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illumination2:ブレンド×フレンド

霜影しもかげ 遮瞳しゃどうはどこにでもいるようなごく普通の高校一年生。今年のクリスマスもいつもと変わりなく友達とクリスマスパーティを楽しんでいた。その日の夜窓側に大きなプレゼントボックスが置いてあった。誰が送ったかも知らないプレゼントを遮瞳はすぐにあけててしまう。そのプレゼントボックスの中身はなんと裸(?)の女の子!?その女の子の名前はひいらぎ 萌菓もか。とても凶暴で自分の名前以外覚えていないと言うふしぎな女の子。遮瞳達は萌菓の記憶をとりもどすために学校にいく事にした。 しかし……!?

俺は霜影しもかげ 遮瞳しゃどう。なんでかしらねーけどクリスマスに大きなボックスがおいてあって、その中には萌菓もかって名前の変な女の子が入っていた。まぁ……家とか友達とか忘れちゃったらしいからしばらく俺の家にいる事になった……。のか!?

  俺は朝の日差しにおこされた。今日は萌菓のと学校いくんだったな。萌菓はベットで気持ちよく寝ていた。

  俺は萌菓を起こさないように学校に行く支度をすませた。

……

  もう俺が起きてから約50分は過ぎた。けれど萌菓はまだ気持ちよくぐっすり眠っている。もう待てない。俺は萌菓の布団をとりあげることに決めた。

  「いつまでねてんだよ。」俺は萌菓のふとんを取り上げた。前にみえたのは萌菓の……。やべっ忘れてた……こいつ洋服なんて着てなかったな。

  「ん……?」洋服着てないんだし起きるよな……。

  「誤解だ!!」俺は急いでふとんを萌菓に放り投げた。

  「てめぇ……しねーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 

     ~~※しばらくお待ちください。~~

  

  「いってーな、なんだよ。ただ一瞬だけだったし?」

  「まだのんきにそんなことが言えるの!?しねぇーーーー」萌菓は前あいつを体中に巻いていたリボンを鞭にしてこっち側にブンブンふった。

  「落ち着け!!べつにお前のその……なんてさ……興味無いから安心しろ。」本当は別に興味無いわけじゃない。たぶん。

  「失礼ね!!」

  「じゃなんて言って欲しいんだよ!!」なんて言っても殺されるだろ?

