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37話 禁断の混淆

キャンプに行き、デジタルデトックスをしていました!投稿が遅れてしまい申し訳ありません!

「……だいぶ話が脱線してしまいましたね」


 シューツェン氏は魔王様に許可を受けて時間をもらったものの、魔王様自身が話に入ってきてしまったことで少々ややこしいことになってしまっていた。

 いやまあ色々有益な新情報もあったわけですが。


「おっと、そうじゃった。シューツェンが話す時間であったな。わしのことは気にせず、続きをば」


 シューツェン氏は魔王様に軽く会釈をし、こちらに振り向くと、


「さて、テンユのことであるが……まずテンユは正真正銘、我輩の娘だ。義理などでは断じてない」


 シューツェン氏は強い語勢で私たちに言い放った。


「……しかしなぜテンユちゃんにはシューツェン氏や魔王様のように角が生えてないんですか?」


「実は……テンユは人間とのハーフであるのだ」


 魔界人と人間のハーフ?!どこかで聞いたことのあるフレーズ……。


「ハーフ?!まあ同じ起源なら交わることも不思議ではないか……」


「魔界人と人間のハーフなんておとぎ話の中だけだと思っていたのだよ!」


 リンは自分の言った言葉をいちいち記憶してはいないらしい。適当に会話しているんだろうか。


「……ということはウシンジョーという姓はお母様の?」


「ああ、もう聞いたかもしれないがテンユの母親は既に亡くなっている。だからこれまで我輩1人で育ててきた。テンユは我輩の血が入っている故、一応魔界人ではあるのだが角も生えてこない。だから人間として育てよう、と思ったのだ。その方が生きていきやすいだろう。そのためそちらの世界の姓、もとい人間であった母親の姓を名乗らせている……テンユにとってその姓は母親の形見みたいなものだからな」


 なるほど。魔界人にしても角はないし、皆と違っているので差別されることがあるかもしれない。しかし人間として生きていく分には何も外見的差異は見当たらない。それならば、ということなのだろう。

 魔界人のハーフということを知られなければただの女児ですし、不都合も何もありません。

 お母様の姓を名乗らせるというのもよく理解できます。少しでも人間らしくいさせたいという配慮は素敵です。

 ただ……シューツェン氏は内心どう思っているのだろうか。やっぱり唯一の娘であるし、魔界人として一緒に生きていたいのではないのでしょうか。

 まあこの歳まで魔界で育ててきたということはやっぱりそう思っているのでしょうけれど。


「こんな小さいのにお母さんがいないなんて……」


「……人間なのだから仕方ない。それに彼女は天寿を全うした」


 私たち3人の頭にはハテナマークが浮かんだ。テンユちゃんのこの歳で?天寿を?シューツェン氏は結構高齢な方がタイプだったり?でもそんな高齢だと妊娠はできないでしょうし……。


「じゃ、じゃあテンユは結局何歳なのだよ?!」


 ついにリンが聞いてしまった。

 シューツェン氏は自立を促すような温かい眼でテンユちゃんを見つめると、


「自分で言ってみるのだ、テンユ」


「えーっと……」


 3人の視線がテンユちゃん1人に注がれる。

 確かに魔王様があんな幼児体型で2000年生きているとかいうトンデモ種族ですし、見た目だけで判断するのは危険かもしれません。


「あの……81歳……」


「「「えっ」」」


 思わず声が漏れてしまった。テンユちゃんはソレに驚き、殻にこもっていくカタツムリのように体を縮めた。

 81歳ですと?!私たちの約4倍じゃないですか!

 最初、自分の年齢を分からないと言っていたのもこうやって驚かせてしまうことが分かっていたからなのでしょうねぇ……。


「ではシューツェン氏は何歳なんですか?!」


「我輩は800歳くらいだ」


 800歳?!シューツェン氏でも魔王様の半分に満たないと……。

 やっぱりこれほどまでの数値のインフレになると端数はもう言わないんですね……。

 人間にとってみれば1年ですら貴重な時間なのに……。


「……というか子供ができるくらいまで人間と魔界人は交流をしていたのになぜ行き来できなくなったんですか?」


 シューツェン氏は俯いて沈黙。

 ずっと黙っていた魔王様はやっと出番だと言いたげな顔で玉座から身を乗り出し、


「シューツェンは女癖がひどくてのぅ!そちらの世界に降り立っては、それはもうまぐわりまくりだったのじゃ!ソレに呆れたわしは入り口に魔力を施した巨岩を設置し、往来を禁止した。前までシューツェンはわしの側近だったんじゃが、色事に惑わされおった罰として、今となってはなーんの意味も持たない門番という職をやらせておるのだ。自分の行いを改めさせるためにな!あわれあわれじゃ、ぷぷぷ!」


 とまるで幼稚園児がお母さんに今日あったことでもでも語るかのように無邪気に、面白おかしいように言ってのけた。

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