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異世界乱世  作者: Asuga
白雲の章、呻の節。アラカンの町にて、
14/39

襲来、法王国の司教

 「どこを見て回ろうか?」

 ソウスケとスクヨはアラカンの町で、ソウスケの服を探していた。


 「どこでもいいさ、でもなるべく安く済ませたいな」

 ソウスケは日本で使っていた財布を取り出した。


 「これから着る服とで、二着買おう!」

 スクヨにはソウスケの声は聞こえなかったようだ。


 それからスクヨと俺は、服選びを何度もし最終的に行き着いたのは動きやすい機能的な冒険者服フルセットと、堅苦しいピシッとしたシャツで首を絞められた服になった。

 ズボンに関しては、動きやすいジャージのようなものだけでいいといったが、最終的には日本で来ていた制服のズボンのようなものになってしまった。


 「これでだいぶいい感じだと思うよ」

 スクヨはご機嫌そうにそう言った。


 「4600ラト無くなってるけどね...まあいいけどさ」

 ソウスケは服選びに疲れ切っていた。


 「それじゃ、ちょっとクールタイムを挟もう!」

 スクヨは元気そうに街の中心部にあるアイスの出店から、二つアイスを買ってきて一つソウスケに渡した。


 「ありがとう、アイスなんていつぶりかな」


 「少なくてもこの世界に来てから食べてないよね~」

 ソウスケは今日までにあったことを思い返しながら、バニラアイスの味に懐かしさを感じていた。


 「なあ救代ちゃん、君は日本に帰りたいか?」


 スクヨは少し考えてからこう答えた。

 「私は帰りたいかな、またあの町で友達と一緒にみんなでカラオケとか行きたい。チョコレートとか食べたいし、兄さんともう一度会って、もう一度一緒にパフェ食べに行きたい」

 スクヨは一つ一つ言葉を発していくごとに、声は震えていった。


 「お兄さんか、俺もだ。姉さんや父さんや母さんともう一度会いたいし、向こうの世界に帰りたい。だからさ、一緒にあの町へ帰る方法を探そう」

 スクヨは少し涙ぐんだ顔を拭き、ソウスケが伸ばした手を取った

 

 「でもその前に、会わなくちゃいけない人がいるんだ」

 

 「サリさんでしょ、なら私も付きあうよ角居君のやりたいことに。きっとあの世界から来た私たち四人が協力し合って、元の世界に帰ることが私たちの行きつく先の道なんだよ」


 そんな会話をしていると、町の中心のアーチを壊そうとする黒い靄を出した獣人がいた。

 周りの人々は、獣人が妙なことをしていると思っただけで基本無視をしていた。


 「そこの人、町のものを壊すのはよくないぞ。なんか嫌なことがあったんなら、俺が話聞くからさ」

 ソウスケはそう言って獣人の顔を見ようとすると、獣人の顔は赤黒い目になって牙をむき出しにしていた。

 獣人がソウスケを自身の爪で切り裂こうと腕を振るった。

 ソウスケがそれに気づくと、獣人を腕を掴みながら押し倒し、話しかけた。


 「あんた、大丈夫か!しっかりしろ」

 だがソウスケがそう呼び止めていても獣人は止まらなく、ついにソウスケを吹き飛ばし錯乱しながら周りの人間を襲いだした。


 「誰か助けて」

 「衛兵は何をしてるんだ」


 町の人々は獣人から逃げようと、パニックになっている。


 「グアアァ」

 獣人は標的をスクヨに定め、スクヨに向かって走り出した。


 スクヨは、何とか逃げようとしたが、足をくじきその場に倒れた。ゆっくりと獣人が向かって、牙を震わせている。


 「やめて!」

 スクヨは自身の中にある〈光〉を前にソウスケが出したものとうり二つの盾にし、攻撃を防いだ。

 獣人は身震いをし、もう一度スクヨに襲い掛かった。

 すると、獣人の目線を何かが遮った。


 「くらえ」

 獣人の目を遮ったのは、ソウスケの片足であった。ソウスケは空中で蹴りを入れると、そのまま獣人の体に数発殴った。


 「やっぱり硬い。なああんた、獣人がどれだけ苦しいのか、俺は少ししか知らない。でもだからって他人を傷つけたらおしまいだろうが!」

 

 「シャモラヲキェヲセスアルゲン、キェヲ?キェトムオルニェミノワ?」

 獣人は困惑していながらも敵意を出していた。


 「なんでだ、どうして戦うんだ」

 獣人はソウスケに向かって走りだす。


 「ムセ、ルォモワキェトマデレウルォルォ、ニェヲアルオルスツツンビルォ」

 獣人がソウスケにとびかかろうとしたその時、獣人に一本の矢が足に突き刺さり獣人はその場で痛がっている。


 「グワアァ、ルォンビルォ、アアア」


 「命中だ、さあて死んでもらうぜ」

 現れたのは白ずくめの男、ルドラスだった。


 ソウスケは飛び出し獣人をかばった。

 「待ってくれ、まだこの人は誰も傷つけちゃいない」


 「おいおい、冗談のつもりならどきな」

 ルドラスは少し動揺しながらそう言った。


 「冗談じゃないさ、絶対にな」

 ソウスケは顔を強張らせた。


 「ビィチャセニェショ」

 獣人は唖然としながらそう言った。

 