  「フン!なんていって欲しくも無い!!しねーーーーーー!!」萌菓はまたリボンを俺の方へふった。

  「お遊びはここまでだ。」もっと大事な事がある。リボンの鞭なんて当たっても痛くないと俺は知っててそのリボンを踏みつけた。

  「……みょ?」萌菓は何も知らないように可愛く声を出した。

  「今日は学校にいくんだろ?」

  「うん……」

  「だから早く支度して……」こいつ本当に学校行きたいのかよ。

  「……どうするの?」布団に包まれた萌菓は顔を赤くしてそっぽを向いている。

  「は?」

  萌菓はじっとこっちを見て「その……制服とか……」と小さな声でつぶやいた。

  「…………」俺ら二人は無言状態になり、時計の音しか聞こえなかった。

  「…えーっと」全然んな事考えてなかった。

  「男子制服…で……?」俺は適当に言ってみた。

「遮瞳さんあなた死ぬ気満々ですね?」俺が萌菓の様子を見てみた頃には萌菓にはもう火が着いていた。

  「うっ……香澄から借りてくる!!」ひぃぃぃぃぃ……今回はマジで死んでも可笑しくないだろう。

  「香澄って誰よ?」

  「俺の友達だよ。あいつ優しいからすぐに貸してくれそうだし、家近いから。」

「ふーん。あんたには優しい友達がすくないんだぁ~。」

「そうゆう意味じゃねーよ!!女友達が少ないだけだ!」

「ふーーん。」

「じゃ…いってきます。」

「早く帰ってこないと暴れるからね~」萌菓は布団に丸まりながら手を振った。

はぁ……面倒な奴だなぁ。

朝っぱらから香澄の家なんかいくなんて……香澄に悪いな…。俺は何も考えず真直ぐ香澄の家にいった。俺は深呼吸をした後インターホンを押した。

『ピーんポーン』

「子扉ですけど……どちらですか?」

「香澄?俺だ。朝っぱらからごめんな、えっと……その……」俺は少し戸惑った。“制服貸してください。”なんて言えないよな……。香澄は女子だし……。

「霜影君!?」香澄が出てきた。香澄の家のマルチーズも出てきて俺の靴を舐めてきた。

「うん、おはよ……」

「朝からどうしたの?」

「香澄さぁ……制服まだあまってる?」正面を向いてこんな事言えない。俺は仕方なくマルチーズと靴を見ていた。あのマルチーズに舐められた靴はいつもより深い色をしている。

「制服……?どうしたの?霜影君らしくないわよ?」香澄は怪しい目で俺を見ている。

「いやぁ……その……あーーー。」

「ん?」

「麗舞が必要らしいぜ……」ごめん、麗舞。俺変なうそつきます。

「それだったら麗舞ちゃんが自分で来るか木村君が来るんじゃない?」

「う……それもそうだけど……」

「まぁ、貸してあげてもべつにいいけど……」

「サンキュ。」

「制服あまってないのよね~クリーニングしに行ったから。」香澄はしゃがんでマルチーズを抱っこした。

「……」

「ごめんね★」

「他の服でもいいからさ?」そりゃ制服じゃないと学校入れないけどないよりマシさ。

「そうね……サイズはどんなかんじ?霜影君なら大きめかしら?」

「いや、俺じゃなくて……こんくらいの奴が着るやつ」俺は手で萌菓の身長を表した。

「そんなに小さくていいの?」

そんなに小さいだってさ、フッ。誰もこいつが高校生って思えないもんな。

「それでいいーんだよ!」

「でもそのサイズの服あったかしら……?」

「……」

「捜して来るわね?」

「あぁ。」

……

「こんなのしかなかったんだけど……いいかしら?」香澄はピンクに白いウサギのワッペンが着いている服を俺に渡した。

「おK、サンキュー、今度返す。」俺は走って家に帰って来た。萌菓はふとんを巻いて俺を待っていた。家が少し荒らされてる……(どうやらカップ麺食べたいのにお湯がなくてイライラしてたらしい。)

「おかえりー」

「ただいま……ハァハァ」

「ふーん。燭灯そくどうの制服ってこんなんになったんだ。」

「制服じゃねーよ。お前みたいなミニミニサイズの服探すのに苦労したんだからな!」俺はその服を萌菓に投げた。

「悪かったわね。」その服は萌菓の頭の上に命中。

「早くそれでも着て来い。」

「はいはい……。」萌菓は少し不満の様だ。

  ……

「で、如何するの?」どうやら着替え終わったようだ。

案外萌菓があの洋服着ると結構かわいいんだ。でも“かわいい”なんて言ったらどうせ“やっぱてめぇが俺の事かわいいって思ってあの箱にいれたんだなぁぁぁぁ!”とか言われるし、黙ってよう。

「まぁ、ついて来いよ。」

香澄がだめなら麗舞しかいない。俺は萌菓をつれて麗舞の家に行った。

「ここ誰ンち?」

「麗舞って奴の家だよ。」

「ふーん。」全然興味無さそ~こいつ友達欲しいと思わないのか?

