休息、たまにはこんな日も
あれから5日経ったが、ソウスケ達は未だ森を彷徨っていた。
「いつこの森から出られるんだ?」
「道に迷ったんじゃないのか?スウリクルメ」
「みんなだいぶ匂いがきついよ~」
ソウスケやスルマ、スクヨたちはかなり限界な状態となっていた。その一方スウリクルメはと言うと、
「おかしい、私が道を間違えているはずがない。」
スウリクルメも疲労がたまり精神がすり減っていた。
「みんな落ち着いて、この道で間違いはないよ。この森は抜ければアラカンの外れまで一気に着く、ここで道を外れる方が遭難するよ」
ラスレは落ち着いた声でそう言った。
「でもこの風景、もう2日は見てるぞ」
ソウスケが疲れ切った声で言う。
「あれ、あれ見て!」
スクヨが声をあげると、森の木々のわずかな隙間から石畳の道が見えた。
「このままいけば町に続く道に出れそうですね。」
「ああラスレ、ようやく森から出れる!」
ラスレとソウスケは嬉しそうに話していた。そしてうれしそうな人がもう一人...
「やはり私の選んだ道が正しかったんだ、源須流真君、私に謝罪の言葉はないかい?」
「ないな。そもそも森を経由する必要があったのかさえ怪しい」
クルメは眉を顰めながら、まるで子供の用にそっぽを向いた。
「君にはわからないかもしれないけどこの道は、正しい道で行けば8日ところを私の計算では4日で着けるようにしているルートなんだ。もっと感謝してほしいものだね」
「それどんな計算だ?」
スルマがそう聞くとクルメはニコっとすると
「24時間毎日進めば4日で着く計算だが?」
スルマは呆れた顔をした
「5日は経ったよね...」
スクヨは困った顔のまま愛想笑いをしていた。
「それでもついたんだ早く行こうぜ」
ソウスケは真っ先に森から出るとそこは、町外れの少し古びた町だった。
「ここは?」
ソウスケはきらびやかな街を想像していたようで、町を見ると頭の上に?を浮かべた。
「国の一番栄えてる町だとしても、外れはこんなものだよ。向こうを見ればわかるだろ、ここから進んで行けば少しずつ周りが栄えていくから大丈夫さ」
ラスレはここでフードで顔を隠した。
「そういや、アイテラガにも王様っているのか?」
ソウスケは子供のように目を輝かせそう言った。するとラスレとクルメは急に吹き出し、腹を抱えて笑った。
「何で笑うんだよ、こういうところって王様か何かがいるもんじゃないのかよ?」
「ははは、君は歴史の教科書とかを読んだことはないのかい?」
クルメはソウスケを小ばかにし、ラスレはどうにか落ち着きを戻してこう説明した。
「アイテラガは王国じゃなくて公国、正式名称はアイテラガ公国なんだよ。公国に王様はいなくて、その代わり公爵が国の一番偉い人なんだ。だからこそアイテラガは弱小国呼びされることが、ちまちまあるけどね」
「じゃあ王様には会えないのか...まあ仕方がない、行こうアラカンへ」
ソウスケ達は少し先のアラカンへと向かうのだった。
1時間が経った頃、もう周りは少しずつきらびやかな街並みとなっていた。
ソウスケ達はそこで、宿を見つけしばし休憩するのであった。
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その日の夜、ソウスケやスルマたちは活気のある町レストランでスクヨを待っていた。
「ごめーん遅れた」
そう言って息を乱して走ってきたスクヨの服装は、先ほどの現代的なセーターから打って変わり、腰のあたりをシュっと締めたワンピースのような服を着ていた。
「服装変わったな?」
「さっきお風呂に行って、着替えも買ったのよ!」
自慢げに服をソウスケに見せびらかすスクヨ
「角居、それから救代早くいくぞ」
スルマがそう急かすと、二人はそそくさと店に入っていくのだった。
食事中スクヨが雑念のない顔で、ソウスケ達に聞いた。
「というか、みんな体洗わなかったの?私気持ち悪くてさっさと行っちゃった」
「お風呂なんて、どこにあったんだね?救代君」
クルメは興味深そうに聞くと、
「宿の裏側に、でもたまには浴槽でゆったりしたお風呂に入りたいなあ~」
この世界の風呂は、いわゆる蒸気風呂のようなものである。浴槽につかる風呂など多くはなく、現にソウスケ達もこの世界に来てからというものの碌に浴槽につかったことなどなかった。
「後で男四人で行くか!」
ソウスケはおいしいご飯を食べながら、笑顔でそう言った。
食事後、ソウスケ一行はお風呂へ向かうのだった。
「正直、この世界は不自然だ」
「何がだ?」
スルマとソウスケはお風呂でこの世界のことを話していた。時間も遅くなり、ラスレやクルメ達はもう宿に戻っていた。
「この世界では俺たちの日本語が通じているどころか、日本語を書いても何も疑問に思われない。何かがおかしい」
「便利だからいいんじゃねえの?俺英語とか苦手だし、今から言葉憶えろとかさすがに無理だよ」
ソウスケは馬鹿真面目にそう言った。
「バカか、それが変だと言っているんだ」
「お前バカって今言ったか、さすがに言っていいことと悪いことがあるだろうが!」
「貴様ほどのバカは話が通じんな」
「どっちがだ!」
そんな他愛もない喧嘩するのであった・・・
翌朝。
「おはよーう」
総助がベッドから飛び起きると、部屋全体に響き渡るような声でみんなを起こした。だが、
「あと五十分だけ眠らせてくれ。朝は弱いんだ」
しおれたクルメが掛布団にくるまってそう言った。
「わかった、今起きるよ」
ラスレの頭は少しぐしゃぐしゃになっていて、顔はまだ寝ているようだった。
「貴様の指図は受けん」
そしてスルマは起きてはいるが、ソウスケに起きろと言われたため、変な意地を張りベッドから降りようとはしなかった。
「それで角居君一人?」
スクヨは、自分の部屋でストレッチをしながら聞いた。
「最近の長旅で疲れてたんだよ、最低でもあと1週間は滞在するし、今日くらいいいかなって」
スクヨは何かひらめいた顔をして、ソウスケに提案を持ち掛けた。
「今日、角居君の服を探さない?」
「服?確かにケイヤさんにもらったこの服はそろそろボロボロだし、新しいの買うか」
そうして、スクヨとソウスケの服探しは始まる...
ちなみにソウスケの所持金は現在5000ラト(日本円で21000円位)である。買い物成功成るか?




