクは黒くないその瞳から目が離せなくなって、ベランダの柵の手前まで歩いて来ても動けなかった。

近くにいると血の臭いが強かった。

低くもないボクよりも高くない声が話し掛ける。

「何してるの?」

「おそら、みてたの」

「お空のついでに、私も見てたの?」

「うん。きれいだからみてたの」

「綺麗?本当に?」

「うん。あのね、げんそーてきなひと」

「難しい言葉、よく知ってるね」

「すごい?」

「うん。私、嬉しい気持ちになった。もっと聞かせて」

そう言ってベランダからボロボロの細い腕を伸ばしてボクを抱き上げた。

目の前にあるお顔はさっきは悲しそうだったのに、今はちょっと嬉しそう。

ボクも何だか嬉しくなって、ボクが知ってることをいっぱい話してあげた。

相槌を打ちながら聴いてくれるのが、久しぶり人と話すのが嬉しくてボクは夢中になっていた。

自分がベランダから離れてるのにも気づかないで、延々とさーくんとお喋りしてた。

そして、ボクが気づいた頃にはさーくんのお家に着いていた。

優しく触れてくれるさーくんにジュースを貰ったら何だか眠くなっちゃって、いつの間にか眠っていた。

それから、ボクはさーくんの“モノ”として大切に囲われるようになった。

ボクの小さな世界。

さーくんを好きになれば大事にしてくれる。

たまに痛いことするけど、パパやママより酷くない。

さーくんの言うこときいてたらご飯も欲しい物もくれる。

外から切り離された、ボクとさーくんだけの世界。

ボクは何時か、さーくんを外の世界から助けてあげるヒーローになるんだ。


三周年ありがとうございました!

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