「あ、お前は俺の後ろにいろ。」

「隠れるの?」萌菓は面倒くさそうに言った。

「隠れるつもりじゃねーけど誤解されたくないからな。」

「はいはい。」

『ピーんポーン』

『ガチャ』「はいはいー」

「おはよ、麗舞。」

「遮瞳?あ、うんおはよ。何しに来たの?こんなあさ早くに。」やっぱ香澄と似た反応した。変だもんな、朝から女の子の家に来るなんて。

「言いにくいんだけど……おまえの制服貸してくれるか?」

「あはっまさか遮瞳女装するのー!?いいよいいよ貸してあげるっ」麗舞は部屋に戻って制服を取りに行った。

……女装じゃねぇーよ。

「ウキャキャ……女装だって~」うしろから萌菓の笑い声がした。

「おい遮瞳、お前麗舞の制服貸してもらってなにがしたい?」悠哉が鄙視の目でこっちを見ながら聞いた。

「あ、お前らいつのまに同居してたんだな。」なんと悠哉が麗舞の家にいたなんて…悠哉に誤解されたかも。

「同居じゃないぞ!!で、なにすんだ?」悠哉は眼鏡を上に押した。

“同居じゃないならなんだよ。”って聞きたいけどそれどころじゃないな。

「はい、遮瞳~」麗舞が笑顔で制服を持ってきた。

「待て麗舞、遮瞳なんかあやしいぞ!」やっと制服をゲット出来ると思ったのに…余計な事するなよぉぉぉ。萌菓がそろそろ我慢切れに……

「べつになにもしねぇーよ」

「ほら、何もしないだってさ。」うんうん、だから早く制服を…

「でもな麗舞、……」また余計な事を…

「なーにぐずぐずしてんのよ!」萌菓が俺を蹴って麗舞達の前に出てきた。

「だってさ……」全部悠哉が邪魔したせいだ。

「正直にいえばいいじゃない!たかが制服でこんなに時間かけるなんて」

「正直って……なんていうんだよ」

「……うんうん」麗舞も頷いている。

「だろ……」悠哉も同感のようだ。

……ってこいつら何知ってんだ?

「ねぇ~遮瞳」麗舞が興味津々でこっち向いた。

「正直にいったらどうだ?」悠哉もニヤニヤしてる。

「は?」何が何だか俺さっぱり分からなくなった。

「そうよ、べつにいってもいいじゃない。」

「もうバレバレだぞ」

「隠さなくてもいいじゃない」

何だよこの二人…さっきからなんか俺に言わせたいような……

「え?」いっそ惚け続けよう…

「“彼女が出来たって”」麗舞は思いっきり俺の肩をぶっ叩いた。相変わらずのばかぢからだ。

「そそ。」

「いや……彼女じゃな……」急いでこの二人の言葉に否定しなきゃ…

「そうよ!!こんなのが彼氏なんてごめんだわ!!こんな奴しんじまっていーのよ!!」さすが萌菓、よく言った!死ぬどころか俺の事殺したいほどだし。

「……」あの二人はしばらく沈黙した。

「はぁ……なんか遮瞳かわいそうね」麗舞が可哀相に溜息ついた。

「なにが……?」

「彼女に“しんじまっていーのよ”だってさ。」

「だからちげぇーつーの!!」あと、もう萌菓に“しね”って言われるの慣れた。

「クスクス……」なんでそこで麗舞が笑うんだよ!

「ってことで、こいつ制服無いからかしてやってくれ。」フン、さっさと話題変えてやる…。

「燭灯の?」麗舞は制服を見ながら言った。

「ああ。」

「……」麗舞は少し考え事してる。

「はやくしなさいよ」萌菓が不満に言った。

「あ……この子私達と同じ高校のなんだ」麗舞がさっき考えた事ってこれか。

「同じ高校のなんだ……」悠哉も半信半疑だ。

「俺もこの前同じ反応だったぜ、チビだから。」

「チビで悪かったわね!!」

「怖っ」あの悠哉がびびってる…!