 この状況はルドラス側にとって、困った状況であった。何故ならば人の子が獣人の殺しに反対して、そしてまだ獣人は人を殺していない。「人を救うこと」を掲げている法王国の教えでは、子供に手をあげるのは厳しく禁じられていた。


 「仕方がない、ここは悪い大人になるしかないか...」

 ルドラスはソウスケから顔を見えないくらいに帽子を深くかぶり、ニヤリとした口元が見えた。


 「ガキ、法王国の司教としてではなくルドラス・シグルとして言う。どけ」

 ルドラスは声を低くしそう言った。


 「ふざけんな、人を殺すから退けなんて子供だってどきやしないさ。脅せば言うことを聞くとでも思ったか、嫌な奴だなそれでも大人かよ!」


 「生憎大人ってやつは、基本嫌なやつなのさ」


 ソウスケは怒りを滾らせ、近くに落ちていた矢を投てきした。

 「あぶな!おいおい元気な子供だな!」

 ルドラスの顔がのぞくと楽しそうな表情をしている、まるで遊び道具を得た子供のように


 ルドラスはソウスケに近づき、一瞬のうちにソウスケは投げ飛ばされていた。


 何が起こった?いや考えるな、次の策の方を考えろ


 ソウスケは思いついたように宙に浮いているうちに、自分の財布をルドラスに投げた。

 財布はルドラスの顔に命中し、中に入っているお金が少なくても少しの間の目つぶしにはなった。


 「ガキが舐めてると痛い目を見るぜ」

 ルドラスは少し苛立ちを見せ、自身の矢を3本総助の足と手を狙って打った。

 矢は命中したかに見えた。しかしソウスケはが次に姿を見せると、まるで戦国時代に将軍が身に着けていた様な鎧を身にまとっていた。


 「なんだその姿は?」

 ルドラスの疑問は正しく、この世界には「将軍」なんてものはない。だがルドラスは一つだけ察したことがあった、この少年は異質だということに

 ルドラスは冷や汗を少しかいた。

 

 「なんだこれ、鎧だー。でも」

 ソウスケの鎧はたちまち〈光〉となりそして、今度は刀にした。

 「刀ねえ、覚悟しろおっさん。俺はあんたを大人として絶対認めねえ!」


 「ガキが、粋がってんじゃ...待て、あの獣人はどうした?」

 ソウスケが思い出したように周りを見回すと、獣人の影はもうなくなっていた。


 「ちッ、運がよかったなガキ。今度邪魔したら容赦しねえぞ」

 

 「ガキじゃない、総助だ。角居総助(すみいそうすけ)、おっさん、あんたこそ今度また誰かを殺そうなんてしたら絶対許さねえ」

 お互いににらみ合い、先にルドラスが振り返ると去り際にこう言った。


 「ルドラス・シグル、ディジアー法王国の司教だ。ソウスケか、名前覚えたからな」


 「ああルドラス、俺も覚えた」

 二人は背中を向けあるいていく...


 今思えばここから動き始めたのかもしれない、この世界の5つの国とディジアー法王国を取り巻く大きな闇を。それに俺はこのとき何も気づいちゃいなかった、自分がまだ子供であるっていうことを、サリに会うということが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()...

 

 

~~~

 


 ここはアラカンの小さな食堂、ソウスケ達はそこで夕食をとっていた。

 「それで法王国の連中と少し戦ったと、君は相変わらずだね」

 クルメは、半ば諦めたような顔でそう言った。


 「相変わらずなどで言葉を濁さんでもわかる、こいつがただの馬鹿だといいたいのだろう」

 スルマがソウスケに聞こえるよう馬鹿を強調して言う。


 「お前なあ、馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞ」

 少しムキになるソウスケ

 

 「ならお前がその称号を自ら受けとってくれて助かる」

 スルマはシチューを飲み干し食堂から出て行った。


 「須流真君は相変わらずだなー」

 スクヨがそう言うと、総助は分からなそうに聞く

 

 「須流真と救代ちゃんってどこで知り合ったんだ?」

 ソウスケは前から気になっていた質問を投げかけた


 須流真はいつも救代ちゃんのこと呼び捨てだったから、気にはなってたんだよな~


 「高校が同じで、それから通ってたジムも同じだったから自然に知り合った感じかな」

 

 ジムか、そういえば俺も中学の頃に親に強制的に入れられて、そこで体鍛えて運動が好きになったんだよな


 ソウスケはそう思い出に浸っていた。


 「そろそろここでよう、須流真君も外で待ってるし」


 スルマは外で一人、くしゃみをして待っていた

 「だいぶ、寒くなってきたな」


 そして宿に戻る一行であった。



~~~



  風を感じない、総助は自分がどこにいるかを瞬時に理解し、ある名前を呼んだ。


 「名前を呼ばなくとも既にいるさ、角居総助」

 そこに立っていたのは、相も変わらずスーツを着た龍虎であった。


 「あんたが呼んだんだろ、龍虎」

 風のない地で再び彼らは出会う

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