「麗舞、貸してくれるよな?」

「うん、取りに行くね」麗舞は部屋に入って制服を取りに行った。

「……早くね。」萌菓は足をグリグリしてる。

……

「はい、どうぞ」麗舞は笑って萌菓に渡した。

「……」萌菓は何も言わず麗舞の手元から制服を取った。

「おい、萌菓おまえお礼言えよ。」萌菓って礼儀正しくないな。

「いやだ。」

「なんでだよ」

「遅かったから。」

「……おまえさぁ」

「へぇ~この子モカって言うんだぁ~かわいい❤」麗舞は萌菓をなでた。

「うん、可愛いよな。」俺も萌菓をなでた。俺もそれには認める。こいつは確かに可愛い美少女だ。

「フン、やっぱり。」萌菓はそっぽを向いた。

「なにが?」

「変態!」そういって萌菓は俺の手を叩いた。萌菓なんかすごく気分が悪そうだ。

「なんだよ、俺ただ可愛いって言っただけだよな?」かわいいってほめコトバだよな?俺なにもしてないんですけど。

「うん……」麗舞はうなづいた。

「てめぇいつから可愛いって思ったの?俺のこと……」

「最初からだけど?」俺は普通に答えた。

「ほらね、やっぱり俺に手を出したのはてめぇか!しねーー」萌菓は俺に襲い掛かってきた。

「おい!なんでそうなるんだよ!!」

「“俺”っていったよね?」悠哉は少し小さな声で麗舞に言った。悠哉は何も知らない。

「うん」麗舞は悠哉のに答えながら俺らの喧嘩(?)を見ている。

「なによ、女の子が“俺”って言っておかしい?」萌菓はおもいっきり悠哉を睨んだ。

「いや……おかしくないけど」悠哉は両手を上に上げた。なんか警察に囚われた犯人みたいだ。

「じゃ二度も言わせるな。」

「俺一回しか聞いてないような……」

「まぁ、萌菓ちゃんって結構個性的ね」麗舞は悠哉を見て笑った。

「うん、可愛いしな。」悠哉は小さな声で言った。

「もしかしててめぇか?」萌菓は悠哉の服をつかんだ。

「えっなにが!?」悠哉のメガネはするりと地面に落ちた。

「萌菓、やめろ、こいつじゃねーよ絶対!」俺は急いで萌菓の腕をつかんだ。

「ふぅん。」萌菓は何もしてないように俺を見つめた。いや、こいつもし俺が止めなかったら絶対悠哉のこと殺してた。

「はぁ……」なんで俺が保護者みたいに……

「萌菓ちゃん部屋に行って着替えてきたら?」

「うん。」萌菓は遠慮なく靴を玄関で脱いで部屋に入っていった。

「本当にお礼言わないんだな……」

「ねぇ悠哉、さっき萌菓ちゃんの事可愛いって言ったよね……」麗舞まさか……

「あ、知ってるよ、麗舞が一番だよ❤」悠哉は麗舞を抱きしめた。

「んもぅ、悠哉ったら 私まだ何も言ってないのに…♡」麗舞は顔を赤くした。

「麗舞は本当に可愛いな❤」

「悠哉にそう言ってもらえて嬉しいよ、あたし❤」

「そうか?」

「うん……❤」

「じゃ何回でもいってやる❤」

「何回でも言って♡」

「あきるなよ?」

「うん♡」

「❤♡❤♡❤♡❤♡❤♡❤♡❤♡……」こいつら本当にラブラブだな……

「あのー、俺着替え終わったんてすけど。」萌菓はなんかこいつらがラブラブなのを見るのが嫌いっぽい。俺もべつに好きじゃないけど。

萌菓の制服姿……一応燭灯の制服着てるはずなのに…高校生に見えない…。でもミニミニでなんか可愛いな。

「あ、遮瞳。もう8時23分だし…そろそろ学校に行かないと遅刻するぞ。」

うわー俺あんなに早起きしたのにもうこんな時間!

「じゃあ一緒に学校行こっ♪萌菓ちゃんも一緒に、ね☆」

「別にどーでもいいけど。」萌菓の態度はやっぱあまり良くないな。

初めてこんなメンバーで学校行ったかも。


       ……


通学路で萌菓の元気がどんどんなくなってる事に気付いた。

「おい、萌菓。もっと早めに歩かないと4人そろって遅刻するんだけど……どーかした?」俺は気になって萌菓に聞いてみた。

「うぅ…その」

『ぐぅぅ~』萌菓のお腹がなった。

「あ、朝ご飯まだ食べてなかったな。」朝からドタバタしてたから、しかたないか。

「お腹空いて…もう歩きたくないよぉ」そう言って萌菓はしゃがみこんだ。

「じゃあ、どうする?」

「近くに超おいしい牛丼屋あるけどいこっか?」

「麗舞、そんな事したら遅刻決定だぞ?」

「でも萌菓ちゃんが歩かないならもう遅刻でしょ?どーせ遅刻するならお腹いっぱいにしといた方がいいじゃん。廊下で立たされる力だってあるし。」

「でもぉ、俺お金ないからね。」萌菓は泣きそうな声で言った。

「そんなの悠哉が払えばいいでしょ☆」

「なんで俺が払うんだよ!!」

「だって私達『友達』だもん♪」麗舞は萌菓に笑った。

「みょ…?」

「よかったな、萌菓。友達ができて。」俺は萌菓のかたを『ポン』と叩いた。

「べっ…別に“友達欲しい”なんかいってないし。」

「最初たくさんあったはずの友達が思い出せなくて泣いてたくせに。」

「うっ。」

「ほほぅ、お前らそんな過去があったのかー」悠哉はなぜか拍手している。

「お、お腹空いたし早く牛丼食べにいこーぜ!」マジで腹減った。

「あ、遮瞳!お前俺の発言無視したな!!」


   ~牛丼屋~


「えっ…ここの牛丼って800円一人分なのかよ!」800円……

「別に気にしなくていいのよ、悠哉の金だし。」麗舞は堂々と4人分牛丼を注文した。

「トホホ……俺の昼ご飯はどうするんだよ…」

「うめぇ。」萌菓の周りにはお花が咲いているように嬉しそうだ。

確かにここの牛丼はおいしい。萌菓は遠慮なくガツガツモリモリと食べている。同じ女子のくせに麗舞と食べっぷりが全然違う……つか麗舞はまだ半分しか食べてないのに箸をとめた。

「私もうお腹いっぱいだから、残り誰か欲しい?」

『!!』

「俺欲しい!」

「俺も。」

「おいおい、誰の金で食ってんのか分かってるか?俺の金で皆におごってるんだからな!」

「だから?」

「俺が食うに決まってるだろ?しかも麗舞の食べかけだぞ!!!」

「俺は萌菓のために朝からあちこち駆け回ったんだ、俺の方がお腹空いてるんだよ」

「俺がお腹空いたからここに来れたんだよ~だから俺が…」

「俺の!」

「俺のだ。」

「俺だぁぁぁぁっ」

「ちょっとアンタら、そんな風に俺俺俺俺言ったら読者が混乱するでしょ!!!しかもたかが半分の牛丼で争うなんて……まだガキね。」 麗舞が机を叩いて怒鳴った。

「今ここにいない高田も含めて皆自称“俺”なんて可笑しいだろ!」

「でも第一話でもう皆“俺”になっちゃったよ。」

「だーかーらー!今変えるんじゃん、読者の前で。」

「それアリかよ…!で、誰が変えるの?何に変えるの?」

「まずさ、女の子が俺って慣れないしもっと普通のに変えた方が…」

「嫌だ。これは俺の個性なんだ!!変える気ちっともないから。」萌菓は使ってない割り箸を半分に折った。

「悠哉の自称は私が考えていーい?」麗舞はニコニコしている。

「あぁ、麗舞が言うなら何でもいいぞ。」

「えっとね~

①オレっち

②ぼくたん

③ワシ

④ミー

⑤オイラ

⑥せっしゃ

⑦悠哉

さぁ選べ★!!!」

  「なんだこの選択はぁぁぁぁ!?①って何だよそのた〇ごっちみたいな呼び方、②と③って俺何歳だよ!④とか俺何人になってんの!どれもこれも、ちっとも俺らしくねーよ!」

  「うぅ…私が考えたの……嫌だった?グスン…」

  「あああああ、じゃ⑦でいいよ⑦で!!悠哉はこれから悠哉って自称するぞ☆」

「うわ~自分の事名前でよんでるwwwww」萌菓はテーブルの上の米粒をいじってる。

「しかたねーだろ!麗舞がグットアイデアって思うならそれでいいんだ。たとえ誰がウザイとかカオスって思ったって、麗舞が好きでいてくれるなら、悠哉は“悠哉”と自称し続ける。」

「悠哉……んもぅ、何て言えばいいばいいのか分かんなくなちゃったよぉ❤」

「悠哉はただ麗舞に“大好き”って言ってもらえればそれでいい。」

「ハイハイ♡悠哉、大好きだよ❤」

「うは☆悠哉しあわせ❤」

「たかが自称で何でこうなるんだし。バカップル……」萌菓はあきれた顔であの二人を見ている。

「まぁいいじゃないか、一個自称“俺”が減ったんだし。」

「そう言うてめぇは何に変えるのよ。」

「えっ俺?」

「思いつかないなら遮瞳も①~⑦を参考していいよ♪」

「いや、遠慮しときます。」

なんかマシなのがいいな…てか読者の前で堂々と自称の設定変えていいのかよ。皆自称が“俺”になったのって作者のせいだよな…?

他の自称なんてぶっちゃけ慣れない…同じ発音なら……ん?同じ発音!

「決めた。“オレ”」

「変わってないじゃん!!」

「カタカナに変わったよ?読者のために変えてんだから読者が分かればいいじゃん。」

「なんかずるい気もするけど…いっか。」

「そういえば勝手に高田の自称変えちゃっていいの?」

「でも誰かさんが変える気ないんだし。」

「って事で今いないんだし適当にきめよ☆」

高田って本当に俺たちの親友なんですか……?

「ヲレ。」

「ヲレ?初めてこんな自称聞いた……」

「一応“ore”って読むんだから高田も文句ないでしょ。」

「次話高田が自分の名前呼ぶ時ビックリするね。」

(なんで高田が出るのは次話って設定ができてんの!)

「じゃあ高田は自称“ヲレ”に決定!」

「賛―成――…って高田って誰よ。」

「あぁ…萌菓はまだ知らなかったな。オレの親友、学校に着いたら香澄もついでに紹介するよ。オレ、麗舞、悠哉、高田、香澄でいつもツルんでるんだ。」

「今は萌菓ちゃんも仲間入りだよ♪」

「え、なんで勝手に…」

「友達欲しいんでしょ?丁度いいじゃん。もう私達友達なんだし、一緒にいて当然だよ!」

これから家でも学校でも萌菓と一緒かよ…

あいつの事、嫌いじゃないけど。

オレの学園生活は…めちゃめちゃになるだろう。

「そういやさっきから気になってるんだけど、遮瞳と萌菓ってなんの関係だよ?」

『ぐさっ』

なんだろう…同居おぉぉぉぉ?!

後でちゃんと説明しなきゃなぁ……。

「学校に着いてから教えるよ、高田と香澄は頭良いし萌菓の事なら知ってるかもしれない。」

「じゃあ学校に早く行こう…ってもう9時57分かよ!!」

「お腹いっぱいになったら走るぞおおおおおおおぉ!!!!!」


オレ達4人はダッシュで学校に向かった。



そして半分の牛丼は冷めて放置されてる事に誰も気付きはしなかった。


遮瞳達はついに学校に行く事に……そして萌菓が学校で大暴れ?はたして萌菓に関する事は何か分かるのか……?萌菓の正体はいったい何者なのか?

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